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NPO法人soar元理事の性加害に関する団体の問題について

2021年3月にNPO法人soarが、元理事による複数の加害行為があったため元理事を解任したと公表しました

それを受けて、私はTwitter上で自分も元理事から性暴力を受けたことを告発しました。加害者本人や弁護士から謝罪と慰謝料の交渉の連絡が来ていた最中でした。

以前からsoarに対しては疑問を持っていた中、告発後のsoarとのやりとりや面談ではその対応自体に問題を感じることが多く、このままクローズドなやり取りを続けても適切な対応をされることはないと思い、個別のやり取りを諦めました。

2021年12月にsoarは活動を再開し、現在も活動していますが、問題は全く解決していないままです。

告発した当時から今に至るまで、「加害者が悪くて団体は悪くない」という声も多く耳にしました。しかし団体自体に大きな問題があり、またNPOなど社会的に「良いことをしている」、いわゆる「ソーシャルグッド」な取り組みを行っているはずの周辺の団体や企業の関係者の反応や二次加害で、業界の深刻な問題が浮き彫りになったと感じています。

自分の生活を立て直すまでに時間がかかり、告発から1年以上経ってしまいましたが、私や一部の被害者の方々にとってはまだ今も続いていることです。この件は様々な問題が絡み合い、とても複雑なので情報を追えず混乱している人も多いと思います。まだあまり問われていない部分も多い状態なので、私の知っていることをまとめて現状をお伝えし、みなさんに改めて考えていただきたいと思います。

※ここに書いている内容はすべて、卜沢が連絡を取ることのできる被害者の方や声を上げた方々にも確認し、掲載の承認を得たものです。

【これまでに公開となっていた情報】

■自分自身の被害と加害者とのやり取りについてはこちら


加害者と面談をし、和解をしました。

■時系列まとめ


この件に関心を寄せてくれた秋日子さんが時系列をまとめてくれました。
ニュース記事、soarの声明など公に出たものについてはこちらがわかりやすいと思います。

■現在出ているメディアの記事(時系列順)

★①、②

2021.5.6

2021.5.25

2021.5.30

★3

2021.12.22

★④

このnoteでは主にこの★の間に起きたこと、あまり問題として知られていない部分についてについてお話します。①性加害を告発した理由、②性被害の状況、③性加害が公になってから活動が再開されるまで、④活動再開後の3つの時期があります。③については、私とsoarのやりとり、私以外の方々の対応への諸問題とで、2つにまとめています。

1つ1つを詳しく掘り下げていくとさらに長くなってしまうので、全体像をお伝えするために、soarの問題に絞って短く触れています。詳細の補足や団体周辺の反応や問題についてはまた違う機会に書く予定です。

【★①性加害を告発した理由】

■べてぶくろ・当事者研究の問題へのsoarの対応

2020年、べてぶくろの元スタッフの女性が性暴力被害に遭い、団体が二次加害をしたことを告発するnoteを公開しました。被害者は私の友人で、私も以前から話を聞いていたので拡散しました。

・性暴力を「なかったこと」にするな! 被害者が語る5年間の“セカンドレイプ”闇の実態 | 週刊女性PRIME(記事が削除されていましたのでアーカイブを貼っています)

soarはべてるが原点であり、べてぶくろも記事で取り上げていて、「やってみよう当事者研究」と、べてる由来の当事者研究イベントを開催していました。

べてぶくろの被害が告発され、soarは一旦は「当事者研究」のイベントを中止したものの、公の説明はないまま、また再開し毎日のように宣伝をツイート。べてぶくろの取材記事もそのままでした(卜沢の告発後、事情を知った執筆者のsoarの外部ライターさんが取り下げを希望するまで)

■代表のnoteの問題点

べてぶくろの事件は、団体に性被害を訴えることを止められたことに対して被害者が怒りを表したら、「なぜ怒ってしまうのか」というテーマで被害者が「当事者研究」をさせられるという二次加害が起きている状況でした。近しい団体の対話の場で二次加害が起きている状態で、ルワンダの虐殺の話を持ち出して、加害者と被害者の対話に希望を見出したというnoteはあまりにも無神経なものでした。

さらに、後に加害者やsoarにつながった被害者、soarそれぞれと話して、私の被害と他3名の被害も把握して理事の解任を検討していた時期のnoteだったことがわかり、不信感はさらに募りました。性加害の対応の悩みを書きながら、寄付を募っていたのです。

