見出し画像

【ライブレポ】 ズーカラデル JUMP ROPE MADNESS TOUR

ズーカラデルに出会ったのは、去年の夏。

いつものごとく画面には見向きもしないで、作業のBGMとしてYouTubeを垂れ流しにしていたところ、
突然、あまりにも痛快な歌詞とそれを跳ねさせるメロディに全身が痺れて、思わず作業を止めて画面に向き直った曲があった。

急いでアーティスト名とタイトルをチェックする。

「漂流劇団 / ズーカラデル、、?」

あの時出会わせてくれたYouTubeのシャッフル機能には、感謝しかない。


馴れ初めはさておき、
興奮冷めやらぬうちに、今夜のアメ村で起きた「朗らかな音楽会」の感想を記しておきたいと思う。

初めてのズーカラデルのライブ。
2年ぶりのツアーだということで、セットリストは昔の曲もアルバム曲も詰め込まれており、曲数も多く文字通りお得感たっぷりの濃い2時間半だった。
初めてがそんなツアーだなんてラッキーすぎる!


メンバーについて語ると、

まずボーカル吉田さんの
「あ↑・り↓・がと!!!」
がめちゃくちゃ印象的だった。
言葉遣いが本当に丁寧。そして、始終押し付けがましくない言葉を述べて、曲に込めた気持ちを淡々とでもしっかりと伝えてくださったのは、
本当に心地よかった。

純粋にその曲をもっと好きになれたし、生の音で届けられる振動は全身を軽くしてくれた。これだからライブはやめられないんよなあ。笑


あと鷲見さんが大人しそうかと思いきや
めちゃくちゃトークが上手!
そして面白すぎた…。
絶妙なテキトーさには親近感を覚え、独特のゆるい口調と言葉遣いに、これは好きにならない人はいないだろうと、私もまんまとさらにさらに好きになった。

山岸さんはトークがなくちょっと分からなかった、、次こそ!


印象に残った曲は
まず

▶︎ジャーニー

みなさん、恋をしてますか?
で始まったMCは、会場の一人一人をハッとさせた。
その恋が報われようと報われなかろうと、誰かを想って悩んだり苦しんだり喜んだりしている、その感情が1番美しい。そう言われて、ギターが鳴った。


▶︎若者たち

3月は出会いと別れの季節。
でも実はなんにも変わっていなくて、家族も友達も恋人も、いつも通り続いていくんだよと。
深い「あ」で始まる。
「愛とか恋とかじゃなくて 飛ばされた帽子を追いかけながら
 ケラケラ笑う2人でいよう 2人でいよう」

大好きな曲。
ここで聞けてよかった。

▶︎ブギーバッグ

ズーカラデルの中で1番好きな曲。
全部良いけど、サビがたまらない。
「今夜はあんたを離さない できるだけそうしたい
 眠たくなったら寝てもいいからさ バカみたいに」
歌詞だけじゃなくて、この曲全体が持つ雰囲気・世界がまっすぐに好き。
晴れた日にビルの隙間から日差しが差し込んで、何枚ものガラス窓に反射して、地面や街ゆく人を照らして、眩しさに顔を上げたら青空が垣間見えるような日に、景色で、聞きたい曲だ。といつも思う。

そしてその景色を見ながらブギーバッグを聞いた時には、無条件で泣きたくなる。

この曲を、今日ここで、生で、吉田さんから発せられる音の振動から、聞けて本当に嬉しかった。

▶︎ニュータウン

この曲も好きだったが、嫌いな人・苦手な人のことを歌った歌だったとは…。笑
まあ生きていればそういう人とも出会うということで。
綺麗事だけじゃなくて、生活のありのままを、歌っている姿勢に、世界に、心底共感していて、これからも一緒に(聞いて)生きていたいなと思った。

▶︎友達のうた

初めて聞く曲だった。
でも、知り合いと言いつつも気にかけている主人公。そして「一匹と一匹」という表現。「靴に穴が空いて、中の靴下が濡れていても、私は知らないよ」というニュアンスの歌詞が、強烈に印象的で。(歌詞は調べても出てこなかった・・・)
友情とか愛情とか絆みたいなものは、劇的に結ばれるものではなくて、ちょっとした日常の積み重ねで、気づかないうちに結ばれていっているのだと、そう振り返させられる曲だなと思った。


