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前戯からピロートークまで

最新技術を最初に取り入れるのはたいてい性産業だと私は思っている。
記憶に新しいのはVRだが、開発されるやいなや、VRの特徴を生かしたそっち系のヴィデオが多数作られた。

三大欲求に数えられるだけあり、性欲に訴えかけるビジネスは大きなマーケットなのだろう。

そんな中、中国がすごい商品を出した。
「WMドール」というハイエンド系ラブドールだ。
ラブドールといえば御察しの通り、本物さながらのお人形さんだが、なんとAIを組み込んでしまった。

頭部にAIを組み込んだWMドールは、ロボット技術を応用して頸部や頬、口角などを電動で動かすことが可能。驚いたり、微笑んだりといった表情を自然に作ることができ、まばたきや凝視などの動きもプログラミングされている。
「貴女はきれいだねえ」と話しかければ、WMドールは微かに皮肉めいた笑みをたたえながら「あらそうなの? 誰がアタシに片想いをしているのかなんて知らないけど、何て答えればいいのかわからないなあ……」といった、思わせぶりな回答を返すこともある。

つまり、「行為」だけでなく、前戯からピロートークまでお任せあれの商品なのだ。

この商品を開発した中国のメーカーは、なんと女性社長。
リアルマネキンを作っていたが、需要が低下したことでこの事業に打って出たという。そういったビジネスモデルとしても面白い。

以前「Her」という映画を見たことがあり、今でも記憶に残っている。
この物語は、人工知能が発達した少し未来の世界で、人間がOSに恋をしてしまうという物語だ。
物語の中でも、「心は繋がっているが体が繋がっていない」という問題があった。

近未来で人の心がAIと繋がり、その先で人とAIが物理的にもつながる。
てっきり私はその順番で技術革新がやってくると思ったのだが、
この製品を開発した中国企業はモノにAIを搭載した。

自分が知り得る場所の全く違うところからアイデアが飛んできた。
人工知能を持ったロボットも盛んに作られているが、そのアプローチとも少し違うように感じる。

アイデアの力をまたまじまじと見せつけられたような気分だ。

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