見出し画像

まえがきのかわりに

あるとき何かのウェブサイトで、「非言語コミュニケーション」という研究分野を知り、非常に興味を持った。言葉の細かな意味合いや、その言葉に対する各々の解釈の微妙なズレに敏感な私にとって、「言葉そのものによって伝えられるメッセージよりも、言葉以外の手段によって伝えられるメッセージの方がはるかに大きい」という内容はとても興味深く、衝撃でもあった。初めは単なる興味本意の情報収集だったものが、そのうちそれは私の普段の意識の持ち方に影響を与えるようになった。

ところで、マンガには登場人物のセリフを囲うフキダシという表現がある。それは、マンガの中だけでなく広く一般的に使用されているものだ。私自身も、作品のモチーフとして使用することがあった。もともとマンガ好きだということもあり、フキダシは身近な存在で、それをモチーフとすることは自然なことだったのだ。

「非言語コミュニケーション」を意識するようになってから、フキダシをモチーフにビジュアルを作っていたある日、ふと何かが頭の中で繋がった。フキダシと非言語コミュニケーションは、どこか噛み合うところがあるのではないだろうか。

調べてみる価値、考察の価値があると判断した私は、研究を開始した。


※この文章は、2009〜2010年にかけて書いた修了制作のための文章を、本ブログ用に文末などに調整を加えて書き直したものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?