(いま、タイにいる)
はぁ？　つい心の声が出てしまいまわりに誰かいたら統失かとおもわれそうなので口を手でふさぐ。
　最近彼からの【起きてるか】メールがなくだけど忙しいのはわかっているのでわたしからの率先メールはひかえていた。
　前回いつあったんだっけかと考えてメールの欄を指先で下にスクロールする。しかしなかなか見つからずあれもしかして消したのかなという弱った鰯になったとき、彼との最後のやりとりをみつけ嬉しいと同時日にちを確認する。１５日もまえ。2週間以上もあってないじゃん。最近頻繁にあっていたからついメールの画面を開き彼のアドレスに【あいたい】とだけ短くメールを打った。
　このひとはなかなかメールを返さないツワモノでメールを返したとしても３日たってからとか意味不明なときに返信がくる。なので今回もそうだろうと気長に待つかと腹を括っていたのだけれどあっさりといやちょっとだけ待ったけど返信が来た。
(いま、タイにいる) と。
　いつ帰る？　こっちは大雨だよ。なんで行くってひとこといってくれなかったの。
　と、打ってから全部消す。
　打ったところで返信はないに決まっているし、わたしにはまるっきし関係ないことなのだ。
　わたしだけが夢中で好き。向こうはわたしのことは抱くから多少は好きなのかもだけど猛烈に好きあるいはだいぶ好きなわけではないのだ。最近のまいぶーむは
「いつ、奥さんと別れてくれるの？」
　とゆう台詞をわたしがいい彼がそれはなぁ〜なんてはぐらかしふたりしてクスクスと笑うことだ。
「奥さんと別れてゲームだよ。笑えるでしょ」
　彼は眉間に皺を寄せつつ、まじ勘弁。笑えない。
　割と真顔で口にするのに声が笑っているのがわかる。
　本気でいってなくて冗談だからだ。
　わたしだって離婚する気などはない。めんどくさいし、めんどくさいし。めんどくさい。
　絶対お土産など買って来ないひとだ。
　土産話を聞いたあと、わたしたちはどうしょうもなくベッドで裸になり抱き合うだろう。