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人生につけるキャッチコPー

「もう死ぬ気がせん」
福岡県福岡市の田中力子さんは116歳で世界最高齢のおばあちゃんだ。
ギネス世界記録にも登録されている。
産まれた年は1903年で、ライト兄弟が飛行機を飛ばした年だそうだ。

このおばあちゃんがインタビューで一言。
「もう死ぬ気がせん」

コピーライターだったら相当売れっ子になるだろう。
このおばあちゃんを表すコピーはこの言葉以外ないだろう。

仕事でものづくりの職人さんを取材しているのだが、
職人さんがボソッと言い放った一言を超えるコピーが
どうしても出てこない時がある。
というか多々ある。

なぜだろうか。
この一言には十分な裏付けがあるからなのだ。
このおばあちゃんで言えば、
116年生きてきて言い放った「もう死ぬ気がせん」。
116年という人生が、「もう死ぬ気がせん」を見事に装飾している。

つまり長い長いプロセスを経て、
常人では到達できない域に立った時に放つから、
力があるのだ。

36歳の若造が偉そうなことを言ったって、
なんの説得力もないのだ。
今はただただセンクス道を進むだけなのだ。

物事の本質を捉え、それを受け取り手に伝わりやすい形で伝える。
もっとも端的で力を持つものがキャッチコピーだ。
恐らく自分で自分のキャッチコピーを作れる人は、
数少ないだろう。

何にしてもこのおばあちゃんには長生きしてほしいのだ。
元気でいてほしい。
そして130歳になった時、このおばあちゃんは言い放つであろう。

「もう人間じゃないかもしれん」

私が113歳になった時、私はどのような言葉を放つのだろうか。
そしてその言葉は人の心を打つのだろうか。

どちらにせよ今は分からない。
「美女に顔射、その感謝」という今のキャッチコピーは、
10年後には変わっているかもしれない。

しかしそれでいいのだ。
生きている以上人生には変化があり、
その時点でぴったりなキャッチコ Pーが存在するはずなのだ。

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