悪夢。

ずっと、うなされていた。
これは夢だ、現実であるわけない。これが現実ならば、もう生きるのはイヤだ。
夢ならば覚めて。

夢の中で、強く願った瞬間、私は目覚めた。
ふと、まぶたに触れると、涙で濡れていた。泣いていた記憶はないのに。

「やっぱり夢だったんだ」

目覚めた瞬間に、夢の内容は忘れてしまったけれど。 目覚めた現実が、夢よりマシかと言えばそんなことはなかった。

#超短編小説

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