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「メンタルヘルスのるつぼ」になるまで

メンタルヘルスのるつぼ」とは、Twitterのボットの一つだ。
毎日数十というメンタルヘルスに関するニュースを取り上げる。
フォロワーは2019年2月現在で500人。多くはない。
ただし、ツイートを1回見るたびに増えるインプレッションという数値は、
15万/月となっており、
ボットのニーズは確かにあることを裏付けている。

このボットの元々の名前は「メンタルヘルスニュース」だった。
シンプルに以下のようなニュースを自動でつぶやくことを
期待して作成したのだった。

「メンタルヘルスに問題を抱えた方へ。
○○の方法を試すと症状が改善しますよ」

「✕✕という企業が、職場のメンタルヘルス維持のため、
働き方改革を行いました」

このことで、役立つ情報を少コストで拡散できればと思ったのだ。

ところが、検索キーワードに引っかかるものを
ボットは何でもツイートした。
自殺という深刻なものから、芸能人のゴシップ、
「これは本当にメンタルヘルスか?」という記事まで。

融通が効かないな、イメージ通りにはいかないな。
とがっかりしたのが、正直な感想だった。
ただ、しばらく稼働・運用させてみて、気付いたことが2点あった。

一つは、メンタルヘルスに関しての認識を一歩前に進めてくれるような、
「キラリと光るニュース」は確かに存在するということだ。

例えば、とても苦しいうつ病の治療の最中、
ニュースで「あの人もうつ病だった」と知る。
それだけで、なんだか孤独では無いような、
社会とのつながりをキープできるような、
そういう気持ちになるのだ。

もう一つは、多くのニュースを見ることで、
メンタルヘルスというものを多面的に捉えられるのではと思うようになったことだ。

メンタルヘルスの中には、
自身の健康を損なったことで、各種の病名を診断された方がいる。
当事者だけでなく、家族、治療者などの関係者がいる。
「それぞれ」に向けて玉石混交のニュースが発信されている。

新聞でも、WEBサイトでも、
読むものは興味のあるものだけ、
「自身に関わるものだけ」ということは少なくないと思う。

けれど、視界の隅に入る記事の見出しが、
頭を通り抜けていく。
そのことに少なからず意味を見いだす。
ボットによって、読みきれないほどのニュースがツイートされる中で、
そのような「つながりの化学反応」が起こると思うのだ。

これら2つの気づきを「他の人」と共有できないかと考えたとき、
「他の人」はメンタルヘルスに関して別の特性を持っているだろう
とアタリマエのことを思った。
メンタルヘルスの世界は多様に違いない。

アメリカは人種が多様であり、「人種のるつぼ」と呼ばれている。
なら、メンタルヘルスに関しては、その多様さを、
「メンタルヘルスのるつぼ」と呼んでも良いのではないか。
…となり、今の名前になった。

とはいっても、単なる情報を拡散するボットだ。
大層なことはできない。
「ニュースはたくさん見れない」というのもあると思う。
正直、無関係な記事も少なくないし、特に、体調がすぐれない時は…。

幸い、ニュースの反響はデータとして記録に残る。
反響の多い「キラリとしたニュース」は、noteに特別枠で紹介できる。
「つながりの化学反応」は、そのnoteに自分の視点を加えることで、
他者と共有できるかもしれない。

今後、ボット作成者裏話も加えて、noteに書いていきたい。

メンタルヘルスのるつぼ @MentalHealthPot

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