4ヶ月

小さな人が我が家にやってきてはや4ヶ月。
病気や怪我なく成長しているのは本当に有り難くて嬉しいこと。
でも、できれば時を止めたいと願ってしまうくらい、本当に可愛い。

両手を組めるようになり、組んだまま口に入れて探究するようになった。さしだされたおもちゃに手を伸ばせるようになった。首が座りかけ、寝返りも寝返り返りもできるようになった。自分の家とそうでない場所、馴染みの人とのそうでない人の区別もできるようになりつつある。

授乳中に顔をあげると母親がいることにも気がついたようで、お食事の途中で顔をあげてにこにこし始めるから射抜かれてしまう。大変だったはずの授乳の時間が至福の時間に変わった。

表情をくるくると変えながらたくさんおしゃべりをし、とびきりの笑顔をふりまき、時に元気いっぱいに泣く。

絵本が大好きで、読んでいる間は一生懸命大きな声をあげ、読み終わると催促する。
おもちゃを自分で振って遊べるようになり、意に反しておもちゃを投げてしまったときには泣きながら「拾ってくれー」と訴える。
お風呂で顔を流すとき、「流すよ、ぎゅー」と伝えると目をぎゅっとつぶる。

ああ、どんどん成長してしまう。

きっと喜ばしいことなのだけれど、私はなぜかいつも少し寂しい。



小さな人は、朝が来たことが嬉しくてたまらないかのように、毎日、元気いっぱい笑顔いっぱいで朝をむかえる。なんて素敵なのだろう。

この人が家族に加わる前、休日は疲れを言い訳に、昼過ぎまで寝ていることもあったけれど、平日・休日という概念をもたないこの人のおかげで、随分と生活リズムが整った。

毎朝、ご機嫌なこの人に私の手を差し出すと、小さな小さな両手で掴んで揉み、ついでに口に運び始める。両手で掴んでくれるその瞬間がたまらなく幸せ。

まだ首が座る前から愛用しているスリングは、お腹の中にいたときのように体をくるんとまるめて、親と密着してゆらゆら揺れることができるゆりかごの役割になっていて、これまではスリングに入ってお散歩すると必ずと言って良いほど熟睡していた。
でも最近は、散歩に行くと一生懸命首を伸ばしてきょろきょろしはじめる。世界を見るのが面白くてたまらない様子で、興奮してしまって眠れないみたい。

白黒で平たい世界を抜け出し、ものを立体的に見ることができるようになり、色を識別できるようになったのであろうこの人の瞳に、ちょうど色づき始めたこの美しい季節はどのようにうつるのだろう。

この人の目線で世界を見てみたいと、たびたび思う。

そして、先を生きる者として、この人がより多くのことを捉えることができるようになったときにも、生きることを楽しいと感じられるような社会を作りたいと思う。



写真は最近の散歩道。道端の四季が好き。

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