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移動における質と豊かさについて

大型連休は国民が大移動する。
飛行機、新幹線、高速道路などはキャパシティーを超え、
激混み状態だとニュースが告げている。

そう思うと、移動とビジネスというものはよく紐づいている。
伊能忠敬よろしく、徒歩で移動する日本人は現代にはいない。
移動という行為をシンプルに考えたら、歩けばいいのだ。

現代人にとって歩くことの問題点は何か。
・体力的な問題
・時間がかかるという問題
・暑かったり雨が降ったり、快適ではないという問題。

移動しなければいけないということを大前提とした時に、
歩きという移動手段は必需品のようなものだ。
生きていくのに水が必要と同じくらいの感じ。

そうなるとその他の交通手段というものは贅沢品になる。
贅沢品は「移動時間の短縮」と「移動の質」に紐づいている。

車という移動手段で考えれば、一般道で移動すれば良い。
追加の費用を払うことで、高速道路に乗ることができる。
信号がないため快適であるし、時短にもなる。

鉄道という移動手段で考えれば、電車で移動すれば良い。
追加の費用を払うこととで、新幹線に乗ることができる。
一概に快適とは言い切れないが、時短になる。

長距離を移動しようとなると、飛行機になる。
飛行機の選択肢で言えば、LCCかそうでないかということになる。
こちらも一概に快適とは言い切れないが、時短になる。

それに加えて、快適性をさらに向上させる選択肢も用意される。
新幹線で言えば東北新幹線のグランクラス
飛行機で言えばファーストクラスのようなものだ。
こういった類のオプションは、移動時間自体は変わらないが、
移動中の質が向上する。

徒歩で移動するという起点から考えると、
より短時間で、より上質なほどお金がかかる仕組みとなる。

国民はこのようなたくさんの選択肢から、
費用・移動時間・移動の質を基準にどのプランを選択するかを決定する。

現代人にとって最も制約の力が強いのは費用ではないだろうか。
東京都在住のある家族が、大阪の実家にJALのファーストクラスで帰省する。
こういった話はほとんど聞いたことがない。

せいぜい東海道新幹線で移動するか、
人数が多ければワンボックスカーに乗り合いで移動するだろう。

移動という観点から見れば、豊かさは時間と質からなっている。
ファーストクラスの豊かさというものも捨てがたいが、
本当に豊かなのは、徒歩で移動できるほどの時間的・体力的余裕があることでは
ないかとも思えてくるのである。

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