エストニア、タリンで盗難にあった話

2014年5月20日(日)

旅、2日目にして、財布を盗まれた。

タリンのギャラリーで気に入ったものを買い込んで、さあ、お茶でもするか、と思ったその10分くらいの間に。

↓お茶しよう、と思ったところ。急な階段をロープや鎖をつかって登り、上の木のバルコニーのようなところでお茶ができる、はずだった。カフェのテーブルについたところで、財布だけが無くなっていることに気付いた。

その10分の間に、トンネルの階段のような細い道にいた楽器を奏でるおじさんの映像を撮影していた。(後程その動画も公開しよっかな)

おそらく・・・その間、私は肩にかけて脇を閉じていたカバンを肘にかけて持っていた。

完全に北欧ボケしていたみたい。タリンは北欧ではないのに。

反省している場合ではない。

たまたま近くを通りかかったパトカーに事の顛末を話したが、「110」に電話して、と言われるのみ。冷たいなぁ。

とりあえず、盗難届があれば、クレジットカードの保障が使えるかもしれないので、警察に電話した。

どうやら警察署は遠いらしい。タクシーで来いと言われたが、財布を取られた私は無一文。それを告げたら、迎えに来てくれるとのこと。

「Just second」(ちょっと待ってて)

と言われ、場所を告げて、街角で待つこと30分。

一向に来る気配がない。ちなみに、私は英語がほとんど話せないに等しい。だから、私の英語が伝わらなかったのでは、との思いから、もう一度電話。

「Just second」(ちょっと待ってて)

また、同じことを言われ、何度も場所を確認し、またまた待つこと30分。

タリンの砂風を浴びていたから、だんだん肌がざらざらしてきた。

こんな日もあるよね~とか、だんだんどうでもよくなってきた時、ようやく大げさな大きなパトカーに警官が3人も乗ってやってきた。

電話で「15時にはフェリーに乗ってヘルシンキに帰らなきゃいけないから」と言っていたのが伝わっており、警察署に寄る時間はないとの判断をされた。

パトカーの中で事情聴取。いくら入っていた?と聞かれて、本当は400ユーロなのに、間違えて、「フォーサウザンド イエン」と自信を持って答えたら、びっくりした様子で無線でやりとりを始めたので慌てて言い直した。4000ユーロだったら、本気で探してくれてたのかな・・・。そして、メールアドレスが書かれた紙をもらい、「ここにレポートを送って」と言われた。

パトカーはフェリー乗り場まで送ってくれた。なんだかタクシー代わりに使った気分。

その時点で携帯の充電の残量がほぼなく、そんな中、クレジットカードを止めるために夫にずっと連絡するも、応答がなく、友人がカード会社に連絡してくれたり、(でも結局家族でないと、止められなかったり)やれることをやった。

フェリーのチケットは事前に予約していたおかげで携帯に入っているバーコードを見せればOK、しかし、充電が切れたら大変なので、先にチケット売り場でプリントアウトしてもらった。

と、ここであることに気付いた。


財布の中に、アパートメントの部屋の鍵が入っていた!!!!!!


これが一番のショックだった。

ヘルシンキにもどって、部屋に戻りさえすれば、日本円があるし、携帯も充電できるから、カードも止められる。と思っていたから。

どうしよう、どうしよう。ピンチ。ない頭を振り絞って考えた。

とりあえず、オーナーに連絡して鍵をもらわないことには、何もできない。

ヘルシンキの図書館はコンピューターが置いてあって、ネットが使えるはず。急いで、ガイドブックで図書館について調べた。

あと、残り2%の充電を使って、Google Mapでヘルシンキの図書館「Library10」の場所を探す。

そこは、駅近くで分かりやすい場所にあった。

と、ここで、電池終了。


少々憂鬱な気分でフェリーに乗る。

お昼前に財布を取られた私は、おなかが減りすぎて波に揺られるのがつらかったので、ひたすら寝た。

港から「Library10」まで歩いて15分くらい。

「Library10」は中央の郵便局と同じビル。入り口は違う。工事中だったから、分かりづらかった。

図書館の中のコンピューターは誰でも使える。カウンターにある機械にカード(これも横にゲスト用が置いてある)を刺すと番号札が印刷される。その番号が表示されたコンピューターを使うことができる。ただし15分で切れる。おそらく、ゲスト用だからかな。他の市民と思われる人のPCはずっと使えている様子だった。15分経って切れたら、また同じように、カウンターに行って、番号札をもらう。何度繰り返してもよさそう。

結論から言うと、番号札を7回くらいもらったところで、オーナーと連絡がついた。

仕事中のオーナーのオフィスまでタクシーで行って、鍵をもらい、またタクシーで部屋に戻る、という計画になった。タクシー代は親切なオーナーが立て替えておいてくれることに。

カザフスタンから来たタクシーの運転手に事情を話すと、「フィンランドでは、落し物をしても、交番に行けば必ず出てくる。スリなんていないから、安心して!フィンランドはピースフル!」と言ってくれた。ありがとう。

彼は6年前に大学に通うためにカザフスタンからフィンランドに一人で来て、それからタクシーの運転手になったらしい。もう40歳くらいの風貌だったから、大学が年齢を問わないことがよくわかる。

さすが、タクシー運転手だけあって、車の知識が豊富で、私がトヨタのイストを持っているという話をしたら、早速スマホで調べて、写真を見て、「たぶん、こっちでは別の名前で売っている車だ」と教えてくれた。


そんな感じで、無事、部屋に戻り、その時点で既に20:00。

もう両替はできないので、前日に買ったヨーグルトと持参したオートミールを夜ご飯にした。

部屋に飾られた謎の小物たちを見ながら、この日の疲れから放心状態に。

クレジットカードは4,780円、使われていることが分かったけれど、連絡したら、取り消してもらえ、無事すべての手続きをすることができた。

自分の不注意が招いた大変な一日だった。

でも、この出来事は私に注意を与える良いきっかけになったと思って、ポジティブに旅を続けようと思う。



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