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女性美容師を指名する理由

基本的に髪を切ってもらうのは女性美容師と決めている。

女性の方が微妙な色合いの違いを理解してくれるし、前髪のほんの数ミリが、顔の良し悪し(それが例え自己満足の範疇であったとしても)を左右することを分かっているからだ。

特にこだわりもなく男性美容師に施術してもらっていた時期もあったが、その美容師のある一言をきっかけに、『美容師は絶対に女性』という考えに転換した。

当時、私は胸下のロングにしており、2カ月に1度、カラーリングと伸びた分のカットのみを行なっていた。ロングヘアは意外と手入れが楽だし、他にしたい髪型もなかったからだ。

施術の際、その男性美容師は唐突に
『安室ちゃんでも目指してるんすか?w』と言った。

完全にバカにしている口調だった。当然の如く、私と安室奈美恵さんの容姿は程遠く、そもそも、私の好きな系統は安室奈美恵さんではなかった。

これが女性美容師なら、絶対にこんな発言はしない。

私の服装を見れば安室奈美恵さんの系統を目指していないことは一目瞭然であるし、そもそも、本気で安室奈美恵さんの容姿を目指している女性が、当時どれだけいただろうか。

そして、そもそも私が愚かであったのだが、その美容室は『可愛い女の子のカットモデル』が異様に多かった。さしづめ『札幌のSHIMA』みたいな立ち位置の美容室であったのだと思う。つまり、『元々可愛い子を可愛くする美容室』だ。その男性美容師は、美しくもない私が、札幌のSHIMA()に通っていることが気に入らなかったのだろう。

その日をきっかけに美容室を変え、現在までお世話になっている女性美容師は、『美しくない人を最大限に可愛く見せる』ことを得意とする人だ。

なりたいイメージの画像を見せ、大まかな希望は伝えるが、出来上がりは見せた画像とはいつも少し異なる。ただし、私の顔の形や髪の毛の特徴を把握した上で、最大限に似合うように計算したヘアスタイルを完成させていると思う。裁量の範囲内で、私の希望する髪型と、似合う髪型との最大の落としどころを見つけているのである。

可愛い子の髪を可愛く整えることなんて、すごく簡単なことだと思う。
特に可愛くもなく、至って普通の女性の魅力を最大限に引き出すことができるのがプロの美容師だと思っている。

札幌のSHIMA()の店名はもう忘れてしまったが、ああいう高飛車な接客の美容室は未だに存在するのだろうか。

シザーズリーグ(カリスマ美容師が技術を競い合う番組)、懐かしいな。

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