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必死だった頃と、今

高校3年生、12月。

教室では模試の判定や大学についての話が飛び交っている。机に突っ伏してそれを聞く私は、どこから彼らと違ってしまったのかなあと考える。

中学までは何もせずとも勉強ができた。
授業だけ聞いていれば全ての教科に5がついた。そのままたいした受験勉強もせず、あたりまえのように進学校に入学した。

高校に入った瞬間、躓いた。
授業だけ聞いていても点数が取れるほど甘くはない。そして、周りのレベルが高い。中途半端にやっても誰も褒めてはくれない。勉強が苦痛になった。

それでも最初は頑張った。
そのまんまちゃんとやってたら、今頃みんなと一緒に大学受験の話をしてたのかもしれない。

だけど。必死だったあの頃のことを考える。

帰宅と同時に、あまりの疲れにベッドにダイブ。日付が変わる頃やっとやる気になって、先延ばしにしていた課題に手をつける。そして、メイクも落とさず寝落ち。家を出る15分前に慌てて起きて、朝シャンして、半乾きの髪で自転車に乗る。電車に駆け込んで、立ちながら課題の続き。それでも乗り換えのバスが遅れれば遅刻して、もっと余裕を持って来いと言われる。その繰り返し。

限界だったな。
みんなこんなもんだよ、と言われればそうなのかもしれないけど。

もうあんなに必死にはなれないと思う。
あの頃の自分、よく頑張ってたな。
よく頑張れてたな。

でも今、いい匂いのする自分の髪を弄りながら思う。清潔な体で、ちゃんと整えた布団に入って、こんな文章を書きながら思う。

朝は起きれないけど。学校はほとんど送ってもらっているけど。授業も寝てしまうけど。

こっちの自分も、好きだよ。

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