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キュン♥パスの旅

たいへんお得な切符が発売になった。1万円でJR東日本どこでも平日1日乗り放題、新幹線の指定席も2回までなら取れてしまう。どうしよう、どこへ行こう。そうだ!遮光器土偶の駅・木造駅に行きたいと思っていたんだ、行こう!

ところが調べたら始発で行っても到着が昼過ぎである。駄目だ、これでは木造駅以外どこにも行けない……今回は日帰りだし諦めよう。
連れが新潟と秋田に行きたいというので新潟・秋田ルートも考えてみた。新潟のぽんしゅ館へ行き、特急いなほに乗って秋田へ行くのだ。ぽんしゅ館は駅からすぐだし朝っぱらから日本酒を嗜んじゃうなんて……なんていいご身分なんだろう!素敵な計画である。東京駅7:48発の上越新幹線で新潟9:51着、ぽんしゅ館は10:00オープンである。丁度いい。

帰りは秋田新幹線で東京に戻る。夕方になったら秋田の駅前のなまはげが接待してくれるらしい居酒屋でちょっと引っ掛けてから帰るのもいいな〜などと考えていた。きりたんぽも食べたい。

だが乗換案内でいなほへの乗換が全く提示されない。一回大宮まで帰って秋田新幹線に乗るルートを提案されるのだ。いなほは?!いなほ乗りたい!!!

どうにかいなほルートを探すも、どうやらいなほの本数が少ないらしく上手いこと乗り継ぎができない。言うて隣の隣の県なんだからもうちょっと早く移動できないのか?と日本地図を眺めてみたが、新潟-秋田間て距離あるんだな……神奈川-東京-千葉くらいの感覚でいたわ、ごめん……ってなった。
秋田行ったら秋田犬ステーションでもふもふを眺めたいと思っていたのに〜!──おや?キュンパスの日(購入時に使用日の設定が必要)ってもしや秋田犬ステーション休みなの……?秋田犬に会えるのは土日のみ??!そんなぁ〜。

さて、そんなこんなでもふの予定がなくなった我々は新潟・秋田行きを断念し、やはりせっかくなので青森まで行こう!と思い、駅近観光名所を探す。ないことはない。しかし青森はレンタカーで回った方がいいという意見ばかり。いやいや、残雪あるんでしょ?こっちはタイヤの履き替えも不要な暖かな地域住みなんですよ?!無理無理絶対無理事故る!
とりあえず帰りの最終の東北新幹線を取ったのだが、キュンパスを取った後に行き先をなかなか決められずにいたので我々は行きの指定席を逃していた。
■東京07:32発JR新幹線はやぶさ5号 新青森行
これが我々が乗る予定だった東北新幹線である。まあ平日だしちょっと並べば自由席に座れるだろうと考えていた。当日になって、「自由席何号車かな〜」と調べたら目が点になった。なんと驚き、『全席指定席』とあるではないか。一瞬の絶望ののち、慌てて他の行き方を探すもその日に往復するなら新幹線か飛行機以外に道はなかった。しかし、
■東京08:20発JR新幹線はやぶさ7号 新函館北斗行
がまだ4席(!)残っていたので慌てて予約する。あぶねー。さて、券が取れたはいいが1時間以上東京駅で時間を潰さないといけなくなり、7時から開いているヤエチカで一番古い喫茶、アロマ珈琲でモーニングする。ドリンクメニューにはたくさんのコーヒーがある、ゲイシャ……おお、一杯1500円かぁ〜。「標高1500mの地域で生産て書いてあるよ。だから1500円だったりする?」いやいやまさか〜!その下のブルーマウンテンNO.1は一杯1200円。「標高1200mで栽培されたって書いてある。だから1200円なのでは?!」……本当にそんな理由で価格設定してるのか?

八重洲は他にスタバやプロントも7時から開いていた。助かる。八重洲はセブンイレブンも朝7時から夜11時までの名の通りの営業だった。
さて本来の予定ならば、
■新青森10:52着
■新青森駅前11:10発JRバス東北・青森駅−酸ケ湯温泉(新青森駅経由) 酸ケ湯温泉行
■酸ケ湯温泉12:30着
のつもりでいたのだが、新幹線2本分遅れたので、
■新青森11:18着
■新青森11:37発JR奥羽本線 青森行
■青森11:43着
で青森まで行き、
■青森駅12:30発JRバス東北・青森駅−酸ケ湯温泉(新青森駅経由) 酸ケ湯温泉行
■酸ケ湯温泉 14:10着
になった。当初の予定より温泉の滞在時間が100分減ってしまった。厳しい。青森駅に着いてからバスの発車まで47分あるが、移動や待ち時間を考えるとごはんを食べるには少し時間が足らない気がする。今年の努力目標は「よく噛んで食べる」にしているのだ。食事するなら1時間は欲しい。仕方なく周辺を回って橋や船の写真を撮るなどした。
雪は今年は全然ないと聞いていたのに大量に積もっていた。これだから雪国の人の「雪全然ないよ〜」は信用ならない。新青森駅のホームの端っこに山盛りになった雪を見るだけで我々は大興奮である。いっぱい踏んづけたり手で触るなどした。初っ端からはしゃぎ過ぎである。新青森から青森に行く電車は僅か2両編成でホームにいっぱいいた人間を収容したらみちみちの満員電車になってしまった。あと何でか車内の床に段差があるので蹴躓かないように気をつけよう。途中見かけた青森の高校生はブーツが多く、ドクターマーチン率も高いように感じた。ロックじゃん。