「キラキラしていてつらい」という声に対し、質問者のコンプレックスの問題にすり替え、オーディエンスの声でかき消してしまうような対応にも疑問がありました。支持者のほうばかりに向けた公表文やハラスメントやルッキズムの問題はこういう部分に現れていたのではないか、団体の運営に問題があるのではないかと感じていました。

【★②性加害の状況】

まず、元理事からの被害者は(私が把握できる限り)私卜沢含め5人でした。中には被害について触れられたくない、処分も望んでいないという被害者もいました。

そして、元理事だけではなく、他のsoar関係者から加害を受けたという被害の声も集まっています。加害者として名前があがっているのは主に3人。それぞれ複数の被害の声が集まりました。ある人からAという加害者からの被害の話を聞いているとBという人からもセクハラを受けたという話が出てきて、全くそのことを知らない他の人から「Bから性被害を受けた、Cは加害者を庇う発言をした」という連絡がある…という状態で連鎖しており、出てくる名前は共通していました。
仲間同士でセクハラ発言をしていたり加害をかばうような発言をしていたようでした。

なお今現在も、弁護士を立てて加害者とやり取りをしている被害者が複数おり、未だ解決もしていません。

【★③性加害が公になってから活動が再開されるまでー私とsoarのやりとり】

■soarと卜沢のやり取りの経緯


・2020年7月:元理事鈴木氏から被害を受ける
・2020年10月:soar理事の1人が卜沢の友人づてに被害を把握、鈴木氏に確認
(業務と関わりがないとしてその後soarの調査の範囲外として連絡しないことになった)
・2021年3月:soarが理事解任を公表
       同日に卜沢が被害を告発 その後被害の声が集まりTwitterで発信を続ける
・2021年4月:soarが公表文を公開

公表文を公開後、3週間弱連絡がない状態でしたが、対応を問う声が大きかったからか、代表工藤さんから連絡があり、面談をすることになりました。
その頃、soarのインタビュー記事にも取り上げられていた編集者の田村真菜さんが、被害者の弁護士費用や治療費のために寄付を募り、支援を申し出てくださいました。

面談は安心できる人と同席で構わないと言われたので、一人で面談をするのには不安があり、NPO業界に詳しい田村さんがいたら安心できると思い、soarとの面談の同席をお願いしました。
しかし守秘義務があるからと同席者の制限を受け、田村さんの同席を拒まれました。
抗議すると、soarの事情を話すときは席を外す条件で同席は許可されることになりました。また先方は弁護士を立てていたため、こちらも弁護士を立てざるを得ない状況になりました(soarと話し合うために数十万の弁護士費用がかかりました)。

公表文の確認のやり取りの中で、二次加害になっている内容があり、修正を私が求めることもありました。この頃、対応に追われ体調を崩しました。最初の一ヶ月は二次加害の酷さでフラッシュバックを起こし、外出先で動けなくなったりもしました。被害を訴え出たことや再発防止を訴えたことで、信頼していた人や身近な人に二次加害を受け、人間関係を失う、コミュニティに出入りできなくなるなどもありました。その後も、3ヶ月はまともに働けませんでした。

・2021年6月:soarの代表工藤さん、副代表モリジュンヤさん、小野田弁護士と、自分の弁護士と田村真菜さんと面談

この日は、 soar側の事情の説明を受けました。大まかな説明内容は以下のようなものです。深刻な話し合いのはずなのに笑顔で入ってきて驚きましたし、soarは最大限対応したという内容を説明され、具体的な対応に関する回答は得られませんでした。
また、「調査をした被害者の希望でこう対応せざるを得なかった」という話が多くあったのですが、その被害者の方々に確認すると話が違っており、団体の都合を被害者の希望のように話している部分があると感じました。

・加害者が理事解任や解任理由が性加害であることの公開に抵抗したため、加害者の弁護士にNPOの範囲を越えた越権行為だと言われないよう、慎重に進めた。
・業務内の被害ではなかったので、本来は調査する権利はないが、適応範囲を広げて該当したのが2名のみ(小川たまかさんの記事で記載されているAさんBさん)で、卜沢は該当しなかった。
・工藤さんは卜沢とFacebookでつながっていたけれど、一度会っただけの人にいきなり性暴力について連絡するのは良くないと思ったので連絡しなかった。
・調査対象の被害者が公にすることを望んでいなかったので、プライベートなことに立ち入るのは良くないと思った
・鈴木と仕事上関わりのあった人にだけヒアリングした

