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みかんの唾

キノウ、着付けの方に「わたしは道歩いてると着物着てる人、気になって見ちゃうんだけど、写真やってる人はどういう視点で道歩いてるの?」と聞かれた。普段、危険そうな人が周りにいないかは気にして歩いている。
「人や物っていうより、きれいな光をみて良いなーとかですかねー。」
「ああそう〜」
「この前の道夕日きれいですよねー。テレビ観てても着物気になりますか?」
「あああれきれいだった、前になんかのお酒のCMで高島礼子さんが着てた着物、すっごくきれいだった。」

キョウ、銅版画家の浜口陽三さんと写真家の濱田祐史さんの展示をみた。
前にインスタにあげた写真に「まるで浜口陽三さんの作品のようですね」とコメントをくれた方がいて、それがきっかけで浜口さんの存在を知った。
会社のある手前の駅のスーパーでさくらんぼとスイカを買って撮った写真だった。浜口さんのモチーフにもさくらんぼとスイカがあって、不思議な気分だった。
展示を観てわたしは闇に向かうグラデーションフェチなのだと感じた。
色がだんだんと暗くなっていき、境界が暗さと溶けていく部分をみると心が安まり、ずっとみていたくなる。眠る直前のような。これを<あわい>というのかな

ぼくの作品で大切なのは光かもしれない。闇に対する光という意味でね。だから闇、つまり黒の部分はもっと大切なんです。 浜口陽三

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思えばとてつもなく好きなイスラエルのインバルピントさんの舞台も、共通するものがある。舞台を観ながら自分の内側に知らなかった奥行きを知る。
同じ人間とは思えない表現力を持った人たち。周りの人たちを集められる熱量と人望。はぁいつか、花束を渡したい。

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