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【絵本】月とアポロとマーガレット

絵本のあらすじ

この絵本はアメリカ人のマーガレット・ハミルトンという実在したプログラマーが、アメリカのアポロ計画(1961年〜1972年)で重要なソフトウェア開発の責任者となり、アポロ11号の月面着陸を成功させた一人の女性の物語。

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おすすめポイント


主役が宇宙飛行士ではなくプログラマー

宇宙をテーマにした絵本や宇宙飛行士の物語は星の数ほどあるが、この絵本は人類を世界で初めて月面着陸させるという壮大なアポロ計画の陰の立役者であるプログラマーに焦点を当てた数少ない絵本である。

女性の社会進出と背景がさりげなく描かれている

1960年代というとアメリカでも社会の風潮や男性からの解放を訴え、性の解放を主張したウーマンリブ運動がありました。女性は家で子育てや家事をし、女性らしく生きなければならないという社会からの押し付けに対して、生きづらさや「何かが違う」という感覚を抱く女性たちは多かった。

絵本の中でも少女だったハミルトンは「なぜ女の子は野球をしてはいけないの?」など何度も問いかけてくる。「なければ自分がなればいいんだわ!」と切り開いていく姿がウーマンリブを強調しすぎる事なく平易な表現で子どもも大人もフラットに受け取りやすいと感じました。

最後に

この絵本の翻訳者鳥飼玖美子さんは、なんとアポロ11号が月面着陸した時に衛星中継の同時通訳を担当していた方でした。
絵本のあとがきには鳥飼さんがこう書いています。(一部引用)

今でも、仕事か育児か、という選択を迫られる女性がいるのは残念です。子どもは男性にとっても大切です、二人で、周囲協力を得ながら、一緒に子どもを育てれば、マーガレットや私のように両立させることができます。
女の子でも男の子でも、子どもは大きな可能性を秘めています。一人ひとり違うけれど、どんな子であっても、自分の良さを見つけて欲しい。そして、それぞれが持って生まれた力をのびのびと発揮できるような社会であって欲しいと心から願ってます。

月とアポロとマーガッレト あとがき

この本を購入したのは娘が2、3歳のころでした。なぜか娘はこの本にハマり、寝る前に何度も何度も繰り返し読み、親子で暗記するほど読みました。
親心としてはもしかしてうちの娘は3歳で宇宙やプログラミングに興味があるなんて天才なのでは?!なんて思ったのも束の間、7歳になった今は宇宙よりもポケモンに夢中です。



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