卜沢は、今までの対応の問題点を伝えた上で集まった被害を報告し、以下のような提案をしました。

・上記の2人以外の被害報告も集まっている(元理事以外からの被害報告もある)ので、外部の調査を入れて事態を明らかにするべきではないのか。
・記事内で公表されていない他の加害者からの被害についても、被害者が記事の取り下げを求めているため、対応すべきではないか。

その日は時間切れとなってしまい、編集長によるハラスメントなどについては、話せないまま終わってしまいました。

・2021年7月末:面談で聞けなかった内容をまとめた質問文をsoarへ送り、2回めの面談を求めました。日程候補は8月中旬と決まりました。田村真菜さんのもとに集まったハラスメント被害(元理事以外からの被害報告も含む)について話したいと思っていました。


しかし、自分たちで提示した質問文への回答の期限を守らず、日程調整の連絡も直前まで返ってきませんでした。

2021年8月:質問文が返ってきたものの、「質問文や面談の意図が不明」「工藤が適応障害になったのでそのような状態では面談は難しい」と言われました。返信や確認があれば調整できたことを意図が不明と決めつけられたこともそうですが、工藤さんがどれだけ調子が悪いかを強調した上まるで私のせいで工藤さんが適応障害になったかのような言い方で、ショックを受けました。(この対応はsoar側の希望なのか弁護士側の対応なのか不明です)

これ以上やり取りをしても意味がないと感じ、直接のやり取りをこちらからお断りしました。工藤さんからのお手紙が来ましたが、自分の中ではもう信用するのは難しいと思ったので返信していません。

soar側の主張は基本的には以下の2点でした。
・小野田弁護士は外部の弁護士であり、調査には問題がなかった
・ガイドラインを整え運営体制を見直していく(具体的な対応には触れない)

もともとsoar上層部とつながりがあり、soarの代理人として動き、現在はsoarの顧問になった小野田弁護士を中立と言うのは無理があるのではないでしょうか。

2021年12月 soarの活動再開の連絡(やり取りを断った卜沢には一応連絡がありましたが、soarにつながっている別の被害者には何の連絡もないままいきなりの再開でした)

【★④性加害が公になってから活動が再開されるまでー私以外の方々の対応への諸問題】

※被害の声とsoarや加害者との面談の話を総合して、現時点で私が認識している内容でかつ公に言える範囲のことをまとめました。

関係者からの被害者の1人は卜沢に被害に遭ったことを連絡。その後、本人より記事取り下げ等対応を求めてsoarの相談窓口に連絡しました。弁護士による聞き取りが行われ、被害があったことややり取りの証拠も提示したにもかかわらず、記事取り下げ等の対応はなされませんでした。その後、連絡のないまま、メディアの活動は再開となりました。
※最後に連絡があってから1年たった2022年7月に、「調査が終わったが、事実認定には至らなかった、加害者は否定している」と、調査結果の報告の連絡が相談窓口を担当した佐藤弁護士と調査を担当した小野田弁護士からあったそうです。

●被害者の置かれる状況

複数の被害者が被害によって心身の調子を崩し、仕事に支障が出る状態になっていました。そのことで金銭的に追い込まれたり、自殺未遂をしたり、転職せざるを得なくなった被害者もいました。被害者の中でも被害後にcotreeのカウンセリングにつながっていたが、対応に不信感を抱き利用できなくなって困ったという人もいました。

加害者として名前があがっている人たちは、SNS上でも、積極的に元理事の擁護や二次加害発言をしていました。また性加害以外にも、以下のような問題もありました。

■soarの編集方針(取材先選定)にルッキズム


性加害のことに注目が集まりましたが、soar関係者から代表工藤さんのルッキズム発言やハラスメントについて声が上がりました。加害者個人の問題でなく、soarの体質にも問題があったのではないでしょうか。この内部の問題に対しての回答や説明はいまだ確認できていません。

「顔のいい人を選んでいる」は社会問題について扱うメディアとしては致命的な問題点です。soarは見た目問題についても記事で取り上げています。6月13日に国際アルビニズム啓発デーのハッシュタグをつけてsoarの記事をシェアしていましたが、ルッキズム発言についての説明が先ではないでしょうか。

