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コミュニティデザインを考える ー Retty初スマホ写真講習会への道

こんこんにちは。デザイナーのMoritomoです。先日、私が所属しているRettyで初めて講習会付きのオフ会を開催しました。様々なサービスで開催されているオフ会ですが、私にとってもその一つ一つがコミュニティの基盤を作る大切なイベントです。今回はその中で初めて講習会付きというものを開催したのでその中でコミュニティとどう向き合っていくかについて個人的な見解を書いていこうと思います。

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Rettyというモデル

まず最初に私が所属しているRettyという会社ですが、グルメを中心としたCGMサービスとなっています。グルメ業界で数多くあるサービスの中でこの構造を“人にオススメする”というポジティブな感情で展開しています。そんな私達にとって、この世界観を理解し、それぞれの“オススメ”を紹介してくださるユーザーさんは私達の宝物です。

ユーザーさんは“投稿”という形でその記録を主に記事と写真で残してくださいます。そしてそれを閲覧するユーザーさんは実際にお店に行った投稿を楽しみながらお店を探してくださるわけです。

CGMの価値はそれがプロによるものではない事でリアルな情報が得られるという事です。一方でその課題は情報が“リアル”であることがリアルにお店の特性を伝えるとは限らないと言う事です。4,000万UUのRettyではユーザーさんの写真のスキルも人それぞれ。オススメをするという気持ちが写真だとうまく表現できないことでむしろリアルとははなれた表現になってしまうという可能性もあります。

ですがもし、写真のピントが殆ど合わないとか、いつもなんだか暗い写真になってしまうとかスキルに課題を感じているユーザーさんがそこを克服出来たらご自身も、その投稿を見る別のユーザーさんも、そしてモチロンRettyも嬉しいという。より幸せな世界が待っているのです。

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飲食店さんでの撮影の現実的な課題

講習会開催とプロのカメラマンさんをお呼びする意思決定をしてみたものの、どんな内容でお伝えするのかでかなり悩みました。インスタ映えを目的とするノウハウの多くが自然光を推奨する中、私達の場合はご飯を楽しむ空間デザインのため暗めの暖色系でまとめられることの多い店内を前提として考えなければならないのです。

実際、投稿される写真の中にはプロと比べるとピンが甘いものが多くあります。もちろんピントが合うことが全ての表現の正解と言うわけではありませんが、基本となることは間違いなく、その基本たった一つをこなす事が、次々と出てくるお料理を暗い室内で撮っていくという条件ではとても難しい事なのです。

飲食店さんでの営業時撮影の課題
・店内は暗めでピントが合わせにくい
・室内灯は雰囲気を出すため写真が色被りする
・ひとつひとのことつの撮影に時間がかけられない

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ユーザーさんが求めるものを考える

そこでユーザーさんは講習会で何を得られたら喜んで下さるのかを考えました。美味しそうに撮れればRettyの中でも“いいね”がつきやすくなりますし、知り合いに見せた時の満足感も変わってくるはずです。

とは言え、仮に美味しそうにとるための基本であるピンの固定、露出固定、という一手間をお伝えしても、写真のクオリティが担保できない暗さのお店はあるはずなのです。

そこでちゃんとしようと思うと本来は奥深い撮影技術の説明を主に光と角度の問題に絞り込み、いくつかの解答を用意。それ以外はその場でユーザーさんが知りたいことに対しカメラマンの先生に直接答えていただく形にしました。

ユーザーさんが喜んで下さると想定したもの
・簡単である事
・プロが指導してくれる事
・明確な方法の提示がある事

こちらは当日用に作成したスライドの一部です。(時間がなくGoogleスライドのシェイプのみで無理矢理作ったイラストもポイントw)

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撮影会を楽しんでいただくために

ユーザーさんへお伝えする内容を考えると同時に、この講習自体を楽しんでいただくためにこだわったのがスタイリングです。極端な話、光と角度の説明にはプラで出来たモチーフ一つあれば十分です。けれど少しでもお店に近い感覚で楽しんでいただけるように、スタイリングの必要性を訴え、豪腕コミュニティマネージャーに予定外だった予算をつけてもらいました。
それによって本物のお店の雰囲気や存在感には及びませんが、装飾性で充足感を補い、味気ない資料写真ではなく、思い出に残る画作りが出来るようになったかと思います。
実際モチーフがいくつかあったことでそれらの組み合わせと構図づくりを皆さん何パターンも試して下さっていたようです。

・スタイリングでおもてなし
・モチーフで工夫の余地をご提供

こちらは事前に検証、準備などをした小物とスタイリングです。

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コミュニティと貢献を考える

私はよく、デザイナーは伝わる伝わらない、使える使えないという課題と向き合っているところに価値があるという話しをしています。そしてその向き合い方の多くはユーザーさんが直接触れるものの有形無形のカタチです。

一方で、デザイナーが仕事をするとき、それがビジネスであるという大前提があります。ビジネスである事。つまり、慈善活動ではない中で、ユーザーさんとRettyのモデルが双方に幸せになれるものを探し出し、その中で可能な限りの努力をし、世界を作る。

そこには〇〇デザインとなどのカテゴリを超えた共通項があるのではないでしょうか?そこをみつけだし、その効果を最大化するの思考コミュニティとの向き合い方、設計の一つなのだと感じました。

ちなみに、グルメ+αの話題があることで、講習後の(こっちが本番)オフ会でもこの日が初対面のユーザーさん同士の会話が想像以上に弾んでいたかなと思います。もちろん、反省点も改善の余地も多く見つかりました。それらは次回、より良い体験としてお届け出来るように、考えるべき課題ですが、コミュニティデザインのRettyにおける新しい可能性の一つとして示せたということにしてまとめとしたいと思います。


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