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ののちゃんのこと

GINZAのぬいぐるみコーナーに、
私のぬいぐるみ、ののちゃんが載っています。

おばあちゃんがよく着ていたワンピース、自分で襟の部分を令和風にアレンジしようと思ってハサミでザクザク切ったら大失敗して(当たり前や)半泣きで近所のお直しの店に持っていったら、
「あんた、なんてことしたの!こんなになってちゃ私の腕以前に、修復不可に決まってるでしょうが」って怒られてしまい、
「この状態からハンカチに作り直すにも、1万円はかかるね」と高圧的に言われる始末。

正直に告白するが、その時はショックすぎて、ワンピースのことを考えるのが嫌になって捨てちゃおうかとも考えた。

だけどこのままじゃ辛すぎるし、友達に相談したりネットで検索したりして、ぬいぐるみにしてもらおうとひらめいたのだった。

ぬいぐるみ作家さんにすべての経緯を説明したお手紙と共に、おばあちゃんのワンピースの端切れをポストに投函した時のこと、
あの時はコロナが今よりもずっと未知の悪で、100メートル先のポストに投函するため家から出ることすら鬱だったこと、なんか、いろいろ。

だけど、届いた時の感激、すべてがひっくりかえるような幸福感を、私は忘れない。
手にした時の、「やっと会えたね」感たるや……。

私だけのぬいぐるみ、私だけのお守り、私だけの特別。

かわいいは正義っていう言葉の意味が、具現化した瞬間。
ぬいぐるみはベストフレンドフォーエバーなのだった。

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