■soarの編集長によるハラスメント

元スタッフの方のツイートのスクショ・現在は非公開

スタッフに対して「使えない」「ダメなやつ」「頭が悪い」「仕事ができない」と侮辱される状況があったと複数の声が上がりました。

心身の調子を崩したスタッフに積極的に産業医へのカウンセリングを薦めていたそうですが、スタッフを「辞めさせたい」と代表から他のスタッフたちに話されている状況で、代表と仲の良い産業医が守秘義務を守れているのか、筒抜けになるのではないかとスタッフが不安を感じるのも当然だと感じます。

一部問題を問う声があったからか、今までは様々な記事で関係性を強調していたのに、いつのまにか産業医に関する記載が削除されていたりもしていました。

■cotree代表の二次加害、ハラスメントなど諸問題の告発が相次ぐ

当時のsoar理事でありCotree代表の櫻本さんによる二次加害もありました。
時系列はこちらも秋日子さんがまとめてくれたものがわかりやすいです。

他の理事が沈黙する中、当時soar理事だった櫻本さんが、被害が話題になっているタイミングで「許すことが大切だ」という内容の記事をシェアしました(記事はすでに非公開となっているようです)。そのツイートが炎上し、Cotreeでの搾取やハラスメント、ステマなどの告発が相次ぎました。

このことは一部小川たまかさんの個人の記事でも触れられています。
2021.5.10

櫻本さんはsoar理事を辞任し、謝罪noteを出しましたが、数カ月後に「傷つく人がいるから」「役目を終えた」と謝罪noteを削除。「現在、SNS上でいただいている当社および当社に関連する個人に対するご批判につきましては、一部、事実関係の確認ができないものも含まれております。今後、個別に事実関係を確認のうえ、適切に対処してまいります。」と声を上げた人を威圧するような公式ツイート後は説明のないまま。声を上げた人は二次加害に遭い続ける状態に。その状態を批判した卜沢に対し、「何が問題か説明してほしい」と櫻本さんからリプライがあり、卜沢がそれを受けて説明をしたあとは返信はありませんでした。

搾取やハラスメントなどの労働問題で話題になったにもかかわらず、cotree櫻本氏は2021年の日経ウーマンのウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞していますが、受賞を決めた側は、こうした問題について知らないのでしょうか。

■性加害の被害者のことを考えない公表文や複雑な相談窓口

Soarは何回か公表文を出しましたが、支持者や寄付者の方のみを向いた文章で、被害者のことを考えた内容ではありませんでした。被害者に二次加害が行くような記載もありました。

また被害の全体像を把握しようとしない姿勢があり、soar独自の判断で、被害者として取り扱われた人とそうでない人がいました。現在顧問弁護士となった小野田弁護士による、ごく一部に向けた調査しか行われず、連絡がないままという被害者もいました。
外部のライターの方々には調査どころかほとんど説明もなく、事情がまったくわからないままだそうです。

また記事を書いた小川たまかさんを威圧する文章を送りつけてもいました。

被害者への対応についての手続きも複雑でした。たとえば被害者が記事を取り下げたい場合、被害を申告する窓口と、記事取り下げは別の窓口に連絡せねば対応できないなど、被害者に負担を多く強いるものでした。その課程で、諦めてしまった被害者もいます。

●被害者にリスクのある調査手法

また、被害者に調査の実施を知らせないまま、加害者へ調査を行ったケースもありました。これは、「この子が密告したのではないか」と被害者が疑われてしまい、訴訟でも不利になる可能性のあるものでした。

被害者が不信感を持ち、調査内容と連絡しなかった理由を問い合わせたところ、主に以下のような内容でした。

・「当法人との契約関係はすでに終了しており、照会に応じる法的義務はない中でわざわざ調査をした」という内容を何度も強調
・「弁護士に相談される可能性があるとは知っていたが、法的措置を取られる予定だとは知らなかった。確認する必要はないと思っていた」と主張
・「逐一共有することで生じ得る精神的なご負担を避ける、という趣旨も含んでいた」という主張

被害者にリスクをかけてしまい申し訳ないという言葉は形式程度にしか見られず、威圧的に自分たちの行動を正当化する内容でした。被害者の意向を確認せずに調査を行うことは、被害者の安全を無視した危険な行為であり、非常に不誠実な対応です