▶︎ノエル

1番泣いた。
こんな意味が込められているとは、推測できなかった。

今日、このライブに来ないことを選んだ人ももちろんいると思います。
でも、その方が来ないからって、ライブが中止になるわけでもなく、実際そのまま執り行われていて、日常や世界はビクともしない。変わらない。

でも。でも、きっと、僕らの間には、何かがある。

改めて歌詞を聞いて、今の私にめちゃくちゃ染みた。
「ダーリンダーリン 君の涙を
 乾かせるなんて言えやしないが
 僕ら話し合おう
 星に願ってもしょうがないしね」

星とか宇宙とか銀河って言葉に弱い。
ロマンがあるからだろうか。

そして、世界は君なしでも生きていけるけど
胸が苦しくなるのよ

この先を見に行こう
君がいるならばそれもいいよな

静かに、静かに、控えめに、だけどはっきりと、愛を語った曲だと思った。
このタイミングで聴けてよかった。
これから出会う・向かうどんな所でも、君がいるならばそれもいいよなと。
そう思える人が、存在が、自分の隣に居てくれることは
本当に奇跡で、大切で、有難くて、尊いことだと。
吉田さんの声とズーカラデルの音で、感じた。
ありがとう。
もう一度、私もちゃんと、伝えて、始めたい。

▶︎未来
▶︎シーラカンス

大好きな曲達。ライブがクライマックスに向かうにつれ、
上がる会場のボルテージ。
シーラカンスのみんなでコーラスするところが、もう本当に!!むずむずして会場全体で円陣を組みたくなるような、アットホームさと温かさで、
あーもう今日来れて本当にハッピーだと。
心からそう思った。

▶︎アニー
女性の歌声が入る曲なんだけど、ほんとにハッピーチューンで、会場もパッと明るくなって、思わず声を出したくなった…。マスクの下でみんな口パクで歌ってたんじゃないかなあ。
あの空気感を、あの心躍る音楽とリズムを、奏でられるバンドのズーカラデルに、改めて敬意を払ってさらに大ファンになった。


ライブを終えて。
なんかやっぱり、自分たちのペースで、自分たちのやり方で、空気感で、温度で、
決して押し付けることなく、ありのままで、居る・居続けることが、格好いいな、素敵だなと
強く思った。

ズーカラデルは、始終ありのままだったんですよ。そう見えた。
無理をせず、背伸びをせず、押し付けもせず、自由に楽しんでいってくださいと。
でもドライなんじゃなくて
あなたたちと僕たちの間に「何か」はあるんじゃないか、と信じている熱い想いもあって。
そう丁寧な言葉で繋がれた今日は、私たちにとってとても心地よい、こちらもありのままで居させてくれる時間だった。

お客さんが1人だった時もあった、そう思うと今日はこんなに集まってくれて本当に嬉しい。って言ってらしたけど
周りと比べず、「僕たちももっとBIGになるんで!!武道館行くぜ!付いてきてくれよなよろしく〜〜!!」って感じもださず、BIGCATという、ライブ会場のキャパだけで見れば決して大きくない舞台でも、数年前のバンドの状態より少しずつ進んでいることをきちんと認識されていて、今を楽しんでいて、先の舞台に目をやらず何よりこの場にいるお客さんたちを大切にしているズーカラデルは、私の目には本当に輝いて格好良く見えた。めちゃくちゃに格好良かった。

私も、周りの同世代の活躍とかに目が眩んで、羨ましくて、「私なんてまだまだダメだ、もっと頑張らなきゃ」って勝手に自分の首絞めて、でうまくできなくて思うようにいかなくて悶々・・・、という日々を送っていたので、

今日のライブを見て、その場に居て感じて、
そうやんな、まずは目の前のこと、そして自分のできるペースでちゃんと進む。焦ったり人と比べたりしない、そうやって生きてたいなあ、と
思わされた。


長くなりましたが、総じて得たものが大きい。そして鷲見さんのMCに大変笑かされて、盛りだくさんの曲達から体中の細胞一つ一つに元気をもらえた、幸せなライブでした。

やっぱりライブ終わりは、何かを残したくなるんですよね。なんでなんだろ。
初回限定版をその勢いで買ってしまい、サイン入りポストカードとノートをGETしました!笑

令和の時代になっても、私はCDが好きです。あのジャケットに包まれている円盤は、ひたすらにロマンがあってとにかく格好いい。
ポストカードは、今日の気持ちを忘れずに生きるために、どこに飾ろうかな。
最高の一夜を、ありがとうございました。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?