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大殺界!空亡!天冲殺!その本当の姿とは

続く暑さの中にも秋風の気配…、
2023年も、そろそろ終わりが見えてきましたね😊
来年の運気が気になり始める方も、多いのではないでしょうか…?

書店にも、2024年の運気を記した様々な流派の占い本が並び始める頃ですね✨

そんなご心境の中…、
見つけてしまうと思わずギョッとなる言葉といえば、きっとこちら!

「大殺界」!
「空亡」!
「天中殺」!

「人の心を一瞬で不安にさせる10大ワード」というものがあればランクイン間違いなし!と思うほどw、妙なインパクトのある言葉ですよね😅

占いに興味のない方でさえ、「あなたは来年大殺界」と言われたら、「つまり良くないことが起こるってこと?」と気持ちがドヨーン、戦々恐々としてしまいそうです。

でも…、
理屈を知ってみれば、案外そんなに恐れるものではないかもしれませんよ😉

…ということで、今日はちょっとその解説をさせていただこうと思います。


さて、まず「大殺界」「空亡」「天中殺」の3つは、すべて同じ状態を指しています。
四柱推命では、それを「空亡」と呼び、
算命学では、それを「天中殺」と呼び、
六星占術では、それを「大殺界」と呼んでいる…、
そういう違いなんですね^^。

私自身は現在、四柱推命に一番馴染みがあるので、以下「空亡」呼びで統一させていただきます😉

四柱推命も、算命学も、六星占術も、中国の思想から生まれており、
中国の占術は「10干12支」がすべての基本にあります。
そして、「干」と「支」を順番に一つづつ組み合わせた「60干支」から、色々なことを読み取るのですが、

しかし、

10干…甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
12支…子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥

このように並べてみると、「戌亥」が余ってしまいますよね。
この余ってしまう「支」を、「空亡」と呼びます😊
「支の上にあるはずの干(空間)がない」…それを古の賢者は「空が亡い」つまり「空亡」という文字で表わされたのでしょうか😌

もう少し丁寧にご説明しますと、
頭から「干」と「支」を一つづつ組み合わせていくと、
「甲子」「乙丑」「丙寅」「丁卯」「戊辰」「己巳」「庚午」「辛未」「壬申」「癸酉」…となります。
ここまでの一つのまとまり、グループを、「戌亥空亡」「戌亥天中殺」と呼びます。

さらに次に、その余った「戌亥」から、また10干を並べていきます。

甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
戌、亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉

今度は、「申酉」が余りますね。
なので、この「甲戌」「乙亥」「丙子」「丁丑」「戊寅」「己卯」「庚辰」「辛巳」「壬午」「癸未」までの第2グループを、「申酉空亡」「申酉天中殺」と呼ぶのです。

「大殺界」という言葉を生み出された六星占術の細木数子さんは、例えば「戌亥空亡」と言わずに「土星人」、「申酉空亡」と言わずに「金星人」といったように、そのグループに欠けている「支」の性質を、天体に例えてネーミングされたようです😊

つまり、「戌亥空亡」 とか「金星人」とか言うと、なんだか「戌亥の性質を持つ人」「金星の性質を持つ人」というイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、実はその逆、
「戌亥空亡」は、「戌亥の気がない」ということ、
「金星人」とは、「金性の気が欠けている人」ということなんですね^^。

ちなみに、空亡や天中殺は「戌亥」や「申酉」のように、影響を及ぼすのは「連続する2年」ですが、
大殺界は、一つのグループをさらに年柱天干の陰陽で分けて(簡単にいうと生まれた年が偶数か奇数か)2グループにし、陰グループは空亡の1年先まで、陽グループは空亡の1年前から「合計3年の影響」とされているようです。
(「辰巳空亡」に「天王星人」と名付けられたセンスもそうですが、この辺りに、細木数子さんの独特の思想と研究、オリジナリティが見て取れますネ😌)


さて、12支というのは、この世界に漂う「気」を表しています。
目には見えないけど確かに感じられる「季節感(温度や湿度)」みたいな…。

大雑把に言うと、

「子丑」は、冬
「寅卯」は、春
「辰巳」は、初夏
「午未」は、夏
「申酉」は、秋
「戌亥」は、初冬

また、この世界に漂う「気」を表す12支は、
やはり目には見えないけど感覚としては確かにある「方角」や「時間」を表す時にも使われ、
それらは同じイメージで繋がれます。

例えば、「丑の刻」というと午前2時頃ですが、
確かに、暗くて寒くて「冬」のイメージと重なり、
方角では、やはり日が当たらなくて寒そうな「北北東」に当たります。

そのイメージの延長で、
「戌亥」は、中央世界(精神と現実の交差点)
「申酉」は、西方世界(家庭の安息)
「午未」は、南方世界(目下、子ども、部下)
「辰巳」は、天上世界(心の世界)
「寅卯」は、東方世界(行動による前進力)
「子丑」は、北方世界(知恵による反骨精神)