【今後に向けて】

今後必要だと思うことは、告発した当初から変わらず、以下です。

・被害の実態の把握
・(顧問弁護士ではなく)外部の専門家による調査(soar内部のハラスメントと性加害)
そして、表面上は解決したかのように振る舞って被害者を置き去りにしたのはなぜだったのか、放置や二次加害などの不適切な対応がなぜ繰り返されたのか、ハラスメントが複数加害者によって何度も行われていることについてどう考えているのか、法的に整えられた文章でなく、代表ご自身の言葉での説明と謝罪を公にすべきかと思います。

1年以上経った今でも、放置して何事もなかったようにしている事実は重いと思います。もっと早く対応してくれれば、こんなに長く苦しまなくて済んだ被害者もいたのではないでしょうか。

一連の対応を見て、弱い立場の人ではなく、自分たちを支持する寄付者の方向ばかりを見て動いていることがよく分かると思います。「何があったか知らないけれど」と団体を応援している人には、この状況を踏まえて応援するのかよく考えて欲しいです。

「一度失敗したら再起できない」となってしまうのは避けたいと私も思います。しかし、被害者や周囲の人が苦しんでいることを軽視したままでポジティブに終わらせてしまっていいのでしょうか。

活動再開後、工藤さんが企画したsoarの記事のテーマは「自分の中にある“ものさし”から解放され、許しあう緩やかな人間関係を築くには?」でした。

私も本当は平和に暮らしたいのです。この2年間もずっとそう思って過ごしてきました。加害行為を認めている相手なのだから何も言わずに加害者から慰謝料を受け取って終わるほうがずっと楽でした。告発当時から酷い二次加害が続き、現在にいたるまで嫌がらせも受け続けています。

しかし、少なくとも自分が関わっている範囲で追い込まれて苦しんでいる人がいるなら、私はその人たちが置き去りにされた平和は望んでいません。起きている問題が問われないまま、なかったことになってほしくありません。また同じようなことが起きるのではないかと不安に感じています。

私が告発したこともその後訴えていることも、私に対してなにかをしてほしいのではありませんし、団体を攻撃したいわけではありません。取材先を通じて「攻撃性」の話をする前に、被害や批判の声に正面から向き合い、実態を明らかにし、自分たちの言葉で説明をする。そのことが必要なのではないでしょうか。

※ほかの関係団体の対応についても、一応記載します。

・LITALICOは、公的な対応も連絡も、一切ありませんでした。
・トランスレーションズ展は鈴木氏の展示を中止しました。
・鈴木氏が管理人をしていたアパートメントは管理人体制の変更があり、また管理人が被害者への支援を表明しました。個別に連絡もありました。

鈴木氏は他にも複数の団体に所属していましたが、私がsoarを強く批判したのは、対応の不誠実さで二次加害が続いたり、他の被害やハラスメントの声が集まってきたという理由が大きいです。

しかし、soarだけでなく、LITALICOが一切対応をしていないことは問題だと感じています。加害があった時期は、鈴木氏はLITALICO社員でLITALICOの発達障害ナビの編集長の肩書や権力がある中でハラスメントを行っていました。会社としても、会社の顔として鈴木氏をアピールしていました。「LITALICO社内でも何か被害があったのではないか」と調査やヒアリング等を行うのは当然です。

アパートメントに対しては、私個人としては、被害に遭った人に寄り添い、一人ひとりに向かい合おうとする姿勢があったと感じました。(アマヤドリさんが鈴木氏との間で以前起きたことのnoteを公開してくれたことの影響もあるのだと思います)
ガイドラインや相談窓口も大事かもしれませんが、形式だけ整えて支持者の方ばかり向くのではなく、必要なのは被害者の声を聞きサポートをしようと表明する、こういう姿勢だったのだと思います。

【追記 soarのクラウドファンディングについて】


この記事を書き終えたあとでsoarが 「soar7周年 #soar応援 」としてクラウドファンディングで寄付を募っていることを知り、信じられない気持ちになっています。

「被害者にリスクのある調査手法」で触れた被害者は現在裁判中で、soarは被害者からの抗議を受けてそれを知っている状態です。
本記事で触れた諸問題についての説明がないことが問題なのはもちろん、なによりsoarの関係者から被害に遭ったと相談窓口につながった被害者が係争中の状態で寄付を募るのは、あまりに不誠実です。このことについては強く抗議の意を示させていただきます。




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