銭湯から家まで

銭湯の帰り 遠くにいる友人と話す 「どお」 「変わらんね 停滞しとるよ 仕事以外ほとんど外出もしてないし」 「それなら 元気なほうやね」 「そうなんか」 「そうやろ」 「まぁ そうか」 「こっちは 相変らず あれやっとるわ」 「あれですか」 「あれですよ」 「そういやTが 移動するとか言ってたよ」 「決まったんか?」 「まだ場所までは 決まってないけど 移動はするみたいよ 遠くに希望出したらしいけど」 「あいつに無理やろ」 「知らんけど 引っ越し手伝ってくれとは 言われたよ」 「あんなん 全部捨てればええよ」 「あの 押し入れとか本人も何入れてるか 知らんくらいだもんな」 「それ 要らんよ」「そういやこないだ Kさんが元気にしとるか?って言ってたわ」 「Kさんかぁ」 「たまに 一緒になるけどさ おまえのその欲のなさは何なんだ?とか なんかの信仰心か?とか言われるよ 信じられるものあったらいいですけどねって 答といたけどさ」 「なかなか 興味深い話やね」 「Iが 一番人間味あったと 言ってたよ」 「へぇ おれこの後 どうすっかな まだちょっとこっちに 居ようとは思ってるけどさ」 「どうにでもなるよ」 「そっちよりかは どうにかなると思ってるけどさ」 「まぁ 先が長いのか短いかもわからんしな」 「平均寿命まで だいぶあるな」「うまいこと死ぬのも 難しいもんだろうなとは 仕事してて思ったりするけどね まだまだよ」 「食事もそんなに必要でないしさ 顔も変わってきててさ 体は変わってくるよな」 「食わん方が 長生きするかもな やりたいことはやっとかんとだわ」 「したいことあんの?」 「散歩とかね」 「そんなんいつも してることやろ」 「娯楽なんよ」 「意外と長生きするかもな」 「そればっかはわからん まぁ またね おやすみなさい」 「ほんじゃね」  満月近い月が見えて 電車の音聞こえて 足は動いてる

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