このようになるのですが、
例えば「戌亥空亡」の方は「戌亥がない」わけですから、「中央世界の気が欠けている」ということになるんですね。

すると、どうなるかというと、ここからが面白いところなのですが^^、
「気がない」というのは、イメージとしては「真空」「宇宙」を思い浮かべていただくと良いかもしれません。
宇宙を飛んでいるロケットに、穴が開いてしまったところをイメージしてみてください。

例えば、ロケットの上方に真空への穴が開いていると、空気が一気に上へ向かって流れようとしますよね。
左に穴が開いていると、空気が一気に左へ向かって流れようとするでしょう。
すると、ロケットの中の人間は、流れに吸い込まれて、穴から宇宙へ飛び出してしまいます!
だから、踏ん張ります!
真空の宇宙に投げ出されないように、その逆側の世界に必死に力を入れてしがみつくんですね。

その偏り、しがみついている世界が、各空亡グループの個性になります😊

戌亥空亡の方々は「中央世界に穴が開いている」、
つまり、自分が立っているまさにここ、足元の気がなく吸い込まれそうになるため、反対側の「天上世界」にぐっと足を踏ん張ります。
そのため、空想、理屈、理論といった精神的なもので形成される「心の世界」に力が入る、天上世界をとても大切にする生き方になるのです。

申酉空亡の方々は、西方世界に穴が開いているため、反対側の「東方世界」にぐっと足を踏ん張ります。
東方世界は春の象徴。冬が終わって春が来ると「わー^^!」と表に出たくなりますね。田や畑を耕し始める季節。
そのため、申酉空亡の方々は、非常に行動力があり、大変な働き者、要領の良い世渡り上手で、仕事大好き人間としての生き方になります。

午未空亡の方々は、南方世界に穴が開いているため、反対側の「北方世界」にぐっと足を踏ん張ります。
そのため、非常に冷静で、頭の回転が速く、達観したような落ち着きの持ち主。

辰巳空亡の方々は、天上世界に穴が開いているため、反対側の「中央世界」、つまり自分が立っている地面にさらにぐっと足を踏ん張ります。
そのため、非常に現実的で、地に足の着いた思考をし、あれこれ考えるよりまず行動。タフでたくましく、なんでも「体験」することを大切にします。

寅卯空亡は、東方世界に穴が開いているため、反対側の「西方世界」にぐっと足を踏ん張ります。
西方世界は、収穫の秋の象徴。食べ物が豊かに満ちている季節。
そのため、明るくて元気いっぱい、愛想が良くて人にとても好かれ、何かを継いでそれをさらに大きくさせていくような後継者運を持っています。

子丑空亡は、北方世界に穴が開いているため、反対側の「南方世界」にぐっと足を踏ん張ります。
明るい日差しの降り注ぐ南。そのため、とても華やかで穏やか^^。かつ努力を惜しまない性格。自分のパワーが強いため目上運はあまりない代わりに、独立心があり目下に恵まれるので、初代として何かを始めることに向いています。

このように、それぞれの空亡は、自分に欠けたものを自然に補おうとすることで、個性が出てくるのです😊

ところがですね、「大殺界」「空亡」「天中殺」の時というのは、その足りない気が補充されてしまいます。

今年は「卯年」ですね^^。
今年、世界には「卯の気」が満ちています。
だから「寅卯空亡」の方にとっては、欠けていたはずの部分がふさがれてしまう…、
つまり、今年の寅卯空亡ロケットの穴は、半分ふさがっているのです。

それは、例えるなら、「綱引き」で、あっちとこっちで一生懸命引き合っていたのに、いきなりあっちが手を放してしまった感じでしょうかw

寅卯空亡は、東方世界に穴が開いているために、一生懸命「西方世界」に力を入れて踏ん張っていたわけですが、
その穴がふさがってしまったのに今までと同じ力で踏ん張っていたら、逆に安定しなくなってズドンと派手に転んでしまうかも…😅

私は以前から、「大殺界」「空亡」「天中殺」というのは「自分の性質がネガティブに出る時」だと言っていますが、
つまり、「やり過ぎてしまう」んですよね。

例えば、寅卯空亡の方は、金性の「西方世界」に力を入れるため、自分の内へ向かって集中し、なんでも自分事として捉える傾向があります。
社会の安定というよりは、自分の感情の安定をもたらしてくれる「自分のための財」を得ていくことに長けていて、頑固に自分の信念を貫こうとします。
しかし空亡の年は、それまでと同じ力を「西方世界」に入れ続けてしまうと、どうしてもやり過ぎになってしまい、「自分さえ良ければいい」という強欲さや過剰な頑固さでトラブルを引き起こしがち。

