山縣 彩夏

「ひまわりの明るさをもつにんげんに育ちたかった夏を彩る」/短歌とエッセイ。かばん。食いしん坊の会。

青い孤独は

おひさしぶりです。生きています。

「食いしん坊の会」というサークルで『かまのめし』という本を2ヶ月に1度発行しているのですが、前回広島の文フリに初出店し公の場デビューをしました。

そこに50首の連作「青い孤独は」を載せているので、noteでも一部紹介します。

「青い孤独は」 山縣彩夏

新しい道をゆくとき山吹が(がんばれ)(いけよ)(大丈夫)咲く

辛夷には見破られててほんとうは人を信用して

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赤いマイクコード

この夏で渋谷すばるいなくなる聞こえるはずの音がなくなる

ファンなんてどうでもいいのつらいのはきみの夢にはきみしかいない

かぞくより時間過ごしたメンバーを置いていくのも夢のうちなの

青春はこうしておわるものなのか さよなら赤いマイクのコード

気付いたら十三年も好きだった一緒に生きてたつもりだった

すばるくんあなたが決めた夢なのにそんな目をして歌わないでよ

ポエマーと叩かれるかな彼のことこ

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きみは完璧

下敷きでふにゃふにゃあおぐあの人を爽やかくんと呼ぶことにした

張り付いた浴衣の袖をまくりあげ提灯に火をともす はじまる

その帽子似合ってないよピカチュウのお面のほうがあなたらしいよ

どうしてもきみはこっちを向かないね わたあめを水溜まりに溶かす

似合うねと顔赤らめて言いなさい浴衣も髪も化粧も下駄も

中指をくびれのとこに差しこんでラムネを飲んだきみは完璧

お祭りはもっと暗いと思ってた吹く

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一首評「もうずつと見てゐる長い夢のやう 午後には午後の挨拶をして/飯田彩乃」

もうずつと見てゐる長い夢のやう 午後には午後の挨拶をして
飯田彩乃『リヴァーサイド』

生まれ育った土地から離れて、七ヶ月が経った。
慣れないことの連続で、心身共に疲れ果ててしまったけれど、最近は徐々にエネルギーを取り戻してきたような気がする。
それでもまだ、ここにいる違和感が完全に払拭されたわけではない。

幼い頃からずっと生きづらさに悩まされている。
“今・ここ”に生きている自分を俯瞰するもう

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一首評「読まれないとか分かってる呟きをやめなかった鵯みたいに/白井健康」

読まれないとか分かってる呟きをやめなかった鵯みたいに
白井健康『オワーズから始まった。』

 創作活動をしていると、自分の言葉は誰にも受け取ってもらえていないのではないかという気持ちになることがある。もちろん、他者に読んでもらうためだけに創作をしているのではない。自分のためでもある。
私が短歌を書くのは、自分の気持ちや出来事を歌にすること自体が癒しになっているからだ。また、自分の作った歌を見て、過

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一首評「ごめんって謝らないでたくさんの無理を通してここにいるひと/千原こはぎ」

ごめんって謝らないでたくさんの無理を通してここにいるひと
千原こはぎ『ちるとしふと』

 忙しい人と一緒に暮らしている。まだ結婚はしていない。いずれする予定でいるが、人間には何があるかわからないから、断定するのは辞めておく。婚約破棄されたら、どうか慰めて欲しい。
彼は毎朝8時台に家を出て、帰ってくるのは夜の12時過ぎ。死んだような顔で帰ってくる。話しかけても最初は無反応であることが多い。何分か彼へ

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