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マーダーリターンズ

ドラクエやFFに代表されるRPGでは、だんだん強い敵に挑むシステムだ。
自らが強くなり、数々の強敵に打ち勝ち、最終的に魔王的なラスボスを倒す。
このバランスは大事なのだ。
レベル1で何も装備していない状態の時魔王が出てきたとか、
レベル50まで成長したのに、スライムしか出てこないとか、
そういった極端な構成はユーザーのモチベーションをだだ下げるのだ。

そんな私にも神の試練が訪れた。
今まで数々の小魚を斬首してきた私だが、
この度結構なサイズの魚が陸揚げされてしまったのだ。

その名もコノシロ。
20センチ以上30センチ未満といったところか。
先日30匹ほどマーディングしたサッパ(ママカリ)の巨大バージョンだ。

釣りのレベルも、マーディングレベルも上がった私を、
天から見ていたかのようなドラマティックな展開だ。

今までの小魚は、頭を落として内臓をとればOKだったのだが、
このサイズになるとそうはいかない。
3枚おろしという中級テクが必要になってくる。
これは真ん中の骨を中心に、両側の身を切り取る作業である。

グーグルせんせーやようつべさんを見ながら見よう見まねでやってみた。
上手かどうかは別として、それなりに3枚おろしできたと思う。

それにしてもこのサイズになるとマーダー感がすごい。
頭を切り落とすにも、しっかりした骨の感触がある。
ゴキゴキバキバキした音を立てて斬首された。
次に内臓だが、内臓についても小魚とはレベルが違う大きさだ。
ちょっと気持ち悪くなりながら綺麗に処理をする。

なんというのだろうか、
生命をマーディングする機会というものは貴重なものだ。

魚の体はこんな風にできているのかと感心しながらも、
生命へのセンクスの気持ちが湧いてくる。
生命の大小なんてないのだが、大きな魚ほどそういった気持ちが強い。

マーダーとしての責任。
それは美味しく頂くことである。
今回はフライにしていただいたが、ふわっとした食感で非常に美味だった。
麦酒が進んだのは言うても言うまでもない。

次はどんなハードルが待ち受けているのか、楽しみなのである。

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