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10ヶ月全力で作ってきたサービスを、スタートアップという土俵から降ろします。

突然のご報告になってしまいました。
私たち学べる恋愛ゲームSmart Kissは、事業として本サービスを一度中断するという決断を致しました。

「いや君、つい先日まで、“絶対やり遂げます!やり続けます!”言ってたじゃん。」
その通りです。期待して、応援してくれていた皆さん、ごめんなさい。

勿論、このプロダクトは大好きで、愛しています。しかし私自身、ビジネス・事業として考えた時にどうしても続けることが辛くなってしまったのです。

ただ、事業としては一度やめますが、このスマキスは私自身の「ときめき」を最大限に表現したアートでもあるので、コンテンツ作りはゆるゆると続いていくと思います。よければ、暖かく見守っていてください。

また、関わってくださった皆さんには本当に感謝しかありません。プロダクトの成長を通して、私たち自身、沢山の機会を頂きました。本当にありがとうございます。

どういう経緯でこのような決断をしたのか、少しだけ下に自分の葛藤を記しておきたいと思います。

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思い付いたし、まずはやってみよ!

2019年3月末、MAKERS UNIVERSITY U-18に参加。そこで形作られたといっても過言ではないアイディアの「学べる恋愛ゲーム」

これが世界を変えている未来を想像したとき、今までに無い高揚感に溢れた。

これを投資家の方々に対してピッチし、メルカリの山田進太郎さんの奨学金に選んで頂いたことで私の恋愛ゲーム作りは始まった。
奨学金の期間は半年。だから絶対半年で結果を出そうと思って、自分自身にめちゃめちゃブーストをかけた。大学に入学してからは、ほぼ全ての時間を、交友関係を、このプロダクトに捧げていた。

エンタメをまさか自分が作る側に回れるなんて思ってもいなかったから、ひたすらにインプットして、アウトプットを繰り返す…まさに「怒涛」の数ヶ月を送っていたと思う。

その奮闘は、これらのnoteに残している。


半年後に学べる恋愛ゲームのβ版を出す。
自分たちなら絶対できる。迷いはなかった。

毎日頑張って、自分の実現したい未来がいっぱいに詰まったSmartKissが、どんどん形になっていく。最高に幸せだ。

そして、2019年10月03日、Smart Kissのβ版をリリース。
(ありがたいことに、β版登録者は300人を超えました!)

このまま会社設立して、資金調達して、さらにブーストをかけようと思っていた。リリースするまでは。

でも段々、やめるきっかけを探していた

どうして歯車が上手く回らなくなってしまったのだろうか。
いや、原因はわかってる。β版リリース後からの、自分の意思の弱さ、だと思う。大切にしたいものを言語化しきれないまま物事を進めて、そして何度も意思決定を覆してしまったことだと思う。
そして色んな人に迷惑をかけて、色んなものを諦めた。
だから怖くなってしまった。

β版を出す前までは、どんなに上手くいかなくても、ダメだと言われても、悔し泣きすることはあっても絶対にSmartKissやり切るんだ!!私の意思決定は最高〜!!という気持ちだった。

自分の選択に自信が無くなってしまって、それでもどうにか前らしき方向を手探りしてはおそるおそる歩みを進めていた。

自信がないことを隠そうとしてしまう自分

いわゆる「起業の失敗談」というものを、周りからよく聞いていた。私はそうはならないぞ!と思っていた。
何より辛いと何人もの先輩たちから聞いたのは「このまま進んでいいか不安なのに、最高です!と心から思っているフリをして周りに話すこと」だと言っていた。
「やりたい!」と宣言した言い出しっぺは、前を向き続ける責任があると思う。誰かを巻き込んでいるなら、尚更そうだ。でもそれはあまりに孤独で、辛いことなんじゃないか。

寝ても寝ても、疲れが取れない。鼻血は出る。髪は抜ける。なんだこれ。言語化できないストレスは体に現れていた。

考えても考えても最適解なんてわかんないのに、自分の意思決定は最高なんだと言い聞かせて、周りにもそう見せていたことが苦しかったのだと思う。

違和感を抱えたままリスクを背負って良いのか?「本当に」覚悟は決められたのか?これより強いプレッシャーが資金調達をすれば襲ってくるんだろう。

私はまだいい。恵まれていることに、大学4年間は親に頼ることができる。
でも、Smart Kissで、本当にバリュエーションを上げながら資金調達し続けてエグジットできるの?一緒の船に乗ってくれる仲間たちの生活を保証できるようになるの?

