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今頃の“If”

あれから、確かに私と夫はMessengerをすることがなくなった。
だって、ずっと一緒にいるからね。
最初は回数を指折りしていた夫も“もう回数わかんなくなった!”って。
生理は毎月ちゃんと定期的にあってたからその生理と生理の間を何度も埋め尽くすようにやって。
それはまるで私を貪るような夫の性欲と“俺の子を妊娠して!”っていう本能になされるがまま。
こんだけやってればいつかはできてしまうでしょうねと思ってたのに、何だか様子がおかしいと次第に私は思い始め。

ねぇ、排卵日は?
もしかしたら私は無排卵月経を起こしてるのかも。
ずっと左卵巣が腫れてるような気がしてた、だってたまに左の横っ腹がきゅ~っと痛くなってたし。
卵管か捻くれてるとか、卵巣が腫れてるとか、絶対に何かある!

42歳妊娠, 43歳妊娠, 妊娠の可能性, 妊娠率……

そこに出てきた検索結果は本当にワーストワードしか並ばなかった!
夫と出会ってすぐ“子どもができたら”なんて考えた私の脳内お花畑っぷりよ、これが現実です。
42・43歳で妊娠する人なんて多額の不妊治療を何とか工面しながら、精神的にも肉体的にもその年齢の限界まで挑戦して、それでも妊娠できるのは僅か…出産までいきつくのはさらに僅か、それなのに障害児である確率は高いだなんて。

自然妊娠はもう宝くじに当たったようなもの。
卵子の数というのは女として生まれたときから決まっていて、それは年齢と共に数が減ってくどころか劣化までしてしまう。
『できちゃった結婚』ができるのもただただ“女だから”ってだけじゃなくって“若い”からできること。
今から金掛けて必死になったって時既に遅し。
やっと今になって子どもを持てることがどれほど幸運なことだったのかと思い始める。
過去の自分に言いたい。
――もっと女の自分を大事にしなさいよ!
生理は面倒臭いと思ったあの日。
具合は悪くなるし、気分は悪いし、たまに外でアクシデントを起こしたりとかもあったし、早くあがってしまわないかなって平気で思った。
特に夫と出会う直前まで、私にはもう子どもを産む計画なんてないのにどうして毎月の生理でこんなにも苦しめられないといけないんだろって。
だったら“子宮を取ってしまいたい!”とまで……もうとことん自分に呆れるわ。

そして12歳年下の夫について考えてみる。
相手が私でなかったら、夫は自分の子どもを持つことができて、幸せな家庭を築くことができた――
そう思うと夫が私といていいはずもない。
夫はまだまだこれから!
男も女も30代で初婚なんてざら、子どもだって2~3人は余裕でしょ。
それが自然、つまり私といることは不自然。

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