見出し画像

プレミアリーグ第29節 チェルシー vs フラム マッチレビュー

今回は試合を観て感じた雑感をつらつらと。
2-1でチェルシーが勝てて嬉しい限りではあるんですが...
やはり先日のスパーズ戦とは格段にモチベーションが下がった気がします。
またサッリが選手の姿勢に対して苦言を呈さないといいんですが...

フラムの失点は現状止まらなそうだ

降格争い真っ最中のフラムとの対戦。
スタジアムがご近所さんという事でロンドンダービーではあるものの、
チェルシーの選手に”ダービー”を思わせる素振りは感じず。
先日のトッテナムとの試合に比べるとゆったりペースで試合が進んだ。

僅か4ヵ月でラニエリをクビにし、
今度は元チェルシーのスコット・パーカーが暫定監督に就任。
(ついこの前までプレーしてたのにね)
現役時代は闘う選手で熱いハートを感じていたので、
彼の新チームも闘う姿勢に溢れるのかと思いきや...そうでもない。
特にDFラインは失点を怖がってか弱気な対応が目立った。
特にアザールやウィリアンがレーン間を移動した時の対応。
味方にコーチングしてマークを受け渡すだけでもなく泳がし、
挙げ句ボールを持たれてカットインされてもアプローチせず、ついていくだけ。
簡単にシュートを打たれるシーンは試合で何度もあった。
(それを決めきれないチェルシーは多いに反省すべきだが)
もしフラムが残留を目指すなら、
チャレンジ&カバーの関係性をすぐにでも構築していく必要がありあそうだ。

嬉しい先制点、勿体ない失点

比較的ゆったりペースで試合を進めるも、
それでも崩せてしまうのだからチェルシーは楽だったに違いない。
アタッキングサードに侵入しギアをプレーのギアを上げると
たちまちフラムの守備陣は後手に回ってしまいやられ放題に。
フラムの両ウイング、バベルとセセニョンが如何せん守備が疎かなので
SBのアスピリクエタ、エメルソンのオーバーラップが効いていた。
というかバベルもセセニョンも彼らの上がりをただ静観していたシーンすら。それでいいのか...。

前半20分、オーバーラップしたアスピリクエタのマイナスクロスに対し
イグアインがダイレクトでシュート、ニアを破り先制点を奪った。
この日アスピリクエタとイグアインの呼吸は非常にマッチしていて、
イグアインのクロス要求に対してアスピリクエタは常に最適なボールを提供していた。
これまでも何度か息の合ったプレーを見せることはあったものの、
ようやく彼らのプレービジョンが明確に共有できたきたのかもしれない。
アスピリクエタ...モラタの時もそうだったが
ストライカーと関係性を築く才能は確かなものなんだろうか。

幸先よく先制したのはよかったのだが、
如何せんゆったり感が守備にまで影響してきてしまった。
特に左SBのエメルソンはバベルへの対応に遅れを取り、
彼のカットインからミトロヴィッチのフィニッシュという形は大きな脅威に。
集中力の欠如なのかゲームプランなのかは不明だが、
失点したことで前がかりになるフラムをチェルシーは受け入れた。
その結果がCKからのお粗末な失点だ。
失点までの流れとしては、

おそらくバベルがキッカーに近づいた辺りから
守備陣の頭にはショートコーナーが来るとわかったはずだ。
それだけにほぼ全員がボールの動向に注目し
周囲のマーキングに関して整理できてなかったのが痛い。
フラムもチェルシーのマークに関して研究していたのかもしれない。
フラムの喜びようをみると、事前に準備していたもののように思える。

とにかくこの日のチェルシーの守備は満足できるものではなかった。
試合序盤、エメルソンの軽い守備からサイドを突破されると
アスピリクエタが激昂し、ボールが切れた後でさえも
エメルソンに詰め寄り激を飛ばすシーンが印象的だった。
アスピリクエタは何度も声を張り選手らを鼓舞したが、
根本的な解決には至らなかった。
バベル、セセニョンの突破やクロスからミトロヴィッチのフィニッシュ。
フラムの攻撃はこのパターンが大半なのだが、
決定的なシーンを多く作られたのは頂けない。

シンプルながらも一発を感じさせるフラムの攻撃

フラムは守備に非常に、非常に大きな課題を感じたが
攻撃に関して言えば降格圏に沈むチームとは思えない程のパワーを感じた。
ビルドアップに関してはトップ下のケアニー、
2ボランチのマクドナルド、チェンバースら3人が流動的に動き繋いでいく。
特にケアニーの技術、サポートの意識と視野はフラムに欠かせない。
スコットランド人らしく戦う意識も持ち合わせており、
パーカー監督も非常に気に入っているはずだ。


押し込まれれば最前線ミトロヴィッチめがけハイボールを送るが、
バベルとセセニョンというスピードに長けた選手が両翼にいるため
セカンドボールを確保できれば一気に勝負に出れる強みがある。
とにかくミトロヴィッチが素晴らしいとしか言い様がない。
特にクロスに対する反応、ボディコントロール、そしてミートの技術。
ボックスストライカーとして理想的だ。
エリア内の駆け引きでもリュディガー、クリステンセンらに対して
優位に立ち、得点こそできなかったが幾度となく決定的なシュートを放つ。
ケパの好セーブに助けらればければ、
間違いなくチェルシーは勝ち星を落としていてもおかしくはなかった。
(というかこの試合は両GK素晴らしかった。リコのセービングも流石だったし)

チェルシーがまたモチベーション問題で揺れないといいが...

確かにトッテナム戦のようなインテンシティーを保つのは無理だ。
が、ほんの数日空けてこの体たらくじゃ満足できない。
出場機会の少ないエメルソンやクリステンセンは
モチベーションを高くして試合に臨めたはずなのだが、
彼らからアピールしようとする必死さはあまり感じ取れなかった。

リーグ4位以内を確保したければ、もう1試合たりとも落とせない。
勝ち点こそライバル達が足踏みしたことで縮まってきているが、
今日のような簡単な失点は絶対に許されないものだ。


緩んだチームに喝を入れられる、絶対的なリーダーが恋しい。
フラム戦で聞こえたジョン・テリーやフランク・ランパードらのチャントが
そんな気持ちを更に思い起こさせる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?