LIXILの挑戦「できない」は「知らない」

 淡路島は今日も多くの観光客で賑わっている。私が経営しているアウトドア施設、焚き火BASE〜HOKAGE〜も有難い事に予約が伸びていて、今年の夏は真っ黒に日焼けしながらバタバタと過ごすのだろうと今から覚悟している。

 そんなことを思いながら事業の整理をカフェで行っていると近くで地元のおっちゃんたちが、これでもかとくつろぎながら大きな声で話している。近所で気合いのことや畑で大盛り上げりだ。盗み聞きではなく無視したくても入ってくるのだ。私は「淡路島だなぁ」と思いながらカタカタと作業をしている。

 PCを使っていると地元の人に話しかけられることがある。「これが使えなきゃこれからダメだよな。俺にはできないんだ。」と羨望のような開き直りのような様子で言葉をかけられる。私自身まだまだ大した機能を使えているわけでもなく、もっと向上させようという段階だ。「目標のために必要なら身につけよう」と日々カタカタしている初心者である。しかし「やっていればできる」と思っているし、実際に向上は感じられている。「できない」という先入観は怖い。

 近年「ノーコード」でHP作成が行えるようになった。経費削減も兼ねてHPを自分達で作ろうと調べてみると、根気はいるが難しくはないことがわかった。今ではCMでもECサイトを作れるサービスはよく目にする。そんな中、今回取り上げたいのは「LIXIL」がアプリを「1万7000個作った」という話だ。

 地方を知れるアプリ開発はやりたいことリストの中に入っていた。しかし勝手に自分では「できない」と思い込んでいた。地方の一部の方のPCへの先入観と同じものを私も持っていたのだと自覚させられた。LIKILではアプリ開発なんてやったことがない人が新たな分野に挑戦した結果、社内の挑戦することへのハードルが下がり、それぞれが楽しく自分でアプリを作るという体験を行うことができたのだという

 今現在の利益だけを考えれば、素人が時間をかけてアプリを開発するより今すぐ利益になることを行った方が有益だ。しかし長い目で見た時にその時の経験や成長、会社の体質改善につながりうる非常に素晴らしい試みだと感動した。LIXIL程の規模の会社がやっているのに自分のような超零細経営者がやらないという理由はないということで、アプリ開発を試しにやってみる事にした。

 地方の未来は「企業」にかかっていて、「若者×地方×挑戦の第一人者」を目指す身として動きやすいうちに様々な可能性を試したいと思っている。地方課題と都会の人の「憧れや嫉妬」と掛け合わせた情報発信にはアプリをはじめとするデジタルの活用は必至である。そのため、外部に委託するにしても自分自身が知らなければ、納得いくものは作れない。

 「できない」は「知らない」に起因しているという学びを今回は得た。だからこそ情報を発信している人に人は集まっている。しかし、情報を受ける側から発信する側になることで新しい世界があると思う。自分自身が実験台となる生き方で、その結果を発信していき、LIXILが私に与えてくれた「気づき」を与える存在になっていく。


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