雲丹

本を読むことと手紙を書くことと猫と遊ぶことが好きです。あとは建築と美術館とアイドルも好…

雲丹

本を読むことと手紙を書くことと猫と遊ぶことが好きです。あとは建築と美術館とアイドルも好きです。

最近の記事

"ご褒美"がすきだ

自分にはこれといった特技は全くないが、 昔から自分にご褒美をあげるのは得意である。 「もう少しで誕生日だから」 「この前のテストの点が良かったから」 「今度バイトのお給料がいつもより多いから」 「先月服をあんまり買わなかったから」 学生時代からそうやって何かしら理由を付けては自分にご褒美をあげてきた。『自分に優しく、人に優しく』がモットーですとか言いたい。 時には美味しそうなケーキを、 時には雑誌で見た口紅を、 時には欲しかった小説を、 時には一目惚れしたワンピースを。

"ご褒美"がすきだ

    +13

    ヨーロッパ備忘録 #1 Italia🇮🇹

    ヨーロッパ備忘録 #1 Italia🇮🇹

    +13

    記憶の水平線

    昔見た夢の続きを、唐突に見ることがある。 そんな夢を見たことは忘れているのに、夢の途中で「あ、これあの時の続きだ」となる。それはちょうど、水平線から昇る太陽のように。じんわりと、でも確実に目に焼きついてくる陽の光。海の表面に反射して眩しくて、思わず瞑ってしまった瞳のシャッター。捉えた一瞬は記憶にも記録にも残らず、それでもいつの日かまた思い出すまで脳の片隅に仕舞われる。明けない夜はないなんて言うけれど、思い出せない記憶は無数にある。何を覚えてないのかも思い出せないけれど。どん

    記憶の水平線

    「おかえり、おつかれさま」

    すっかり年の瀬だ。 いつのまにか今年もあと数時間で終わってしまう。最後ぐらい心穏やかに過ごそうという気持ちと、最後だからこそ普段気にならないことに対してイライラしてしまう気持ちがある。 街ゆく人々、家族と過ごしている人、お正月に向けて買い物する人々、みんな心穏やかに新しい年を迎える準備ができているのだろうか。この帰りの同じ電車に乗っている人たちは明日からもいつも通りの日々があることに絶望しているのか、はたまた清々しい気持ちで新年のお休みを楽しんでいるのか。 隣の人の考えて

    「おかえり、おつかれさま」

    「今夜はカレーよ」

    昔から、母のカレーが大好きだった。 小さい頃から母の料理以外を食べる機会なんてほとんどなかったので大きくなってから気付いたけど、私の母は料理が得意だ。大学生になって実家を出てから母の料理が世間一般的に見ても美味しかったんだと知った。 カレーは月に1回ぐらい朝から仕込んで作ってくれる。 昼頃に『今日の晩ご飯何にしようかなぁ』と母が言うので、カレーが良いと私が言うと、いつも決まって『今からじゃ無理よ』と言う。母のカレーの調理はその日の朝から始まる。朝の家事が一通り終わるとジャ

    「今夜はカレーよ」

    困ったときに助けを求めることができる人

    以前東京で電車に乗っていたとき、 「この中にお医者さんはいらっしゃいませんか!?」 というフィクションでしか聞いたことがないような文言を聞いた。 そのセリフを叫んだのは私と少し離れたところで立っていた同世代の女の子で、その子の目の前に座っていた男性が苦しそうに胸を押さえていた。 幸い、同じ車両にその電鉄会社の医療班らしき人が乗り合わせていて事なきことを得た。 その男性が電車を降りて行ったとき、先ほど声を上げた女の子は安堵の表情を浮かべていた。 たくさんの人が乗っている

    困ったときに助けを求めることができる人

    小さい秋やっと見つけた

    ここ何年か、毎年この時期になると「夏終わってすぐ冬が来たなぁ」と思う。今年も秋を感じる間がなかったなと。 猛暑と言われ続ける夏、と思ったら急に冷え込んで冬。 秋は自分の生まれた季節でもあるし、食べ物は美味しいし、おしゃれをするのも楽しいし、ちょっと肌寒くなってくるぐらいが散歩に行こうかなとか夜更かししようかなとかやりたいことが増えてくる。いちばん好きな季節だ。だから毎年一瞬しか感じられないのがちょっと寂しい。 でも今年は今、秋をめいっぱい楽しんでいる。 9月後半になっ

    小さい秋やっと見つけた

    +5

    台風一過の夜に思いを馳せて…北海道旅行

    台風一過の夜に思いを馳せて…北海道旅行

    +5
    +3

    台風の夜に思いを馳せて…栃木旅行

    台風の夜に思いを馳せて…栃木旅行

    +3

    「お前が」有名になりたいのか?

    自分の就職活動が落ち着いた頃、周りの友人たちの動向が気になってくるのあるあるだと思う。私も今年の夏、そうだった。私の誕生日が9月なので、それを知っている友人たち何人かが連絡をくれた。「久しぶりー。誕生日おめでとう!ところで就活どう?」と。あまりにもみんな同じようなテンポでこう聞いてくるので少し笑ってしまった。「久しぶりー。連絡ありがとう。就活はなんとか、広告代理店に決まったよ。そっちは?」と返す。そのままお互いの話を少し続けたあと、大概言われるのが「いやでも広告ってすごいな。

    「お前が」有名になりたいのか?

    『Nのために』

    読んだ本についてnoteを書くなら一番最初はこの本にしようと決めていた。 それぐらい自分にとって大切で大好きな本。 出会いはドラマからだった。 湊かなえさん原作の本がドラマになるらしいと聞いて母と見始めた。 毎週金曜日が楽しみで水曜日ぐらいになると母と共にそわそわしだす。ドラマが終わってもしばらくセリフを日常会話に挟んでくるぐらいハマっていた。ドラマが終わって私は完全にロスになり、本屋に買いに走った。ただ、読み終わって最初の率直な感想は「なんか物足りない」だった。 ドラ

    『Nのために』

    君のことを知らなさすぎる

    彼女との出会いは高校生の時なので、友だち歴7年目。 クラス替えをして出席番号順に並んだ席順で前後になった。名前が少し似ていて、誕生日が一緒で、血液型も同じ。産まれた時間も1時間しか変わらなかった。 彼女は簡単に人には心を開かなくて、お互い仲が良いと公言しているにも関わらず私にもまだ心を許してくれていないのではないかとたまに心配になるぐらい秘密主義だ。 彼女は変なものが好きで、変なものを集めるのが好きだ。 彼女はSNSのアカウントは持っているものの全然更新することがなくて、

    君のことを知らなさすぎる

    美術館に1人で行くのが好きだからこそ誰かと行くという選択

    基本的に美術館などは1人で行ってゆっくり見たいタイプなのだが、今日は縁あって10歳年上の友人と一緒に東京都写真美術館に行ってきた。 美術館に誰かと一緒に行くのはすごく気を遣う。歩くスピード早いかな遅いかな、この作品もっと見たかったかな、私は次のコーナーに行ってもいいかしら、ここ興味あるからゆっくり見たいけど早く次に行きたそうだし、とかめちゃくちゃ考えてしまう。 さて今日はどうなるかしらと意気込んで行ってみたら、 結論:超良かった。 1番良かったポイントは、感想が即共有

    美術館に1人で行くのが好きだからこそ誰かと行くという選択