銀河険道の夜

「貴重だ,これは既に根絶されたはずの次元膜アメーバだよ!」
 目を輝かせるミジは,直後に叫んだ.
「まずい!ここの宇宙道は次元膜舗装だ……だから生き延びられたのか.いまどきこんな舗装が残っているのは廃道くらいなものだからな.なるほど,廃棄数年でここまでボロボロになった原因がわかったよ」
 返事をしている余裕をカルンが持っているはずもない.宇宙二輪車でかろうじて残った道路を走らせるので精一杯なのだ.彼にしがみついているミジはそりゃ余裕もあるのだろうが.
「我々を追いかけてくることはないよ.彼らも食事に必死だからね.人類が次元膜をのべつ幕無しに使うまではどこぞの惑星でほそぼそと暮らしていただけだったのに,道路を喰って喰って食いまくって増えすぎたんだ.可哀想なものじゃないか」
 道路が可哀想と言っているのだ,とカルンはため息をつく.廃宇宙道路探検の足が欲しいという仕事を受けた己を呪うしかない.【続く】

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