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イル・トロヴァトーレ

3ヶ月にも渡る夏のヴァカンスが終わって新学期が始まったと思ったら、今日からまたトゥッサン(キリスト教においてすべての聖人を崇敬する祝日で、ハロウィーンはこの前夜祭🎃)の二週間のヴァカンスです😬

私は、イタリアンオペラ3曲🇮🇹とストラヴィンスキのペトルーシュカ、そして、いくつかのリサイタルのプログラムを抱えているので、ヴァカンス中もまぁまぁ大忙しといったところです…。

小さな頃は、楽曲の背景のことなどきちんと理解せずに弾いていたこともあったような気がしますが(←良い子はマネしないでね😉)、年を取ったお陰でしょうか、最近は音楽史や“楽曲の裏側”にも自然と興味が湧くようになってまいりました。

…と言うわけで、今日は私が今抱えているイタリアンオペラの中のひとつ、”イル・トロヴァトーレ”について書いてみたいと思います👩🏻‍🏫

“イル・トロヴァトーレ”は、イタリアの作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)によって1853年に作曲されたオペラです。(ちなみに、1813年には、ドイツを代表するオペラ作曲家のリヒャルト・ワーグナーも生まれています。音楽の歴史を見ていると、同年に生まれた大作曲家たちがチラホラと見られるのですが、やはり“当たり年”というものがあるのでしょうか…?)

オペラのタイトル、“イル・トロヴァトーレ”の意味は、“吟遊詩人”です。👨🏻‍🎤
そして、この吟遊詩人=マンリーコと共に重要なこのオペラの登場人物は、
👰🏼吟遊詩人の恋人であるアラゴン王妃の女官、レオノーラ
🤵🏼なんとしてもレオノーラを手に入れたいアラゴンの貴族、ルーナ伯爵
🧙‍♀️そして、作曲家ヴェルディが惚れ込んでいた、ジプシーのアズチェーナ

あらすじ
ルーナ伯爵には弟がいたが、ある魔女により呪いがかけられ病弱になったと言い伝えられていた。
その魔女は迫害され、捕らえられ、火あぶりにされたが、残されたその魔女の娘が復讐を企てた! (←これがアズチェーナです🧙‍♀️)

ルーナ伯爵の弟が行方不明になり、かつて魔女が火あぶりにされたところから子どもの骨が 燃やされてまだくすぶっているのが発見されたことから、ルーナ伯爵の弟はアズチェーナによって殺されたと思われていたのだが、燃やされた子供はアズチェーナの実の子であった😳
アズチェーナの手によって育てられることとなったこのルーナ伯爵の弟が、実は吟遊詩人のマンリーコである。

弟の行方不明から15年後、ルーナ伯爵は行方不明の弟を捜し続けていた🐾

アズチェーナが弟の誘拐犯であり、また憎っくき恋敵マンリーコの母親でもあったと知ったルーナ伯爵は、彼女を捕えると、

potrò col tuo supplizio ferirlo in mezzo al cor!
Gioia m'innonda il petto, cui no, non esprime il detto!🎶
(お前を拷問することで、奴(マンリーコ)の心を傷つけることができるな!
喜びがこの胸を満たす、言葉に出来ぬほどの!)
と歌い上げる😈

母親が火あぶりの刑を受けると知ったマンリーコは助けに向かうが、ルーナ伯爵に捕らえられてしまい、斧での死刑を言い渡される🔨
それを知ったレオノーラは、自分の身体を捧げるかわりにマンリーコを助けるようルーナ伯爵にお願いし、浮かれるルーナ伯爵に隠れて毒をあおる🤢レオノーラの裏切りと自死を知ったルーナ伯爵は、激怒してマンリーコを処刑する。

マンリーコの死を知ったアズチェーナの叫びにより、ルーナ伯爵はたった今処刑したの男こそが15年間探し続けた弟であったことを知り、呆然と立ち尽くす…

Egli era tuo fratello!..
(あれはおまえの弟だったのだ!)

Sei vendicata, o madre!
かたきを討ったよ、母さん!

♪♪♪

今でこそヴェルディに対する想いの強い私ですが、実はヴェルディ(の楽曲)と私の出逢いはハタチぐらいの頃、と割と遅めでした。…というのも、ヴェルディはピアノ曲を残していないので、ピアノのソロレパートリーばかりを勉強していた私は、ヴェルディの楽曲に出会う機会がなかなかなかったのです。

パリの区立音楽院の声楽のクラスによるオペラ「ファルスタフ」(ヴェルディ作曲)の公演にコレペティトゥアとして参加させて頂いたことが、私のオペラとの最初の出会いだったのですが、また改めて、“オペラ公演の縁の下の力持ち、コレペティトゥア”についても書きたいと思っています🏋🏻‍♀️

最後まで読んで頂き、ありがとうございました😊

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