新青森にいたしゃこちゃんのねぶた。

バス停に向かうと、バスはチェーンを履いていた。これだけで我々は「すごぉ〜い!」である。途中、除雪作業車も見かけ「何する車なんだろうね!動いてるとこ見たいね〜!」などと写真を撮ったりした。

はたらく車たち。かっこいい。

そして後から気づいたのだが酸ヶ湯温泉行きのバスは2ルートあるのではなく、青森の次に新青森を経由するので、始発の青森まで行かないでも新幹線降りて新青森でごはんを食べて、それからバスに乗ればよかったのだ。まぁこんなうっかりも旅の醍醐味である。
駅↔温泉のバスの本数は少ない。
■酸ケ湯温泉15:15発JRバス東北・青森駅−酸ケ湯温泉(新青森駅経由) 青森駅行
に乗らないともう我々は帰れない。宿泊するかタクシーを呼ぶかの2択である。温泉の泉質はたいへんよく、ずっと浸かっていたかったが時間が差し迫っていて慌てて入浴したので指輪を着けたまま入ってしまい、湯から上がって変色していることに気づいた。ヤレヤレである。いい加減空腹だったので食事処で酸ヶ湯蕎麦なるものを食べた。

帰りのバスに乗車し、発車を待っていると、温泉宿のすぐ上の雪山からスキー訓練中の自衛隊員が滑降してきた。自衛隊のスキー訓練は過酷で隊員の技術も高いと聞く。行きのバスでも彼らがクロスカントリー?をしているのを見かけた。よく雪焼けをしていた。
行きも帰りも八甲田山の悲しい遭難の話を車内放送で聴き、そういえば縦型の信号機あるな〜。あっ、ガードレールがりんご柄だ!可愛い!と街並みを眺めたりなどしてバスからの景色をたのしんだ。山道はカーブが多いので三半規管が弱めの人は酔い止めがあると安心だろうと思う。
■青森駅16:57着
■ねぶたの家 ワ・ラッセ17:00着
駅近の建物でねぶたの展示を見た。メインの展示は昨年度の優秀作品だったので毎年展示を入れ換えているんだろうと思う。3Dの、紙とワイヤーの作品である。生で見ると迫力があった。こんな巨大な作品が街を練り歩いたら絶対楽しい!地元の小中学生からも下絵を募っているらしく、しっかりした力強い絵が展示されていた。自分の絵が立体化したら嬉しいだろうなあ。

■ねぶたの家 ワ・ラッセ18:05発
ここで我々は夕飯の心配をするべきであった。駅から少し歩いたところにごはん屋はあったのだが、またしてもそんな時間がないのである。少し早目に駅に向かい駅ビルも少し覗いたのだが、弁当が見つけられない。
■青森18:10発JR奥羽本線 津軽新城行
■新青森18:14着
仕方なく新青森まできた。しかし駅弁屋もNEWDAYSも激混みである。そして時間ももうない。車内販売にかけるしかない。
■新青森18:25発
無情にも車内販売は酒のつまみしかなかった。我々は空腹に耐えかね土産のつもりだった林檎の砂糖菓子の袋を開けた。そして車内販売を呼び止めチョコとワッフルと柿の種も買った。

車内でたいらげてしまった。おいしかった。

■東京21:23着
東京駅に着いたがまたしても微妙な時間である。我々は諦めて地元に戻り、深夜に営業しているラーメン屋に入った。おいしかった。
何とも忙しない旅だったが、1万円で青森まで行って帰ってくることができるなんて本当にお得な夢いっぱいのチケットである。多分時期的にもJR側は学生の卒業旅行に使って欲しかったのではないだろうか?切符の発売期間は2/29までだが、今回利用者の反応がよかったらまたキャンペーンをやって欲しい!我々いつだって全力で遊ぶ用意できております!!

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