ブリックスアンドモルタル考

新年あけまして、いろいろ悲しい出来事が起きてしまいましたのでご挨拶は省略とさせていただきます。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

今現在、次年度の出資候補で狙ってみたい種牡馬にブリックスアンドモルタルとレイデオロの2頭がいます。どちらも現3歳世代が初年度で、前者は中央で47頭出走し勝ち馬11頭(勝ち馬率23.4%)で2勝馬が4頭(重賞勝ち2頭含む)こそ出している状況で比較的に成功している部類。後者は中央45頭出走、勝ち馬11頭(23.4%)と互角。ただ2勝馬はトロヴァトーレのみ、のみと言ってもクラシック候補として名の上がる存在でもあるので侮れません。
半年後、全然違う方向でしゃべっている可能性もありますが、現段階の傾向から考察し、募集開始までに軌道修正もやっていけたらと思います。

では、本題です。
今回取り上げるブリックスアンドモルタルの競争実績を把握しましょう。芝で13戦11勝、距離は1600~2400m。ブリーダーズカップターフやアーリントンミリオン、第1回のペガサスワールドカップターフを制するなど2019年米国のビッグレースを年内無敗で総なめにした最強芝馬。高パフォーマンスはマンハッタンSとアーリントンミリオンの芝2000mでしょうか。

血統背景を見ますと優先祖先は5代前のBald Eagleとなり、欧州の芝で3勝を挙げた後に米国へ拠点を移しダートで9勝をしました。代表産駒に1972年の凱旋門賞を3歳で勝ったSan Sanという牝馬がいる。
本馬はGiant’s Causewayのゼロ活性産駒となりStorm Cat以下Northern Dancer、Secretariat、Blushing Groom、Robertoの影響を無効化でき、世界で主流血統である錚々たる種牡馬のクロスを気にしなくてよくなる点で優れています。
実はこれが今回注目している理由でもあります。
このブリックスアンドモルタルが母方に入ることで、クロスが強くなりすぎる懸念を最小化する働きが期待できるので牝馬は繁殖として非常に期待できます。さらに期待できる繁殖に仕立てあげるためにも、優秀な母系を探りつつ活性化できる仔に巡り合えたらよいなと考えています。

■現役活躍馬■
イーグルノワール
2歳Jpn2兵庫ジュニアグランプリを勝ち、続くJpn1では勝ち馬フォーエバーヤングからは7馬身と大きく離されるも2着と現時点での完成度の差を見せつけた。
優先祖先は父ブリックスアンドモルタルとなり、Seattle Slewのクロスが有効となりダートで成功できたのはこの影響力が強いか。基礎体力に恵まれているので稼げるうちに稼ぎ倒すスタイルがよさそう。距離は1400~1800mのマイラーの印象があるので、春の大目標はJpn2兵庫チャンピオンシップか

ゴンバデカーブース
残念ながらホープフルステークスは感冒のため出走取消となってしまったが、私自身も重い印を打っていたので非常に残念ではありました。
サウジアラビアRCを最後方から33秒台の脚で豪快に差し切った。走る気力が豊富で位置取りショックを好む。
こちらも優先祖先は父ブリックスアンドモルタル自身。基礎体力は平均クラスのため、大事に使ってはいきたい。母内のLyphardクロスのみ有効となっているので、速い馬場への適性はここから来るものと推測する。
喉鳴りで手術されるらしいですが、今後もマイルくらいであれば十分こなしてくれると思います。

クランフォード
好配合だと思うので、今後の活躍に注目したい1頭として紹介したい。
2戦1勝の牝馬。ロードHCで4000万円(1口8万円)募集。
こちらも優先祖先は父ブリックスアンドモルタル自身。
短縮1400mで圧勝したように、走る気力は豊富かつ優秀なスピードを母方に内包している。これはThe DancerとKazadancoaの全姉妹クロスから来るものと推測しており、スピードを増幅させている。母エンジェルフェイス自身も連勝でフラワーカップを制しているように、勢いは重要。
次走は2/3(土)春菜賞の模様。

