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夜のカフェは、すごく贅沢な空間だった。

夜11時以降の世界は、酔っ払いのためのものだと思っていた。

私は、かなり厳格な女子校に6年間通っていた(寄り道は本屋であっても許されない。髪ゴムの色は黒、靴下も指定されたものを履く必要があったし、もちろん髪染めなんてもってのほか。)から、大学生になって初めて、夜に街へ繰り出す楽しさを知った。

そこにはほとんどいつもお酒があったし、お酒がなくても下世話な話で友達とたくさん笑って、皆で頬を赤らめながら飲み屋街を歩いて帰る。

だから、私にとっての夜の11時以降は、次の日との境界線が曖昧で、恍惚としている、甘い世界だ。ふわふわしたそんな空間では、時間があっという間に過ぎていってしまう。

飲みすぎた日は、家に着いたとたんに服を脱ぎ捨て、熱いシャワーを頭から浴びる。
風呂場から出るとお酒とお湯で火照った身体に流し込むように、コップの水を一気飲みする。
そして急いで髪の毛を乾かし、吸い込まれるように布団に入る。気づいたらもうすぐに朝だ。

この間初めて夜の11時にカフェに行った。
京都に旅行へ出かけた時に、鴨川沿いの小さなカフェにぷらっと寄ったのだ。
ホットコーヒーを飲みながら、日付が変わるまでの1時間を、冴えたあたまと心でゆっくりと味わう幸せをかみしめていた。

コーヒーを飲み終え、カフェを出て宿に向かっていると、祇園祭の期間だったこともあり、頬を赤らめ楽しそうに仲間と笑い合っているグループとすれ違う。

私はいつもあちら側だけど、こんな風に夜を丁寧に過ごすのも悪くないなと思ったし、
まだまだ涼しい夏の夜の空気を味わうのってこんなにも贅沢なんだと思った。
この夏は贅沢に夜長を味わってみようかな。
#夏 #カフェ #夜カフェ #夜長 #つぶやき

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