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ひたすら文字を書いた2時間

何を思い立ったか、ITストラテジストの試験を受けてきた。
中小企業診断士の1次試験試験が8月に終わり、
思い立って2ヶ月でできるだけの準備をした。
十分だったかと言われれば不十分極まりない状況だった。

ITストラテジストを受けたきっかけは1つ、
名前がかっこいいからである。

現代日本に存在する国家資格の中では抜群にカッコよく、
ものすごくモテそうな名前なのだ。

ITストラテジストとは、
みんな大好き経営戦略に基づいて、
ビジネスモデルや特定プロセスを、
ITの力でドーン!!する人である。

目指すべき診断士の立ち位置とも非常に似ており、
とてもネムがキドキドする内容なのである。
とてもダイナミックなお仕事ができそうなのであり、
ビジネスを成功に導くCIO やCTO、ITコンサルタントなどがこの資格を目指す。

とはいえこの試験、超難易度高めの国家試験としても知られている。
直近の昨年の合格率は14.3%であるため、それはそれは狭き門なのだ。

狭き門を狭き門化しているその憎らしい悪の根源が、論文である。
ITストラテジスト的視点で(ITストラテジストじゃないのに)
ビジネスモデルや業務プロセスの課題を解決した事例を(そんな実績はない)
2時間以内に最低2200文字以上論じる必要がある。

この科目は午後Ⅱと呼ばれる科目である。
ITストラテジスト試験は午前I・午前II・午後I・午後IIという4つの科目を
1日でこなす試験である。
午前Ⅰと午前Ⅱはマークシートの選択問題であり、
午後Ⅰは論述(国語みたいな問題)・午後Ⅱが地獄の論文となる。
時間としては9:30に午前Ⅰが始まり、16:30に午後IIが終わる感じだ。

私が犯した1番の過ちは、当日まで勝ち残り戦だと思っていた事だ。
つまり午前Ⅰが終わり、点数が合格基準に届いていなければ、
はい、受験番号何番!ここでお帰りください!というシステムだ。
私はただただ、
受験者が集まる教室でこの言葉を言われる恐怖におののいていた。

まぁしかし冷静に考えてみれば、いくらマークシートだからと言って、
即時採点など運営側としてはリスクだらけなのである。
勝ち残りでないという話は、どの情報を見ても掲載されていなかったのだが、
当たり前の話すぎて語るまでもないわ、バーカ。みたいな感じなのだろう。
こんなところで独自の切り口を出してしまった自分を褒めてあげたい。

つまりこういう事だ。
受験者は誰でも午前Ⅰ〜午後Ⅱまで全ての科目を受験することができる。
合格発表の際に1科目でも基準点を下回っていたら、不合格である。
勝ち残り戦も鬼だと思っていたが、なんという鬼畜システムなのだろうか。

ある人は、午前Ⅰ以外が全て基準点以上だったが不合格であった。
試験当日、午前Ⅱ以降に自分がいろいろ考えたことは全て無駄だったと語った。
ITストラテジスト名言である。

まぁそういうわけで、午前試験の準備にはある程度準備したのだが、
午後に関してはなんとかなるだろう精神で挑んでしまったのである。

そして私は午後Ⅱの洗礼を受けたのだ。
ドラクエで言えば、レベル1・銅の剣で魔王に挑んだような感じだ。

わかった事は、2時間書き続けると指が折れそうになるという事である。
パソコンパチパチな現代では、ペンをもち大量の文字を書くと言う習慣がない。
ゆえにペンを持つ親指・人差し指・中指がおぞましいほどの悲鳴をあげ、
いつ折れてやろうか、折れたろか!という彼らを制しながら、
解答用紙にひたすら0.5mmのカーボンを押しつける作業を続けた。

結果的には最低限の文字数以上を埋める事はできた。
しかし内容の質については全く気にする時間さえなかった。
指の痛みに耐え、最低文字数というゴールに向けひたすら書き続けたのである。

そんなわけで、私のITストラテジストバージンは強引に奪われたのである。

P.S.
ITストラテジストを目指す人が見るかもしれないので、これだけは言っておく。
ITストラテジストは突然受けるものではない。
私みたいなかっこいいからいきなりストラテジスト!みたいな事はやめましょう。

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本来はITパスポート。
IT業界の人であっても、基本情報技術者あたりから始めるべきだ。

中小企業診断士志望の方については、応用情報技術者資格を保持していれば、
一次試験の経営情報システムが免除になる。

俺ってバカバカ♡
でも自分らしくていいじゃーん♡

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