注目ポイントは
①優先祖先ブリックスアンドモルタル
②牝馬クロスはスピードの増幅
 

■結果が出ていないと思われる産駒の配合例■
ポッドロイ
6月にデビューして初戦こそ2番人気となるが、6戦して4着が最高。
優先祖先が祖母の京都牝馬Sを制したアズマサンダース。
未勝利馬の配合を見ていて多いのがStorm Birdが有効となってしまうケース。ここは避けていきたい。

スマイルコレクター
もう一頭はDMMで3500万円(1口1.75万)募集の牝馬
まだ2戦しか走っていないがこちらも母が優先祖先コレクターアイテムとなり、アルテミスSを勝った重賞ウイナー。5代母アンティックヴァリューはベガを輩出した牝系で、重賞馬マックロウもいる良血と言える。
しかしながら、こちらもポッドロイ同様Storm Birdのクロスが残っていて、2番人気4着→3番人気11着とどこか実力を発揮できない何かを秘めている。
DMMで出資されている方で気分を害された方がいらしたら申し訳ありません。

注目ポイントは
③優先祖先が母系であっても母系の良さを引き出せない
④父母系と母系でのStorm Birdクロスは危険信号
 Storm Birdのクロス残りは適性迷子になる懸念
 現勝ち上がり11頭のうち、父母系と母系でStorm Birdが成立しているケースはない

■注目したい23年産駒■
ブリックスアンドモルタルの23年産駒はMax活性産駒となるケースが非常に多い(ブリックスアンドモルタル自身が4月配合のため、1月、2月生まれの産駒は必然的にMax活性産駒となります)。3月以降生まれの産駒はゼロ活性産駒となり必然的に母似となるため上記の考察からはあまりよいとは言いにくい。とは言え、父母系に入るStorm Birdクロスは完全に無効化できるため、本当によい牝系の母がいれば狙ってみることも考えたい。

①レネットグルーヴの2023 牝 ノーザンファーム 2/17生
 優先祖先がブリックスアンドモルタル自身となる父のMax活性産駒。
 また、母父のキングカメハメハはゼロ活性産駒となり、ミスプロの無効化にも成功し、繁殖に上がった際はほぼ相手を気にせず配合することが可能という仕組まれた仔。ましてやノーザンがダイナカール牝系牝馬をセリに出すことは考えづらく、兄弟はサンデーかキャロット、シルクと一口クラブでの募集を期待している。基礎体力も豊富

②ペイドメルヴェイユの2023 牝 社台ファーム 3/8生
 こちらは種付け日が3/24であるため父のMax活性産駒となる。
 母はヴィクトワールピサ、アサクサデンエンのGI馬を輩出したホワイトウォーターアフェアの牝系。
 特筆すべきポイントはGlorious Songの牝馬クロスがある点だ。牝馬クロスはクロスの弊害がなくスピードの増強のみを加える減点がない配合のため、比較的重さの目立つ牝系だが、良さが引き出されるのではという期待しかない。社台で募集されることが予想され、募集価格は70~80万円くらいと読む。繁殖としてだけでなく、競走馬として期待したい1頭。

残り2頭は個人オーナーの所有馬であるため、文字だけ
③ニシノハナムスメの2023 牝
 優先祖先は父自身。Storm Bird、Haloのクロスは無効化され、牝系にあるLyphardクロスのみ残る成功配合
④アカンサスの2023 牝
 ぐりぐり君こと犬塚悠治郎オーナーがセレクトで3600万円落札。
 優先祖先は父自身。Northern Dancerクロスのみが残るが、日本競馬の必需品Unbridled's Songが入っており、基礎体力は72と豊富

以上、今期の狙い目まで書きましたが出資できる機会が得られるかどうかまええは分かりませんが、追いかけることだけは確定しております。
みなさんもブリックスアンドモルタル産駒の今後の活躍にご注目ください。

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