七夕

想いそのまま ~七夕に寄せて~

文(ふみ)を頼りの
信じるだけが拠り所であった恋人たちは
不自由どころか
こころのままに互いに振舞え淋しくとも自由だった

それほど遠くない昔
手紙というアナログは国境超えずとも
時差を作り続けた
恋するふたりの間に容赦なく

時代遅れの顔を付けられた文(ふみ)らだが
デジタルの文字よりも
時間の波に打ち勝ちあの頃を変わらず静かに記憶する

壊れることがない文(ふみ)の文字は
想いを文字の佇まいに添えただ一つの言の葉となって時間の隙間に残る
あなたに送った文(ふみ)らは静かに眠っていますか


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