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Vol.5 バナナで釘が打てるか

私が中学生だった頃、凍ったバナナで釘を打つCMがお茶の間を賑わせました。

私は真似をしようと1度だけ家の冷凍庫にバナナを入れて凍らせ、板に釘を打ち付けようとしたことがあります。ですが、予想に反してバナナが釘を貫通して失敗。後で、母親に食物を粗末にしたことを強く叱責されました。

大人になった現在、もう一度あのような真似をしようと思いませんが、釘を打つ道具はトンカチだという一般常識を打ち破り、トンカチの性質である硬さに着目して、バナナを-40℃の環境下に置き、凍らせて釘を打つ。そんな発想を生み出した人はさぞかし頭が柔らかいのだろうなと思いました。

もちろんCMに落とし込むまで仮説や実験、追試を繰り返したことでしょう。

「トンカチと釘」「バナナと釘」

前者は打つという言葉が出やすく、後者は何の関連性があるのだろうと疑問符がつきます。類似性から細長さが共通するぐらいしか思いつかないのではないでしょうか。

この手の話をすると、細谷功著『アナロジー思考-「構造」と「関係性」を見抜く』を一読すると更に面白くなるかもしれません。

「バナナと釘」以外で世間をあっと驚かせるならば、こんなフレーズはどうでしょうか。

「石頭で釘を打つ。」

頭の固さは誰にも負けなさそうですが、激動の現代には取り残されそうです。


日々是好日