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雨の静寂から

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平日火曜日。
雨が強く降る。
コーヒースタンドでもあるレンタルスペース。
レンタル利用がないときは、管理人のわたしがコーヒースタンドに立っている。

もうすぐ1年が経とうとする今日。
9:00から13:00まで開けて、コーヒースタンドへの来訪者は初めての0人。

あら、今日は休みだったかしら、わたし。

むしろ清々しい。
コーヒー豆の発注、イベント関係の出店届け、問い合わせ、請求書の発行。
後回しにしていたデスクワークを、コーヒースタンドのトタン屋根に打ち付ける雨音を聞きながら終わらせた。

雨音があるからこその静寂。
一転。
夜は宴会。
なんの会、ということもない。
友だちの店の惣菜をテイクアウトし、気の置けない仲間と食べたかった。
5人くらいのごはん会と思っていたが、様々なタイミングが重なり10人以上の宴会となった。

平日に唐突に始まる宴。
なんなら昨日の夜も宴会だった。
居酒屋での宴会と違うのは、ここは限りなく家に近い。
年齢関係なくごはんやスープをよそい合い、手に手に渡す。
仕事の話も遊びの話も同じ目線の高さでごちゃ混ぜに話す。
ここではよく見る光景だが、貴重なことなのかもしれない。

これだけひとが集まるのは才能よ、と言ってもらえた。

集めようと思ってひとを集めたことはほとんどない。打算を見せるとひとが離れていくような気がするから。

わたしに才能があるとすれば、ひとを集めることではなくて、間(ま)がいいこと。
日常に転がる「たまたま」を拾い上げる。
うまく言語化できない。
またじっくり考えよう。

22時を回る頃、お開きになった。
率先して片付けてくれる友だちの存在は本当にありがたい。

かたちを持たない家族のように、
遊びの作戦を練る友だちのように、
これからも楽しい食卓を囲みたい。

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