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環境保全と資源循環を両立できるアップサイクルビジネスについて

こんにちは!静岡県の中小企業診断士、大滝綾乃(オオタキアヤノ)です。

前回から1か月以上開いてしまいましたね…(^^;)11月の最終週から先週まで、ほぼ休みなしという感じでした…体調を崩していたこともあり、なかなか効率的に仕事を進められませんでした…。やはり体調管理は大事ですね!特にここ数日、めちゃめちゃ寒いですし、今年はインフルエンザも流行っていますので、今年の冬休みはより一層気を付けたいですね!

さて、話は変わりますが、忙しかった1か月の間に、ビジネスプランコンテストの審査会がありました。ビジネスプランコンテストとは、応募者が作成したビジネスプラン(事業計画)に対し、新規性や革新性、実現性や成長性などの観点から総合的な優劣を競うものです。コンテストに入賞すると、賞金を得られるだけでなく、ビジネスプランの実現に向けた様々な支援を受けることができます。この審査員を頼まれることもあり、審査員は発表者に対してブラッシュアップをします。1日10件くらい審査するので大変ですが、創業者を応援するためと、自分のビジネスの感度を上げるために毎年引き受けています。
今年は特に環境問題にフォーカスしたテーマが多かったです。具体的には海底に残っている釣りのルアー(釣りで使用する疑似餌)をダイビングで回収し塗装を施して販売するビジネスや、茶の実のカスを利用して紙に変えて名刺や賞状紙として販売するビジネスなどです。
このような取組はアップサイクルと呼ばれます。本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生することを言い、「創造的再利用」とも呼ばれています。
今回はアップサイクルビジネスについて、考察していきたいと思います。

1.アップサイクルとリユース・リサイクルの違い

アップサイクルと似たような言葉としてリユース、リサイクルがあります。その概念の違いについて説明します。
リユースは、使用済みのアイテムをそのままの形で再利用することを指します。例えば、空になったジュースやビールの瓶を洗って再使用する場合や、着なくなった衣服をリサイクルショップで売ることがこれに該当します。
一方、リサイクルは使用済みの素材を元の原料に戻すか、それを使って新しい製品を生産するプロセスです。使われなくなったペットボトルや牛乳パックが、衣服やトイレットペーパーの原料として再利用されるのはリサイクルの一例です。

これらとは異なり、アップサイクルは使われなくなったアイテムに新たな価値を付加し、もとの形を保ちながら改良を加えることです。これは商品を「アップグレード」することに相当し、独創性や創造性を活かして既存のアイテムを価値のある新しいものに変えるプロセスです。リユースやリサイクルが「ダウンサイクル」と呼ばれるのに対して、アップサイクルは既存のアイテムに新たな価値を加えることで、より高い価値を生み出します。

2.アップサイクルビジネスが注目されている理由

アップサイクルがビジネスで注目されている理由は、大きく分けて二つあります。一つ目は、アップサイクルが環境に良い影響を与えるからです。古いものを新しい形で再利用することで、ごみの量が減り、地球を温めるガスの排出も少なくなります。例えば、古い服を新しいデザインのバッグに作り変えるようなことです。これにより、捨てられる服も減り、新しい服を作るために必要な資源やエネルギーも節約できます。
二つ目は、アップサイクルが企業にとって新しいチャンスを生み出すからです。今の時代、お客さんは環境に優しい商品を好む傾向にあります。アップサイクルを取り入れることで、企業は「私たちは環境に良いことをしています」とアピールできます。それに、アップサイクル製品は独特で新しいアイデアが詰まっているので、お客さんの興味を引きやすく、新しいお客さんを惹きつける効果も期待できます。

つまり、アップサイクルは環境保護に役立つだけでなく、ビジネスにおいても新しい道を開く可能性があります。リサイクルは再生にエネルギーが必要であり、リユースできる資源にも限界があります。一方のアップサイクルは新たな資源を使用することなく新しいものへと作り替えることができ、限りない資源の循環が可能です。まずは、身近にある使用済みの材料や製品などを、新しい製品を生まれ変わらせることができないかを考えることが、今の時代に必要な事だと感じました。。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

素敵なクリスマスを迎えられますように!