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「真剣勝負こそが人の心を揺さぶる」 そんなイベントに運営として出会ってしまった

「とてつもない "本気" を見せつけられたなぁ……」

イベント終了後の数日間、悔しさとともに、じんわりと心に残り続けていた感情がこれでした。

この記事は、音声プラットフォームVoicyが運営する、年に一度の大規模トークイベント「Voicyフェス」の、対談コンテンツ企画から出演者のオファー、当日のアテンドまで担っていた私が、イベント運営4年目にして初めて得た、衝撃的な気付きを残しておく記事です。

イベントやセミナーを企画している方に何かしら気付きがあるように書きますね。

(ご紹介)世界を変える声の祭典「Voicy FES '22」とは?

「Voicy FES '22」(通称:Voicyフェス)は、昨年からVoicyが開催している、声だけでお届けするトークイベントです。

「世界を変える声がある」をコンセプトに、総勢70名以上のVoicyパーソナリティをお呼びして、3日間・各14時〜22時、トータルで60以上の対談をお届けしました。
(正直、何回見ても、とんでもない出演者数・対談数です……)

リスナーはVoicy上から「耳」だけで参加し、出演者の「声」だけを楽しみます。姿は見えません。
Voicyのライブ配信機能「生放送」で聴くことができる、有料イベントです。

出演するパーソナリティは、基本的にはイベント会場に集まり、対談相手と顔をあわせて話します。
会場では他のパーソナリティ同士で交流できるようなスペースも用意しています。

同時通訳者・田中慶子さん、戦場カメラマン・渡部陽一さんの対談の様子

なぜ音声プラットフォームがVoicyフェスを開催しているのか、の理由については、Voicy代表の緒方の記事を読むのが早いです。

(すでに対談音声の公開は終了していて、アーカイブ放送中に記事を出したほうがよかったのですが、どうにも整理できなくて、とんでもなく事後になってしまいました……あっという間に師走ですね。)


■今回の結論:「出演者に圧倒的な学びや喜びがある」イベントが理想形だ

はい、これが結論です。今年のVoicyフェスで、私はこれに気付きました。
もう何なら、また来年へのハードルが上がっちゃったな〜〜〜という感覚です。だって「圧倒的」ですよ??

……どういうことか。

通常のイベントやセミナーの企画では、聞き手の参加者をいかに満足させられるか、を意識すると思います。(主旨によりますが)
Voicyフェスに置き換えると「リスナーが楽しめるイベントにする」ということです。

ですが、Voicyが企画するトークイベントでこだわっているのは、たった一点。


とにかく「出演者が "イベントに出てよかった" と思う状態をつくる」ことです。


なぜなら、発信者である人たちが楽しんでいないと、受信者は楽しくないからです。

イヤイヤ話している人の話はなんにも面白くない。そんな考え方から来ています。
これは音声プラットフォームVoicyのあるべき姿でもあります。

ここでいう発信者側の「楽しい」は、ただワイワイと盛り上がって楽しい、だけでなく、「喜び」「出会い」「発見」「学び」などを感じられて楽しい状態だと考えています。

発信者であるパーソナリティが話せる土台をつくることが、結果的に受信者であるリスナーが楽しく聴ける状態につながります。


「Voicyフェス、とても楽しかった!また来年も出たい!」

そうパーソナリティに思っていただける状態をいかに作れるか、がイベントのクオリティを左右します。

企画者としてはそれはもう毎年のように重い重い重い重い……プレッシャーです。(だってお声がけしている人たち、各業界でそれはそれはすごい人たちですので。どうぞ出演者一覧を見てください)

