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牛丼屋に多様化の波を見た日

お昼が麺だったから、夜は思いっきりお米を頬張りたくなって、牛丼屋さんに向かった。

わたしは牛丼屋にくると、決まってミニ牛丼定食を頼む。今日は暑かったから、大根おろしをトッピングした。


待ちに待った牛丼を堪能していると、隣の席にひとりのご婦人が座った。
店員さんが彼女にだけ、あたたかいお茶を出す。きっと常連なのだろう。

そして、これまたいつものように、ご婦人のテーブルに、真っ白なご飯とお味噌汁と焼きのりが置かれたのだった。


店内を見渡してみる。
期間限定のうな丼をかき込むお兄さん、にこにこしながらカレーライスを食べる親子。
そう、牛丼屋で牛丼を食べているのはわたしだけだった。

その光景に、牛丼屋デビューしたときのことを思い出した。わたしのデビューは割と遅めで、大学生になってからだったと思う。
メニューをみた最初の感想は「牛丼屋なのに豚丼がある!」だった。牛丼だって、チーズが乗ってたり、キムチが入ってたり、随分とバラエティに富んでいたのだ。


あれから約20年、もはや牛丼屋は「牛丼を売る店」ではなく「牛丼も売る店」になったんだなぁ。
牛肉は、豚肉や鰻にもなる。なんなら牛肉すらなくてもいい。あのご婦人の白米のように。
だって、お米が野菜になっていたりもする時代だもん。


多様化する牛丼屋の隅の席で、たぶんわたしはこれからも牛丼定食を頼み続けるだろうなぁとぼんやり思った。
スマホが多機能になっても、結局いつも使う機能は変わらないように、わたしの嗜好や習慣もすぐには変わらない。
それはきっと、あのご婦人も同じだ。

無理にうな丼を頼まなくていい。
「牛丼屋なんだから牛丼頼め」と強要しなくていい。
「白米もいいですね」なんて声をかける必要もない。

ただ、自分の好きなものを好きなように食べる。
多様化を受け入れるって、そういうことなんじゃないだろうか。


……何が言いたいのかまとまらないけど、眠いのでおしまい!

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