アンドゥ・トロワに寄せて

アンドゥー・トロワ氏は
おどるよう白線を超える

縦列駐車は苦手だけれど
クランクがわりとうまい
道路標識は見逃しがちで
見逃した事によく気づく

物語の強さと現実の弱さ
どちらが身に刺さるか?

胃はタオルになりうねる
舗装された道が引かれる
生花か造花か当てる遊び
無駄と思われる装飾や鏡
うそが並ぶ関係性はなぞ

アンドゥー・トロワ氏も
またその内の1人として

仕事に行く前のストーブ
形容される逃避や日常が
いい加減にしろとばかり
セメントの塗り壁になる
詮索はあまりしない主義

手には二日酔いのくすり
見覚えのない道をまわる

見よう見まねで分身の術
いつかはなくなる煙に幕
前には戻らぬ魔法つかい
下りエスカレーター登る

アンドゥー・トロワ氏が
エンターキーを強く押す

うすれていく記憶の中で
山本圭祐氏に会いに行く


(2017/5:友人作演出舞台「アンドゥ・トロワと予期せぬ6人」パンフレットに寄稿した詩)

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