……と、ここまでは、昨年のVoicyフェスや、それより以前に開催していたVoicyファンフェスタからずーーーっと大事にしていた考え方で、変わりませんでした。

ただ、今年のVoicyフェスは、私自身、これを上回る衝撃的な学びがありました。


■「真剣勝負こそが人の心を揺さぶる」と気付いた対談の数々

ひとつ、ある対談を例にお話しさせてください。

今年のVoicyフェス。実際に参加した人は聴いたかもしれませんが、
最終7,900人以上の参加者に対し、1.4万回以上もアーカイブで再生された対談がありました。

経済学者である竹中平蔵さんと、Voicyで人気の”ワーママはるさん”こと oishi haru / 尾石晴さんの対談です。

何がすごかったか、って言葉で説明するのがとてつもなく難しいのですが、とにかくリスナーが「泣きながら聴く」対談になったわけです。

放送のコメント欄に届いた、リスナーの感想の一部です


こんな素敵な対談になったのには、はるさんのとてつもないクオリティの「事前準備」が大きく影響しています。

お相手の竹中平蔵さんの書籍をたくさん読み、どういうお考えを持っているのか、どんな変遷があったのか、をすべてインプットされていました。

それは対談中、質問の前置きで「まるで竹中平蔵さんが喋っているかのように自然とフレーズが出てくる」くらい、はるさんの中にありました。

「わくわく」スタンプ押して社内共有していたのが
恥ずかしいくらい。はるさんすみません。

そして、素晴らしい「進行」で、はるさん自身、そしてリスナーが気になることを質問。

竹中平蔵さんの答えを引き出すだけでなく、さらにご自身の考えや同世代の想いを代表して届けるようなやりとりもありました。
(これがどんなにすごかったのかは、音声を聴かないと伝わらないことなのだと思いますが)


そんなはるさんを、私はイベント会場でギリギリまで近くで見ていました。

出番前、力強く立ち向かってゆく、気迫のようなものを感じる、立ち姿。

そして、見えないものをぎゅっと見据える目。
このときのはるさんの目、一生忘れられないです。


「真剣勝負こそが人の心を揺さぶる」と気付いた瞬間でした。

(……伝わってますかね?こういうときこそ、声に頼りたいですね。笑)

はるさんの事後の振り返り放送が、とっっても素敵なのでぜひ聴いてください。どんな会場だったのかが伝わってきます。


今回は特に反響の大きかった対談を取り上げましたが、他にも、アツく痺れる対談がたくさんありました。

  • 対談中に思わず涙を流されるほど気持ちを吐露した、ニシトアキコさんと朝倉千恵子さんの対談。

  • 戦場カメラマン渡部陽一さんが前のめりに話すほど引き出された田中慶子さんの傾聴。(Twitterトレンド入りしました)

  • Voicyパーソナリティになることが念願だったというお二人、まあちさんとかおさんの「夢の叶え方」にリスナーが勇気をもらい震える対談。

  • このままじゃダメだ!未来を変えていこう!とアツくメッセージを届け、リスナーを突き動かした、伊藤羊一さんと大河内薫さん。

……と、書ききれないほどの「真剣勝負」がVoicyフェスにはありました。

これなんですよ。
この「真剣勝負」に触れたリスナーは、きっと連日、眠れなかったと思います。


そして、イベント終了後、パーソナリティの方が「悔しさも残った」「まだまだできることがある」と放送されていたのも衝撃的でした。

それほど、パーソナリティにとっても、リスナーにとっても、「本気」がVoicyフェスの会場にはあったんだろうなと。


■イベント企画者は「出演者の本気が出る環境を整える」に徹するべし

「真剣勝負」「本気」

これがどういうことなのか。
どうしたら生まれるのか。
なければならないのか。

実はまだ、私の中では答えが出ていませんし、来年「真剣勝負」をつくろうと思ってつくれるものでもないだろうとも思っています。


ですが、冒頭でお伝えした結論。

「出演者に圧倒的な学びや喜びがある」

そんなイベントにできれば、きっとその過程には「真剣勝負」「本気」があるはずだと考えています。
そして、それがリスナーの心を大きく揺さぶるものになるはずです。

今回のVoicyフェスでは、パーソナリティがいつもと違う学びを得たり、出会いを通じて喜びを感じたりと、出演者自身に大きな変化がありました。

「出演者に圧倒的な喜びや学びがある」状態を目指してイベントを企画できれば、結果的にパーソナリティ(登壇者)もリスナー(参加者)も熱狂する状態が生まれるのだろうなと。


