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初めての一人暮らし

一年前、家族を離れて初めて
一人暮らしを始めた。
家に帰っても、
おかえなりなさいのない日常に
絶対に毎晩泣くだろなと思いながら。

家を出る日、
お母さんに家の下まで送ってもらった。
瞬きしたら、落ちるくらいの涙を溜めて、
なんとかお母さんの前では
落とさないようにしたバイバイ。

新幹線に乗っても泣いて
先が思いやられるなんて思っていたら、
道に迷って知らない人に
途中まで連れて行ってもらって、
優しさにほっこりしたら
なんで泣いていたか忘れていた。

それから、一年。
私は寂しくて泣くようなことはなかった。
毎日笑いながら歌いながら
たまにドラマで泣きながら
元気に過ごしている。

理由は1つだけ、
常に優しさに触れているから。

どうやら日常には
沢山の優しさが溢れていて、
それに気付くか気付かないかで、
見える世界も変わってくるようだ。

私は優しい人になりたいと思うけど、
それ以上に優しさに気付ける人になりたい。

気付いた優しさに優しさで返して、
永遠に続く優しさのラリーをしたいなと思う。

ただ、たまにどうしても
「さぁー!」って思いっきり
点を取りたくなる事もあるかもしれないが。

家に帰っても
おかえりなさいのない日常にも慣れて、
自分でおかえりなさいを言う新しい日常。

テレビを見て、
一人で突っ込んで、
一人で笑って、
一人で泣いて、
しまいには一人で歌って踊りだす。
忙しない、騒がしい、私の日常。

となりに住んでる大学生の男の子に、
いつか怒られないかヒヤヒヤしながら、
私の新しい日常が増えていく。

ただ、家に帰っておかえりなさいのある日常は、私の大切な一番の宝物の日常。

いつだって、
私には宝物の日常があるから
明日も元気に頑張れる。

ちなみに最近気付いた。
うちのお母さん、優しさのラリー天才だった。

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