ではどうしたら良いかというと、
綱引きの相手が手を放したなら、バランスを取るためには、こちらも力を抜くことですね^^。

つまり、空亡の時は、やっきになって何かをしようとしない。
現実をどうにかしようとジタバタするのではなく、力を抜いて流れに身を任せ、少し周りの様子を伺ってみる。

ポジティブに考えるなら、今まで必死に踏ん張って頑張っていた自分を、ホッと休ませてあげられる時😌
正座を止めた途端にしびれを感じるように、踏ん張るのをやめてホッとしたことで初めて体の不調に気づくこともあり、空亡の時期は病気や怪我の経験も多くなりやすいですが、それも恩恵。
現実世界からちょっと離れて、体のメンテンナンスをしたり、人生を振り返ったり、客観視したり、
勉強をしたり学んだり、心を豊かにするには、空亡はとても良い時期です。

また、それまでと同じことだけに力を入れ続けるのではなく、反対の世界にも力を入れてみることで、バランスを取ることもできます。
例えば、寅卯空亡の方だと、「要領よく」やることを学んだり、「周囲の人や社会の安定」のためにも力を使ってみること。
反対のことに力を使うことは、自分の器をとても大きく広げてくれるはず^^。

それに、欠けていた気が補われるということは、自分を取り巻く世界が「ほぼ完璧」になっているということでもあります✨
周りが完璧に整うと、「自分の歪み」が際立ちますよね。
そう考えるなら、「大殺界」「空亡」「天中殺」というのは、「今の自分」というものを正確に知れ、バランスを整え直すことのできる唯一の時期なんですね😊

ガムシャラに働いていた自分が、休憩時間にホッと鏡の前に立って、知らずに乱れた髪を直し、服装を直し、
男性ならネクタイをキリリと締め直すような、女性ならキュッとリップを塗り直すような感じかな^^。


六星占術では、辰巳空亡の年柱天干が陽グループ、いわゆる「天王星人+」も今年から大殺界となっていますが、
空亡、天中殺で言うなら、来年からが本番!

辰巳空亡の方は、天上世界が欠けているため、「中央世界」に力が入り、現実思考の親切でたくましい人柄ですが、
空亡になると、マイペースが行き過ぎて周囲から理解されず孤独になったり、おせっかいが過ぎてトラブルを起こしたり、元来のはみ出し者の性質が行き過ぎて苦労したり、深く考えない浅はかな行動が過ぎて大失敗したり、しがち…😅

なので、空亡の時は、まず意識して力を抜くと同時に、反対側の天上世界にも力を入れてみる。
例えば、行動する前にしっかり考えたり、人への礼儀を忘れない、視野を広げて、自分の夢を再確認したり、計画をきちんと立てたり…、理想を描き直す時期に充てたりするとバランスが取れるでしょう😊


このように、「大殺界」「空亡」「天中殺」って、知ってみるとそんなに怖いことはないというか^^、自分で意識して調整可能なことでもあるんですよね✨


そして、ここまで空亡の説明をしてきておいてなんですがw、
実は、空亡の影響は、万人に等しく現れるものではありません。

例えば、四柱推命は「年柱」「月柱」「日柱」「時柱」の4つを総合的に判断する占いですが、
世間でよく言われる「大殺界」「空亡」「天中殺」というのは、たいてい「日柱」しか見ていません。
しかも、この「日柱」の状態によっては、空亡で巡ってくる12支は、かえってその方の人生に良い働きをする場合もあるのです。

例えば、私は日柱が「庚子」で、辰巳空亡のグループになります。
「辰年」「巳年」は「良くない」ということになりますが、
実は、私の「庚」は、命式全体で見ると冷えて元気がない状態なので、太陽の気である「巳年」というのは、冷えた私の命式をあたためてくれ、一概に悪いとは言えないのです^^。

他にも、毎年移り変わっているのは12支だけではなく10干もそうなので、そちらの影響もありますし、
大運との絡みもありますし…、
なので、「空亡」「天中殺」「大殺界」の影響力は確かにあるでしょうが、それは自然界の気の流れが私たちに与えている影響の中の、実は「一つの要素」にしか過ぎません。
例えば、冬の夜の雨に濡れれば風邪をひきやすくても、夏の昼間の雨なら濡れてもへいっちゃら、むしろありがたい!ということもありますよね😊
なので、お一人お一人の命式を見て、正確な鑑定をすることが大切です😌

その証拠に、空亡の時期にむしろ何かを始めて大活躍をされた方というのは、たーくさんいらっしゃるんですよ✨

例えば、野球のイチローさんがメジャーに挑戦されたのは空亡の年。
宇多田ヒカルさんが、売上枚数歴代1位になったアルバム「First Love」を発売されたのも空亡の年。
ちなみに私自身も^^、霊的感受性が花開く最初のきっかけをいただいたのは、空亡の年でした。

なので、もちろん、用心するに越したことはありませんし、
確かに、心のテンションは低めになる傾向はあるな~…とは感じますが、
でも、「大殺界」「空亡」「天中殺」を、あまり恐れ過ぎてほしくはないなぁと、私は思っています。

占いは、天気予報のようなもの。
晴れるというなら、お気に入りの靴を履いて👠😆、
雨が降るというなら、お気に入りの傘を持って🌂😆、
環境の変化に柔軟に対応しながら、いつもニコニコ暮らせる私たちでありたいですね💕

読んでくださって、ありがとうございました🙏✨

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