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CSR担当者に伝えたい「企業×NPO」喜んでもらえたアイデア

昨今、専門誌で特集が組まれるほど企業とNPOの協働ニーズは高まりを感じています。若者支援NPOのウチは人材不足の背景もあいまって、問い合わせの数もだいぶ多くなっています。

CSRの担当者さんとお話をすると、ポジティブに連携を考えてくださることに嬉しさを覚える一方で、担当者さんが抱えていらっしゃる社内KPIのプレッシャーも垣間見えてきます。

世間はSDGsの流れが推進され、NPOサイドとしてもこのチャンスを活かすことができる手法を考えることは多いです。互いに「力を合わせる」ためにどうしたら良い形でやれるか楽しい悩みはつきません。

社員参加型のトレンド

数年前までは、各社がCSRコンセプトを設定されていて、連動できるNPOにコンタクトをとるような形が主流であったように感じます。また、その連携手法も資金提供を中心としたプロジェクト志向で、NPOサイドは課されているKPIに対して責任を持って数値を出していく。それができる法人が重宝されてきたように感じます。

ただ、最近は、そういう資金提供を中心とした連携は「お金を出しているだけ」とも取れるからか、別の形がトレンドのように感じます。
ひとつは、社員の参加についても言及されるようになってきました。社員を巻き込み社会課題への理解を深めてほしいのだろうと推察しています。

この「社員参加型」は理にかなっていて、NPOサイドとしても活動の理解者を増やしたい気持ちはあるのですが、社員さんはその時間をつくるのはネックだろうと思うんです。

休みとるの大変ですよね。ボランティア休暇制度があったとしても、普通に有給取るのと同じで、業務に穴を開ける不安もあるのでは。

私たちとしても、気楽にボランティア来てくださいねと言いにくい現実もあります。どうしても支援にはある程度抑えて欲しいポイントがあり、また、時間をかけて作られる信頼形成のなかで行われる支援に、刹那的な関わりは逆に難しい部分も多いのです。

以上を踏まえて、社員参加型のKPIが存在する場合、
●できる限り社員さんの負担を感じさせない
●プライベートを邪魔しない
●紡いできたキャリアが活かせる

これらを大切にして提案をするようにしています。

社員負担を抑えた提案

最近は「会社内でできること」で実現可能なことを検討しています。
ひとつは、私たちが行なっている外部セミナーを体験してもらい、フィードバックをもらうという方法。支援者のバイアスがない方からご意見をいただけるのは十分価値のあることであり、直接支援を体験することで若者支援の理解を深めることができます。場合によっては昼食を食べながらなどスキマ時間での実施も評判でした。

また、社内見学なども有効です。会社内を見せていただいたり、お仕事の説明をしてもらうことで若者の職業観の形成や子どもたちの社会的な知見を持たせられる機会提供になります。

いずれも社員さんの日常にこちらが出向くスタイルであり、移動コストなく、日々の業務のうち少しの時間をいただくことで、最小限で済ませられます。

プライベートを邪魔しない

逆に業務時間内は難しいというときには、フットサルやマラソン、場合によってはミニ四駆やボードゲーム など、プライベートや社内クラブ活動の延長で参加するという方法も。

それって意味あるの?って思われるかもしれないんですが、うちの場合、若者と社会をつなぐために活動をしているので、支援者ではない社会人のみなさんと話したり、一緒になにかをするだけでも十分に価値のある活動です。

参加された方のなかには「普通の若い人ですね」と感想を持たれる方もいらっしゃいます。社会にあるバイアスを取り除いていくことはNPOとしての使命でもあります。

そんなのでも良いのかと思ってもらえる、最初の窓口としてはスポーツ最高です。言葉もいらないし、構えることも少ないですから。

紡いできたキャリアが活かせる

最近はプロボノって言葉もありますが社員さんの専門性や業務上のスキルを使って私たちの活動を支えていただくという方法もあります。

何を生業にされている企業なのかというところでマッチングできることは変わりますが、多言語を操る企業さんなら翻訳などはニーズ高いと思います。
法人の概要や財務情報が多言語にしてもらえるのはとにかくありがたいです。

正直、どんなふうに訳されても、こちらがその精度を測れないので、それで良いの?って気もしますがビジネスでも使う用語なら外れるリスク低く、信頼度は高い状態でお願いできます。
(専門性があるものでも、多言語になっていることそのものに価値があるのですが...笑)

まとめ:ハードルを下げたい

社員参加型のトレンドにあるのは、企業の社内広報などが関わるリアルな部分があると思う一方で、私たちの活動がある意味「意識高すぎ」てわかりにくかったり、取っつきにくいのだと感じるものがあります。

若者支援の世界には「発見・誘導」という、悩みを抱える人との接点を持つという支援の最初のステップがあります。
私たちを頼ってくださるように、安心感やつながるまでのハードルを下げる工夫は広報担当者のお仕事であります。

同様に、なにか、社会に貢献したいと思ってくださる方々との出会いを大切に、少しでも気軽にご参加いただけるようにすることで、NPOも社会の一員としてともに歩む機会を作っていきたいですねぇ...

なにかご関心をお持ちいただけましたらご支援お願いします。文章書いてよかった、誰かの支えになれたと励みになります。