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Female

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「女性性」をテーマに写真+インタビュー記事を公開していきます。ときどき著者の女性性に対する所感の文章も。 ヘッダは現在公開中の最新記事より。
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記事一覧

female #007

female #007

茉優さん/20代/セラピスト

「自分とは異なるエネルギーの交換をしたい、それが一番の欲求かなと思います」

花束を持って、真っ白いワンピースを身につけて現れた茉優さんは、とても女性らしい魅力を持った、「ごく普通の女の子」に、見えた。
しかし、話を聞くにつれて、彼女が持つ独特の世界観に引き込まれていった。茉優さんの内包するエネルギーは温度が高く、お会いして数時間後には、とても情熱的で行動派な方だと

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female #006

female #006

茂木雅世さん/30代/日本茶アーティスト

「自分の好きなものに埋もれて生きていたい、それの何が悪い、って思います。」

 茂木さんは日本茶アーティストとして、日本人にとって馴染み深い、お茶を中心とした活動をしている。
「お茶と女性を組み合わせると、どうしても着物だとか、育ちがいい、というイメージが先行しがちなんですが、そういうイメージで私の活動を見ると驚かれるかもしれません。気持ちは“お茶+ロッ

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female #005

female #005

female #005
石井武さん/30代/ダンサー

「何かを作ったり生み出す行為は、もともと女性のものだという気がしています。 舞台に立ったり、振り付けをしたりという今の活動も、自分の中の女性性からくるものだと思っています。」

 ダンサーであり、振り付けを担うこともある石井さん。舞台上で女性役をやった経験があり、その際に女性性を研究されたそう。
「ダンスって、男性と女性ではまったく違う表

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female #004

female #004

female #004
KASUMIさん/30代/アクセサリー作家

「女性のほうが楽しい、って思います。精神的にも肉体的にも学ぶことが多くて、得することも多いなって。」

「高校生くらいまで、男性に生まれたかったなと思っていたんです」
 柔らかで、まっすぐ。ありのままを受け止めてくれるような安心感のあるKASUMIさんからその言葉を聞いたときは、少し意外だった。

「なんとなく、男性の方が気楽そ

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female #003

female #003

female #003
マキさん/50代/アニメーター

「職業柄、あまり自分の女性性や、自分が女性であるということを意識せずに来れたんです。それでもやっぱり、心の底に沈めた、抑圧された何かがあったのかな、と。」

「最近、夢を見たんです。」
 マキさんが私に語ってくださった夢の内容は、とても興味深いものだった。
 ショッピングモールの裏にある廃墟、そこに建つ娼街。娼婦たちと、彼女らを処分する処理

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female #002

female #002

female #002
更紗さん/30代/ギャラリー勤務・モデル

「自分の中にいくつもの顔があること自体が無意識の媚態のような。
“女性性を自覚することのナルシシズム”みたいなことも、あるかもしれません。」

 とても天気の良い、少し汗ばむような日にお会いした更紗さんは、白シャツにデニムパンツというとてもシンプルな服装で来てくださった。メイクも、ほとんどすっぴんに近いナチュラルメイク。撮影場所も

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female #001

female #001

female #001
いずみさん/20代/学生

「寂しさ、かなあ」と、いずみさんは言う。
「女性の行動原理の根っこにあるのって、“寂しさ”であることが多いと思うんです」

 暑くなり始めた5月の中頃にお会いしたいずみさんは、現在大学4年生。卒業研究と就職活動の真っ最中だ。造園の研究をしているそうで、撮影の場所の希望をお聞きしたところ「自然のあるところならどこでも」とのことだったので、ちょうど見

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プロジェクト「Female」に向けて

女性性、というテーマで本を作るプロジェクトのようなものを企画しています。それにあたって、写真を沢山撮らせてもらって、写真を集めようと思っています。女性性を持つ人の写真。

以下は、私がこの制作をやろうと思った理由のようなものです。
ご興味がありましたらお読みください。

********************************

身体的特徴。
生まれながらの性差。
消費される性。
ジェンダ

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プロジェクト「Female」という作品に協力してくれる方を募集しています

※この文章は何度か書き直しています。
 自分のやりたいことも、それをどうお伝えしたら良いかも手探りのため、
 どうかお許しください。

はじめまして。写真を中心に作品を公開しております、アベアヤカと申します。

Female=女性。
「女性性」をテーマとして、作品を作りたいと思っています。
「女性」ではなく「女性“性”」。
これは誰もが持ちうるものだと思います。作られた、演出された「だれかの理想と

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血

毎月毎月、ああ、面倒臭い…

子宮という臓器が、月ごとに出血を繰り返す身体。
別に怪我なんてしなくったって血を見る。そしてそれを処理する。
それが、女性の身体で、日常だ。

女性と血は切っても切り離せない。東洋医学では女性にしか使わない「血の道」なんて言葉があるくらい、女は血まみれだ。
 約80ml。
女性が一回の月経で出血する平均の量だそうだ。
初潮がくるのが平均12歳ころ。閉経が平均50歳くら

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色気

色気

最近、「色気を感じる」と言われることが増えてきた。

正直、ピンとこない。なんせフェミニン・ガーリーなどという言葉とは縁遠い私だ。ピンとこなさすぎて、毎度初めて言われたかのような気分になる。カマトトぶっているわけでは断じて無い。失礼かもしれないが、あまりに信じられないのだ。

そもそも、色気とは一体何なのだろう。漠然と、でも強烈に、匂うように感じるアレは。
女性には女性の、男性には男性の「色気」の

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化粧と服と

化粧と服と

鏡で自分の顔を見て、醜い、と思う。それを化粧でどうにかしようとあがいてみても、より一層自分の顔のアンバランスさに絶望し、化粧でごまかそうとした浅ましさも相まって更に自分が醜悪に見えてくる。ダイエットをして痩せてみても骨格までは変えられず、広い肩幅が「お前は女性としての価値などない」と主張しているようだ。

ずっとそんなことから逃げてきたように思う。肌が弱いから、とほとんど化粧をせず、ファッションは

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