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ヨガと糖尿病~心と体と血糖値~ Vol 02. ②それは体にアプローチするから

ヨガを知る前には、わたしは、それはエクササイズの一種だとイメージしていました。ですが、ヨガを学べば学ぶほど、体を動かすことはヨガのほんの一部の要素だとわかります。ヨガの実践を行うと結果的に体を動かすことになり運動の効果を得ることができます。ですが、運動の効果を得ることがヨガの実践の目的ではなく、もっと本質的な目的のために体を入口とするアプローチを行います。
たとえば、つま先立ちで数秒間姿勢をキープしてみましょう。普段からつま先立ちの練習をしていないとバランスを保つのが難しいかもしれません。そしてバランスを保とうとしている間は、心はポーズに集中し他のことを考えていないかもしれません。そう、体を通して心を止めているのが、この状態です。
この練習を続けるうちに、いつしか、あれ?気持ちいいなと感じる瞬間が増えていきます。集中しているのと同時に心地よさ、リラックスを感じている状態となります。この「集中と同時にリラックスしている状態」は、脳科学的に幸せな状態と言われているようですが、理論はともかく、実際に経験するととても気持ちがよいものです。この状態を作り出すこと、それによって自然と心が整ってくることがヨガの目的であるとわたしは理解しています。
さて、この心地の良い状態を経験することでよい循環が生まれていきます。心地が良いからまた実践を積み重ねる。実践を重ねるうちに体が整ってくる。
糖尿病の患者さんにはいろいろな状態の方がいらっしゃると思います。発症して間もない方、長年の病歴のある方、性別や年齢もそれぞれ。もし糖尿病であることのほかにも改善すべき体の状態がある場合に、ヨガのアプローチは効果が期待できます。繰り返しの練習の積み重ねにより、より体が柔軟性を獲得し、筋力が付きます。余分な脂肪が減り、体力が向上し自信がついてきます。医療ではないので即効性があるわけではありませんが、長期間かけて行った改善はより定着し簡単に失われません。
たとえば、三角のポーズ。


三角のポーズは、足首・ふくらはぎ・膝・太腿・おしり・体幹の筋肉を力強く使い、また、背骨・胸・肩・肩甲骨のストレッチを行う非常にダイナミックなポーズです。消化機能を整え、筋力の強化を期待できるポーズです。じっくりと複数回呼吸をするということもお勧めできますし、他のポーズと組み合わせて流れの中で何度も繰り返すということもお勧めです。非常によく知られているポーズですので、初心者の方から熟練の方まで練習する機会の多いポーズです。意識を行うポイントによって、その時の自身の体調、状態によって、毎回異なる感覚を味わえる奥深いポーズです。