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無意味な時間をゆるすこと #gate, by sentence

「休みの日には何しているの?」と訊かれると、答えに窮していた。ダラダラと寝て、無意味な時間を過ごしていることが、多いから。

ライティングを学び合う会員コミュニティ「sentence」のメンバーが、月ごとのテーマに沿ってマガジン「gate, by sentence」を更新していきます。
3月のテーマは『あなたの「休み方」について』です。

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平日には、休日をいかに有意義に過ごそうかと、あれこれ考える。「次の休みには、博物館に行きたい!」とか「この本を読みたい!」とか。でも実際のところ土曜日になってしまえば、起き上がる元気が無くて延々と寝てしまう。それこそ、お昼を過ぎても。

昔は、そんな自分が許せなかった。寝てしまう自分のことを諦めながらも、「罪悪感があった」という方が正しいかもしれない。

いつ寝ているの?というような活発な人ほど、仕事でも私生活でも輝いているように見えた。周りのどんな人も、私ほど寝る人はいなかった。

「他人から見たら、自分はなんと怠け者なんだろう」


「昔は、」と言ったのは、今は、この休日の睡眠が自分にとって必要なものだと割り切っているからだ。きっかけは、今から5年ほど前、体調を崩したことだった。

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当時、勤務先が変わって1年経たないころ、頼りにしていた上司が異動した。元々「要領よく判断ができる」タイプではなかった私は、様々な相談をする相手がいなくなり、胸の中が重苦しくなることが多くなった。仕事はさばけず溜まる一方になり、昼食を食べる時間が勿体無く、抜くことが増えていく。

今振り返っても、「その程度のことで弱っちゃうの?」と思うような些細なことだなと思う。それでも、しまいには、朝、起きられなくなった。

朝起きようとすると、全身の重力が倍になったように体が重く、無理して起きたとしても、家から駅までの10分が遠くて歩けない。頭の中は、ぼーっとモヤが掛かったような感じ。その時は、「こんなにもしんどいのに、なぜ週5日も勤務しなくてはいけないのだろう」と本気で思っていた。

不思議と「仕事が嫌だ」という意識は自分の中にはなく、どうしても寝たくて寝たくて、仕方ないだけ。午前休暇を取ったり、遅れて出勤することが増えた。昼近くまで寝ると、出勤できた。小さいころから「私ってロングスリーパーなのかな?」とは思っていたが、ここまで顕著に、ストレスが睡眠時間の延長という形で出るものなのだな、と今振り返ってみて思う。

毎日「必死の気持ちで」出勤しなくてはいけないことが悲しくなってきたので、病院に行った。診察では、「ただただ寝たい、寝てしまう」というくだらない症状を訴える自分のことが情けなくて、じんわり涙が出た。

そこで「適応障害」の診断を受け、少しの間、薬を飲むことにした。病院から、スッキリ起きるためのアドバイスは色々受けたと思うけれど、とにかく診断が出たことにホッとしたのを覚えている。

診断は、良い意味で、免罪符になった。休日ぐらいは「心おきなく」寝よう、と気持ちの持ち方が変わった。

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このとき以来、寝ることがストレスの解消になるのであれば、休日くらい、いくらでも寝たらいいと思っている。

寝ている時間は、確かに、なんの生産性もない。無意味だ。起きていれば、楽しいことも勉強になることもたくさん経験できる。やらなくちゃいけないことも、はかどるだろう。せっかく生きているなら、起きている時間を長くして有意義に過ごす方がいい。

それでも、「それはそれ」として。

お昼まで寝ちゃったのなら、昼からの時間を有意義にすればいいだけのこと。土曜日にまる一日寝てしまうのなら、日曜日を。休日全部寝てしまったのなら、平日を。人生の100%を有意義にする必要なんて、ないもんね。

あなたは、「コイツはなんと怠け者なんだろう」と思うだろうか。思ってくれても構わない。それでも私が負い目を感じるのはくだらない。だって、誰かの目を気にしたり、誰かと比べたりしても、誰が自分を癒してくれるというのだろう?


自分で自分を癒すため。他人はどう思うか、知らない。私は今日も自分に、無意味な時間をゆるしている。

(今はもう、あのころのように、体が重いと思うことはありません)

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読んでいただき、ありがとうございます!

やった〜〜!!!ありがとございます!!!!
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フクダ

滋賀県に暮らす、Over30おっとりサラリーマン。BtoBマーケティングに取り組む。 サラリーマン生活や、好きな音楽、文章の勉強、滋賀のこと。などを、マイペースに書きます。

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