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これからも大切にしたい”手紙”のお話。

相棒くんにはずっと
手紙を書き続けている。

メールでもいいのに、
会うときには必ず手紙を渡す。

最初の数か月は書かなかったけれど
面と向かっては上手にお話しできない私が
思いを伝える手段の一つとして
一方的に書き始めたのがはじまり。

それから13年、ずっと。
月に1回はかならず。

「もしかしたら私が一方的にしてるだけかな…」って
ちょっと弱気になったこともあったけど
私から手紙を渡さないでいると
お別れ間際に相棒くんから催促してくれる。

「…手紙は?」って。

ちゃんと準備して持ってるくせに
「…ないよ。」なんてちょっと意地悪言うと
「なんでないの…」って言わんばかりの
寂しそうな顔をしてくれるのが
ちょっと嬉しい…。

急に会えることになって
急いで準備した時には
封筒に封をするシールを
し忘れてしまって。

「今日は手抜きやな…」って
言われたこともあったっけ。

そんなところも見ていないようで
ちゃんと見てくれてるんだなぁ…と思うと
どんなに忙しくても”手抜き”はせず、
シールやマスキングテープで
封をするようにもなった。

少し前に封をすると
チャックみたいになってて
開けると裏側に「I♡YOU」って書いてある
「Zitte」っていうのを使ったことがあって。

でもよく見ないと普通のテープだから
うっかり普通に開けてしまったら
意味ないし…と思って初めての時は渡した後で
「これはね…」っていちいち説明したから
サプライズ感は全くなかったけど…
「オシャレやな。」って
無反応で流さないでいてくれたのも嬉しかった。

そんな風にベタに「♡」のシールをはってみたりもする。
他の誰かに手紙を書いても
誰にも「♡」のシールなんて貼らないよ。
…なんてこだわりも
他の人への手紙を見せたことはないから
相棒くんは知らないだろうけど
ちゃんといつだって”特別”だから
自惚れていてほしい。

手紙を渡すと
指で封筒を挟んで
厚みを確かめたり
手のひらに乗せてみたりして
封筒の中の便箋の枚数を
「今日は1枚やな。」とか
「3枚書いてあるやん。」とか
「今日は…2枚半やろ?」とか…

ん?2枚半…?って思って聞いたら
「俺ぐらいになるとインクの量でわかんねん。」だって。

ホンマかいな…と思うけれど
案外当たっていたりもして
そういうところも含めて
すごくありがたいし、とてもカワイイ。

そんなことを繰り返すうち、
手紙を書く時、
「1枚でも書けばいいや…」から
「最低でも2枚は書こう!」と思うようになった。

相棒くんに書いた今までの手紙は
全部"カンカン"の中に入れて保存してくれているらしい。
それをたまに読み返して
こんなこともあったな…って思いだしたり
励みにして頑張ろうって思ってくれたり。

"カンカン"が2つ目に突入した時は
教えてくれたっけ…。

それを聞いてから手紙には
書いた日付を入れるようにした。
いつ頃の話だったか
振り返る時に分かりやすいように。

ある日、いつものように手紙を渡すのを
ちょっともったいぶった時の
相棒くんの言葉がずっと頭の中にある。

「なっちからの手紙がないと
俺、情緒不安定になるねんから。」

嬉しいことを言ってくれるじゃないか。
ちょっとぐらい自惚れてもいいかな…?

思わぬ形で趣味という趣味が
なくなってしまったけど
今は相棒くんに手紙を書くことが
とても楽しい。

いつも手紙をもらってくれて
ありがとう。

ちなみにヘッダーの写真のレターセットは「九ポ堂」さん。

活版印刷と少し不思議な「紙雑貨」のお店。
ちょっと懐かしいレトロな感じと
ないけどありそうな不思議な感じ、
活字が多い物語のある文房具が好きで。
空想採集帳とかもう自分の世界を書き綴るには
最高のノートだと思うんです。


ポストカード、全種類揃えたいぐらい好きなんですけど
1枚買ってしまったらきっと全部欲しくなる…と思って
まだ買ってないものの、時間の問題かもしれないなぁ…。


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