であれば、私たちイベント企画者は、出演者の本気が出る環境を整えることに徹するのみ。

これは「本気で向き合ってもらう」ことも、「本気を出し切れる環境をつくる」ことも企画者に求められると思います。

どうすれば「本気で向き合ってもらえるか」なんて答えがなさすぎるし、「本気を出し切れる環境」を一人ひとりにあわせてつくりあげるなんて無謀すぎる。


でも、これができたら超超超超最高ですよね。

やりたいんですよね。

……高い壁ほど立ち向かいたい人、来てください。待ってます。


余談①今年も、とっっっっても悔しいフェスでした。

出演いただくのは幅広くご活躍でとてもお忙しい方々ばかりです。

Voicyが実現したいビジョンを伝えて、Voicyフェスで一緒に盛り上がり、音声の未来をつくっていきましょう!!とアツく巻き込む。

(そして「もちろん出ます!」と言ってくださるパーソナリティの皆さんの心意気にどっぷりと甘えます。)

その上で、パーソナリティの皆さんに楽しんでいただけるような対談やおもてなしを用意していました。


……が、足りていただろうか?

振り返ると震えちゃうくらい、まだまだ足りないことがあったなと思います。


そして何より、目標としていた1万人に到達することができませんでした
これは本当に悔しかった。

こんなにも素晴らしい対談があるのに、まだまだ届かない。
届ける術も何もかも足りませんでした。

(えええ、センシティブな内容って表示されるw 私が泣いてる写真ですw)

「音声ってこんなにも届かないか〜〜〜。」と、結構、落ち込みました。
実はそれくらい自信があってお届けしていたフェスだったんです。

でも落ち込んでいられないので、やるしかないんですよね。

何より、音声の未来を信じて、万年赤字垂れ流し(!!)のVoicyを信じて、ずっと放送しつづけてくださるパーソナリティさんがいてくれるので。

……やるしかないんです。


(でもでも!何回もトレンド入り!したんですよね!嬉しかったなぁ……!!)


余談②この一年の変化や潮流が見えるのが面白いよね

やっぱりVoicyフェスの醍醐味は、今年一年、どんな年だったのか、がよく分かるところにあると思います!

対談やトークテーマを考えているとき、明らかに2021年と2022年には違いがありました。

2021年は「個としてつよく生きていく」メッセージが強い感じなのですが、2022年は少しやわらかく「今を受け入れて、しあわせになる」「理想やワクワクを描いていく」といったメッセージが増えたなぁと思います。

2023年はどんな一年になるかな〜。楽しみ!


リアルタイムで聴いてくださったリスナーの皆さん、ありがとうございました!
3日間で「29,500時間」、3年3ヶ月あまりに相当する時間をともに過ごすことができました。

そして参加してくださった、応援してくださったVoicyパーソナリティの皆さま、ありがとうございました!!

これからもVoicyは「音声×テクノロジーでワクワクする社会をつくる」をミッションに掲げ、音声で生活が豊かになる、そんな世界をつくっていきます!


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拙い文章でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

毎年このVoicyフェスがプレッシャーがすごすぎて、8月ごろから毎日生きた心地がしないんですけど、そのくらい本気でやっているからこそ、余計に「振り返りたくない」んですよね。笑

でも、アドベントカレンダーというきっかけをもらって書き上げることができました。
……あぁ。これでやっと成仏できる(?)

この記事はVoicy Advent Calendar 2022の17日目の記事でした。


最後に、悔しさを置いておこう。いつでも思い出せるように。



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