「前にも言ったでしょ」は禁句

3年ぶりに仕事をして三ヶ月が過ぎた。一応新人、若葉マーク、先輩方に教えを請う機会が圧倒的に多いのだが、そんななかで「あー……」と遠い目をしてしまうというか、すんとなってしまうことが多発している。

「前にも言ったよね」
指摘の後のこの言葉、実は禁句なのだ。なぜならこの言葉を口にされたら聞けなくなってしまうからだ。結果どのようなことが起きるか、それはこの言葉を言った相手に教えを請うことをしなくなるし、極端に言えば曖昧なまま仕事を覚えてしまい同じミスをしてしまうケースが多い。だからこの言葉を使ってはいけない、と私は上司に教わった。

あくまでも私の主観だが、新人に仕事を教える際、気をつけなければならないことがある。それは作業をしている途中に口を挟むことだ。
新人は目の前の仕事に集中している。覚えようと必死なのだが、そこに割り込む形で違う作業の話をされたら混乱して当然なのだ。それに目の前の仕事が頭から離れてしまう。だからせめて、その作業が終わったあとにしてほしい。でも、指摘をしなければならないと思っている人は、とっとと終わらせたいのだろう。せかせかして割り込んできて混乱させるから厄介な存在にしかならない。

この春、先輩になった人に言いたいのは、どのようなことであっても、自分がしたことはさまざまな形となって自分に返ってくるということだ。
前述した二点についても、仕事を曖昧に覚えてしまった新人に苦労させられることになるのは目に見えているし、これで新人を責めるのはお門違いである。

しっかり仕事を覚えて欲しいのなら、一つ一つ作業をちゃんと終わらせること。これに尽きる。それに後輩が仕事について質問しやすい空気を作ることだ。でなければ回り回って自分の首を絞めることになる。

新人となって改めていろいろなことに気づかされた。その一つが諸先輩からの経験に基づく助言の重さ。それと指摘の仕方で潰れる新人を生み出してしまい、結果として職場の間関係が歪んでしまうことだ。

「前にも言ったでしょ」は、取り方にとってはパワハラになる。そのことを先輩は心に刻んだ方が良い。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?