わかんないよ、やるしかないよ。もう覚悟を決めてくれる人たちも、SmartKissに人生をかけようとしてくれている人たちもいるんだよ。

だって作ってる時間は最高に楽しいし、これで良いはずだけど…本当に大丈夫かな?

自分が作りたいものと、社会のずれ

気づいていた。そして何より、大丈夫じゃないとデータは語っていた。
応援してくれてはいても、SmartKissへの圧倒的な熱狂が、定性でも定量でも足りないのだ。

いや違うな、これはやめたいから見つけた都合の良い言い訳かもしれない。

結局、自分の世界を表現しきるだけじゃなくて、表現したもので世界が変わる実感がほしかったんだ。しかも自分という眼鏡を通し間接的にではなく、表現したもので直接に。

納得いかない、上手くいかない理由はいくらでも考えられるよ。市場参入のタイミング、そもそもの選定市場、プロダクト自体のクリエイティブ、マネタイズ…etc etc

全てが未熟で、悔しい。成長したい。
圧倒的なインプットと、思考と試行と志向で、もっともっとつよくなりたい。

「やめたい」が生まれたきっかけ

積み重なってた違和感と、それを見ないフリしていた私。それは、ずっと事業を共に進めていたももりんとのいつものご飯で明らかになった。

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中学から一緒のももりん。愛。

人も増やして、会社作って、資金調達してゲームも漫画も作って行こうとしていたタイミングで、だからこそ今なのだと、ももりんにこう打ち明けられた。

「他にやりたいことができた。SmartKissとの向き合い方を考えたい。」

そう言われて、ふ、と気持ちが楽になった。そうか、ももりんがSmartKissを抜けることもあるのか?
…そして初めて、言えてなかったSmartKissへの自分の不安を口にできた。

「大好きで、やりたいけど、でも今ビジネスとしてやれる気がしないんだ。」

…気がついたら、私はご飯を食べながら号泣している。ありがとう。ももりんが切り出してくれたおかげで、本音が溢れ出てきた。

「ときめき溢れる社会」を実現させるために、良いバランスを探ることが私のスキでありトクイである。それは過去の自分が証明している。
でも今、良いバランスを取れている気がしない。もっともっと、何かある。ただそれはSmartKissではないかもしれない。

「やめたい」と口にして、悲しいけど、楽になった。ツライけど、スッキリした。勿体ない。諦めたくない。大好き。色々な感情が混ざって混ざって止まらない。

ただ、葛藤して、やめたい、ということだけは決まった。

これからについて

【スマキスの今後】
色んな人にSmartKissのことについて連絡している中で、絵を描いてくれているな子さんから「え?完全にやめちゃうの?」と返事が来た。「ビジネスになるには時間がかかり過ぎる気がして…」と返すと、

「趣味でもいいから続けない?私SmartKiss好き!」

…ーって、え?え?良いんですか?スマキス続けられるんですか??涙
いや勿論ね?大好きだし続けたいけど、私1人じゃ出来ないことだし割と諦めてたんです。
それがまさか、続けられると思わなかったから……うう、ありがとう涙

という訳でSmartKissは趣味でゆるゆると続きます!InstagramTwitterフォロー待ってます~!


【私の今後】
そしてまあ、私の今後についてなのですが、正直何も決まってません。
大学に入ってから、SmartKissが出来ない言い訳(学業やらインターンやらバイトやら)をほぼほぼ無い状態にしていたし、人生の優先順位1位/時間シェアNo.1がSmartKissだったので、何をしたら良いんだろう…?「ときめきで溢れる世界を作る」という目標は変わっていないのですが、それをどう実現させていこうかちょっと悩んでいます。とりあえずこれからもがんばるぞ〜!


【最後に】

SmartKissに関わって頂いた皆さん、好きになってくれた皆さん、本当にありがとうございます。皆さんと出会えて本当に良かったです。
また、先の未来に、皆さんの力をお借りしたい時が来るかもしれません。その時は、お力添えいただけると幸いです。

これからも、SmartKiss、そして山本愛優美を是非ともよろしくお願いします。

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