私の書く文章は回りくどくて分かりづらい。
薄々気付いていたが、これでは相手に伝わらないと思い、別部署が開催する研修に参加した。

3時間の研修で、1時間ずつの講義が3コマ。
1〜2コマ目はわりと難しかったが、（もう少し若い時に受けておけば、もっといい文章が作れるようになっていたのかな…）と思えるものだった。
簡潔で分かりやすい文章を書ける人ってやっぱりすごいよなぁとか考えながら講義を受け、最後の3コマめに突入。

講師は…

部署ガチャ当たり民だ。

めちゃくちゃ楽で、でもそれなりに威厳がある、私たち平民にとって「あの部署にはどうやったら異動できるのか」が謎な部署だ。
それを一生知ることはないし、今後、その部署に異動になることも絶対にないことだけは知っている。

はっきり言って、今回の研修の内容としてガチャ当たり部署（以下Aとする）は関係ない。分かりやすくて簡潔な文書を作るためにAが何をできるというのか。

出されたのは数枚のパワポ（内容は全く覚えてない）と、2題の演習問題だ。

そして担当講師の自分語りのお時間。
自分がこれまでに回った部署、そして「私にだってそれなりに読める文章が作れて、このポジションに就けているんだから、皆さんもできるはずですよ」とかいう隙自語と謎の上から目線トークだった。

私は「私にできるんだからあなたたちにだって余裕なはず」とかいう謙遜があまり好きではない。本当にそう思っている人はそんなこと言わないからだ。

まあいい。当たり部署に配属され、しかもハズレ部署から集められた下々の民から注目されてテンションが上がっているのだろう。次。

Aからもう1人、若い女性が講師として派遣されていた。
以下、外見。
・低身長
・童顔
・ド巨乳
・黒髪ロング
・愛嬌1500%

あの部署に行くための謎がひとつ解けた。

Aはとある施設を所管しているのだが、その施設を紹介する動画が流れた。

〔動画の内容〕
・施設の前で指を指しながら「では、いってきまーす（ｷﾗ-ﾝ⭐︎）みたいなシーン
・椅子に座り、ド巨乳を机に置くような姿勢で本を読むシーン
・顎に指を当て、フムフム〜みたいな表情で説明を聞くシーン

君のMVかい？

施設を紹介する動画じゃなかったか。

今のところ、脳裏に焼き付いているのは机に載せるような状況にならざるを得なかったド巨乳だけだ。
あの施設で何を見られるのか紹介していたような気もするが、一切忘れた。

このMV（Aとしては「施設紹介動画」）を、YouTubeに投稿するらしい。
自らのPVをインターネットの海に放流するとは、やはりAに配属されるだけあって心構えが違う。

さらに彼女は社内webで
「新人ちゃんのお役立ちtips⭐︎（仮）」みたいなコーナーを展開していることを知った。

そちらは流石に見ていない（外れガチャ部署における仕事でこれ以上疲れたくない）が、おそらく自らの画像がふんだんに載せられているんだろう。

「分かりやすく簡潔な文章」については全くといっていいほど学べなかったが、Aという部署がいかに自分に関係がないか、今までもこれまでも全くといっていいほど関わることはないだろう、ということがはっきりと分かった研修だった。

Aの人たちへ

研修ありがとうございました。あなたと私たちは同じ会社の社員ではありますが、日々罵倒され、人格を否定され、⚪︎⚪︎泥棒と恫喝されるような私達の人生とは全く違う人生を歩むのですね。
今までもこれからも私たちの人生とは一切交差しないでしょう。それでも…

幸あれ。