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2nd シーズンの終わり


1.片付け

来た時は、綺麗に保とうとしていた部屋も、
徐々に汚くなっていって、生活の跡が残る。
明日出国だから、片付けなきゃいけない。

スーパーで30%引きだった花を吊るして、
ドライフラワーにしようとしたけど、
完成するには少しに日にちが足りなかったみたいだ。

余ってしまった調味料たちは持って帰るから良いとして、
ボディーソープは東京の家にもあるし、
ドライフラワーもそれらも、まだミラノにいる
知り合いにあげることにした。

そうやって、ひとつずつ片付いていくと、
なんだか無性に寂しくなった。

期待も希望も、全て叶わなくて、
私自身も敵わなくて、
手ぶらで帰るということ。
持っているのは、英訳できない悔しさと、
バイト先へのお土産。

まだ居たいのに、去らなければならない。
どうやったら成功するとか分からないし、
きっと運もあるだろうし。
やっぱり、難しいなぁ、、、と再認識した。

これ、壁じゃないんだよね。
先が見えない、複数の分かれ道に近い。
どこに進んだっていいし、
行き着く先は、同じかもしれない。
それでも選択して、進まなければならない。

今季は泣かなかった。
でも、分かっちゃいたけど、やっぱりそれなりに落ち込んでいる。


2.応援

2回目のモデルとしての海外挑戦。
結果を待ってくれている人たちがいた。

「調子どう?」
「応援してるよ〜」
「頑張ってね!!」
「気をつけてね!」

たったこれだけの言葉を、送ってくれる人たちが、私にはいる。

こんな嬉しいことあるか?
前回もそうだった。
もちろん初挑戦だからこそ、気にかけてくれる人は多くて、
2回目なのに、そうやってまた声をかけてくれる人がいる。

嬉しかったりし、なんだか心が繋がっているような気がして、
やさぐれそうな心が、スッと落ち着いた。

カッサカサの唇に、リップクリーム塗ったみたいに。
きっと1人で考え込んでいたら、
もしかすると、自暴自棄にでもなってたんじゃないかと思う。

ありがとう、みんな。

3回目、4回目ってなっても、
変わらず声をかけてほしい。
だから、私なりの精一杯で応えようって思う。

私を立たせる支柱には、常に応援がある。


3.でも、結果は。

仕事も、撮影も、とれなかった。
何もできなかった。
前回、テストシュートを2回して、
仕事を1つ経験させてもらった。
だからこそ、物足りないし、前よりも落ち込んだ。

なにより、応援してくれたのに、
期待して、送り出してくれた人がいたのに、
結果で示せなかったこと。
1回たりとも、無駄にしたくなかったのに、
2回目は0という現実。

0も、いい経験だよな。
と思い込むようにして、
何度も自分に言い聞かせたけども、やっぱり悔しい。

取れそうな仕事が無いわけじゃなかったし、
オープンキャスティング
(私にリクエストや指名があって行ったキャスティングではない)
で、1つも結果を出せなかった。

つまり、他より見劣りするって、ことなのかな。
なんて考えてしまう。

そりゃ、ブランド側のイメージもあるし、
それに合わなかっただけかもしれない。

でもやっぱり落ち込んでいる時は、マイナスな方に考えてしまう。

今思えば、今回の私は、なんだか常に元気が少し無かった気がする。

心のどこかで、
「取れなくても仕方ない。」
的な、少し諦めたムードがあったかもしれない。
良く言えば、落ち着いているということ。
悪く言えば、負のオーラって感じ。

少し気を落としながら、ミラノ自由行動最終日
(フライトの1日前)、
事務所に、挨拶に行った。

「ごめん、仕事取れなかった、、、」
開口一番で、マネージャーにそう言った。

マネージャーは、
「仕方ない、今回は難しかった。
 良く頑張ったよ、君は美しいし、
 そのままでいい。
 また、次のシーズン頑張ろう!!!
 悲しまないで、大丈夫だよ!」

って。
おれ、一言しか言ってないのにさ。
そんなにプラスな言葉を1言ったら、
10返ってくるなんて思ってなくてさ。
本当に、心から、絶対次、やるぞ。って思えた。


4.悔しさをバネに

今回、仕事が取れなそうな時、思ったんだよね。

トントン拍子でうまくいった人と、
最初にちゃんと失敗して、どん底から上がった人。

最終的な位置は同じだとした場合に、
息が長いのは、後者じゃ無いかと思う。
もし、トントン拍子さんが、失敗したら、
心折れちゃうんじゃ無いかな、と思う。

ドン底から上がった人は、
下を知っているから、
それに比べちゃこのくらい、どうってことないよ!!
ってなるのかな、と思う。

だから私は今回0という、下を経験した。
オーディション自体は、それなりにあったから、
ドン底とまではいかないけれども、
底に近い経験をした。

だから、私がこれから先、上の舞台に上がった時、
それはそれは、強くなっているんじゃないかと思う。

そして、こうも思った。
私の周りで、トントン拍子で成功したモデルを知らないんだけど、
もしかしたら、みんな失敗して、立ち直ってを
繰り返して、やっているのかな。
私が認知する前に、武者修行をしっかりしているのかもしれない。

そうなったら、勝ち目なくない?!?

というより、こんなことを言ったら、
冷めていると思われるかもしれないけれど、
私は実は、もはや、そもそも最上級の舞台へは
行けない、
絶対ではないが、たぶん可能性は、1%を切っている、
と思っている。

だからといって、止めたりはしない。
なぜならば、

私は、正真正銘、めちゃくちゃに
負けず嫌いなのだー!!!!!!
一泡吹かせてやろうじゃねえか!!!!
と思っているからだ。

負けらんねぇ、もう負けたくねえ。

私は今回、強く思った。

「もう2度と敗けねェから!!!!!」
「トップモデルに勝って、トップモデルになる
 まで、おれはもう、敗けねェ!!!」
※インスパイア、ゾロ(ワンピース)


5.反省と準備

さて、また日本に帰って、力を蓄えなければならない。
自分を見つめて、武器を見つけて、磨いて。
そして、写真を新しくして。
技も増やさなければならない。
自分というものが出せるレパートリーを増やす必要がある。

そして、英語をさっさと習得して、
イタリア語の勉強もしたい。

お金も貯めなければならない。

きっと気がついたら、あっという間に、夏のシーズンに突入するだろうな。

その時、何も変わってなかったら、
私は腹を切る。

そして、皆さんに私のホルモン定食をご馳走しようじゃないか。

もう敗けねぇって決めたんだ。
中途半端な覚悟じゃあ、この先、やられちまう。

そして、言ってやろう。
次のシーズン、ミラノコレクションの仕事を取って、
たっくさん努力したし、傷だらけかもしれない
けれど、

「・・なにも!!なかった・・・!!」

人の夢は終わらねェからさ。
まだまだおれは挑戦を続けると思う。

みんなに、あいついつまで経っても伸びないやんけ。
って思われないように、
また、応援してもらえるように、
やっぱりちゃんと1から頑張るからさ。

やっぱり、そうだな。
幸せって、感謝とハッピーセットだ。

仕事ないけど、悔しいけど、でも、不幸せじゃない。
それって、幸せじゃんか。

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