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母との東京観光の思い出

先日、母が実家から東京へ二日間遊びに来てくれた。

母が東京へ一人で遊びに来てくれるのは三年ぶりだ。
母とわたしの二人きりで数日過ごすのも三年ぶりである。

一日目はわたしが仕事を午前中で済ませ、自宅の最寄り駅まで来てくれた母と待ち合わせ。
駅で待ち合わせるのは始めてだったので、目が合った途端、なんだかお互いにやけてしまった。
仕事を午前中で切り上げて東京で母に会えるなんて、なんだか夢みたいで不思議な気分だ。

その後、わたしがずっと訪れたかった銀座ウエスト青山ガーデンへ行き、のんびりサンドイッチとケーキを食べた。

母もわたしも、喫茶店で美味しいコーヒーやお菓子と共にのんびりするのが好きだ。母ならきっと気に入ってくれると思い、いつか二人で訪れたかった場所だった。


ランチに母は野菜とハムのサンドイッチ、わたしはハムトーストを食べた。
野菜は味付けはごくシンプルな塩味。野菜の味がしみじみして、しっかりめのハムとのバランスがばっちり。
ハムは思っていたより分厚く味も濃厚。

ケーキはショートケーキとアップルパイを母とシェア。
こちらはコーヒーと紅茶がおかわりできるので、ついついもう一杯と、美味しいケーキと共に二人とも普段よりたくさんコーヒーを飲んでしまった。


やはり銀座ウエスト。サンドイッチ、コーヒー、ケーキ、サービス、雰囲気、全てが申し分ない。どこを取っても丁寧で洗練されていて、うっとりする。
平日の午後の静けさも相まって、なんとも贅沢な時間を過ごすことができた。

そして夕方からは今回の一番の目的であったレキシのライブへ。
母もわたしも近頃レキシが大好きで、ライブはめちゃくちゃ楽しく大盛況だった。
家に帰ってからも二人して歌を口ずさみながら、お互い上機嫌で布団に入った。

翌日は、朝から下町の和菓子屋さんへお土産を買いに行った。
わたしが家族にこのお店の名物をお土産に買ってから、家族みんなで気に入っているお店だ。母が訪れるのは今回初めてだ。
平日の午前中にも関わらず、お店にはもう十数人ほど列ができていた。

しばらく列に並んでいると、突然ふっと一人のおじさんが現れ、並んでいるお客さんに向けてどうぞ、とかりんとうを試食に配り始めた。どうやらこのお店の主のようだ。

試食をいただき、母がふと「あ、美味しい!」と声にした。
おじさんはそれが嬉しかったようで、そこからどこから来たの、と母とおじさんの話がはずむ。
「わたしたち京都から来ました」
「そうですか!京都、よく行きますよ。京都のどちらですか?」
と、たわいもない会話。二人ともなんだか楽しそうだ。

そうしているうちに列が動いて、いつの間にかおじさんもいなくなっていた。それにしても、かりんとうは美味しかった。母はお土産に二袋手にしていた。

その後会計を済ませ、さあお店を出ようと後ろを振り向いたら、目の前にさっきのおじさんが立っていた。
すると、おじさんが母に向かって急に「これ、よかったら食べて」と、さっき配っていたかりんとうを包んだ袋を差し出した。

「え!わたし達、買いましたよ!そんなそんな」
「いいのいいの、せっかく遠くから来てくれたんだから、持って帰ってよ。また来てね」

わたしは今まで何度かこのお店に行ったことはあったが、同じような光景を見たことはない。こんなに気さくなおじさんがいたことすらも知らなかった。

しかも、おじさんは母とわたしに話しかけると言うより、母のみに向かって話しかけている様子。 一応、隣にわたしがいるのですが…。

お母さんってラッキーだなぁ。誰とでも気さくに話せるんだよなぁ。
そんなことを感じながら、お店を後にした。

それからは、せっかくなのでレキシにちなんで江戸東京博物館へ行った。
平日のお昼間だったからか、校外学習に来た小学生がたくさんいた。

母もわたしもこうした博物館が好きで、ジオラマを眺めたり江戸時代の家屋やお店を再現した展示物を見ていると全く飽きなかった。


そしてここでも、母のお茶目な性格が表れている出来事があった。

第二次世界大戦当時の暮らしを再現した展示コーナーに、当時のラジオ放送が流れるラジオが置いてあった。母はそれを熱心に聞いていた。
母の横で小学校三年生くらいの女の子二人も熱心に聞いていて、わたしはその様子を横で見ていた。

ラジオは周りがにぎやかで少し聞こえにくく、現在の表現と異なることもあり分かりづらかったのだが、母は「何言ってるか、難しくて分からへんなぁ〜」と冗談まじりに普通にとなりの女の子に話しかけている。
女の子二人は、ちょっと照れくさそうに「うん…」と母にうなずいていた。
それが何だかとっても可愛くて、ほほえましかった。母もにこにこしていた。

そういえば昔から、母はわりと誰とでもすぐ仲良くなれるし、どこへ行ってもいつも明るかったな。
わたしが子どもの頃家族で名古屋の東山動物園に出かけた時も、母がライオンに向かって「わお〜」と話しかけて、ライオンが吠え返してきたこともあったな 笑。

どこかへ出かけた先で出会った人とのちょっとした交流を楽しんだり、ちょっとした小さな出来事を楽しむことができるっていいな。
何だかとても豊かなことだな。
と、母を横目で見ながら大切なこと教わった気がした。

その後は二人で江戸東京博物館七階にある展望レストランで東京の晴れ渡った景色を見ながらお昼を食べ、東京駅まで母を見送った。

母との二日間が楽しすぎて、あっという間で、別れの時はさみしい気持ちがこみ上げ、ちょっと涙目になってしまった。

銀座ウエストもレキシのライブも、和菓子屋さんも博物館も本当に楽しくて充実していて、母と過ごした時間が宝物のように感じた。
母と共に過ごす時間は楽しい。
その分、いつもより別れがちょっぴりさみしくなってしまった。

お母さん、わざわざ来てくれて、ありがとね。
東京の街も、楽しいでしょ。またわたしが帰省した時は、美味しい甘いもの一緒にいっぱい食べて、ライブにも行こうね。

お母さん、いつもありがとう。

これから先も、たわいもない、こんな時間を大切にしたいなと実感した二日間なのでした。


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SAYURI

平成2年生まれ。2019年5月6月には一人旅で一ヶ月スペイン🇪🇸各地を巡りました。食・スペイン・バスクについてアンテナを張り巡らせています。甘いものも大好きで、気がつけば食べることばかり考えています。 Instagram @awatokuri
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