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☆My Story☆ My special you⑭ #ナムジュニと私

【私side】
2022年12月2日。
ジュニの「INDIGO」のリリースは、ジンさんの入隊の直前だった。
10月15日、釜山でたった一日だけのYet to Comeコンサートをアミの大歓声に包まれ幸せに終えて、7人はジンさんを先頭にに入隊することを発表した。それは2025年に再び7人が集まる約束でもあった。

ジンさんは少年の頃から大ファンだったColdplayとコラボしたThe Astronautをリリースした。釜山コンが終わってすぐ、地球の裏側、ブエノスアイレスで行われるColdplayのコンサートにThe Astronautを歌うために渡航することが告げられた。華やかなスケジュールの反面、ジンさんに残る活動日数が少ないことを誰もが実感し始める。
アミに贈るさまざまなジンさんのコンテンツが送り出される中、INDIGOのリリースプロモーションも始まった。
メンバーの入隊とソロ活動。彼ら7人が再び揃う2025年までは、こうして違うベクトルの気持ちを抱えながら、彼らを見つめる時間を過ごすことになるのだろうなと実感していた。

ジュニの「その時」も遠からず来る。その時、泣いてしまったらごめんね。

【ナムジュンside】
INDIGOは僕の20代の軌跡。
リリースするまでに4年も掛かってしまったけれど、結果的に今の時期が一番ふさわしかったんだろう。
ありがたいことに、音源を共にしてくれた仲間やスタッフとともに、NYの大好きなスポットのひとつ、Dia Beacon美術館でアルバム収録4曲のLIVE映像を収録するという貴重な体験をすることができた。僕にとって本当に貴重で光栄な出来事だったから、公開されたらアミが喜んでくれたら嬉しいな。

今日は12月5日。

僕がまだ10代の頃、アンダーグラウンドで音楽を始めた頃から憧れていた弘大のライブハウスRolling hallでINDIGOのLIVEをする日だ。
僕らが今、有難いことにアミという大きなファンダムに恵まれたことで、このライブハウスでLIVEをするという夢は、もはや叶わないのだろうなと思っていた。それでも時々、こっそり弘大を散歩してはRolling hallの前を通り、憧れていたあの頃の夢を思い出したりしていた。

INDIGOのリリースプロモーションで、アミの前で歌うとしたら、何処でどんなふうに歌いたい?

そう会社から聞かれて、僕はとっさにRolling hallでLIVEがしたいです、と答えた。

音楽番組への出演や、もう少し大きなホールで大勢のお客様を迎えて公演することが、新譜のプロモーションとしては正解なのかもしれない。
だけど、僕はこのチャンスを、僕のソロ・アルバムというチャンスを逃したら、もう二度と叶えられない、しまいこんだ夢を叶えたかった。

僕があまりにも即答したものだから、会社はその理由を聞きたがった。

僕が20代の軌跡として上梓したこのアルバムだからこそ、僕が音楽を始めた頃から憧れていた場所で、20代の終わりに公演したいと。
僕がなぜ、どんな気持ちで音楽を始めたのか、僕の音楽を愛してくれている方達と分かち合いたい、と伝えた。というより、一生懸命懇願した。

「ナムジュンのアルバムだ。ナムジュンの一番やりたい方法にしよう。」

数日後にOKを貰えたときは、胸が踊って思わずガッツポーズだった。
ユンギヒョンは、「すげえ羨ましい。」と言ってくれた。Rolling hallは、僕と一番長く共に音楽をしているユンギヒョンの憧れの場所でもあった。

Rolling hallのキャパシティは最大観客数200人だ。
ファンクラブ会員に限定して募集を掛けたとしても、とんでもない倍率になるだろう。申し込んでくれるアミにはとても申し訳ないけれど、当日の映像も、バックステージビハインドもBANGTANTVで後日公開することとして、僕の我儘を優先させてもらう計画が始まった。

【私side】
今日はジュニがずっと憧れていたRolling hallでのLIVE。
彼自身の分身のようなアルバム、INDIGOのリリースイベントで、少年の頃から憧れていた弘大のライブハウスでLIVEができることを、嬉しそうに頬を上気させて私に報告してきた日が、つい昨日のよう。
国内だけでなく海外のスタジアムまで満席にしてしまう방탄소년단のリーダーであるけれども、ジュニ自身は、こうして息遣いまで聞こえる距離で音楽に身を委ねることを夢みていたんだ。

INDIGOのアルバムを購入したファンクラブ会員限定で、天文学的な倍率の末、200人が当選する。
RM推しのアミとして応募すると言った私に、ジュニが「応募禁止」と。
ユナは必ずRolling hallでLIVEを観ることになるんだから、倍率を上げちゃだめだよって。

そして、もうイ先輩に叔母様とユナと3人で一緒に、と招待のメールを送ったからね、と言う。いつの間に(笑)

「イ先輩、とても喜んでくれたんだよ。3人で一緒に来てね。」

Rolling hallはオールスタンディングだから、叔母様が息苦しくならないように、マネージャーヒョンにお願いして端に一つ椅子を用意してくださったと。叔母様は「恩師」として招待、イ先輩と私は叔母様の付き添いとしてその場所で観る形で、と会場スタッフに周知してあるそう。
もちろんマネージャーヒョンさんは全てご存知だけれど。

「僕の恩師の叔母様に、ちゃんと付き添って来てね。一緒に楽しんで。」

ジュニはいつもそう。
私が気まずくならないように、先回りして優しい手を差し伸べてくれている。あぁほんとに、これだから、まいっちゃうんだよな。

ジュニは、イ先輩にも叔母様にも、心を込めてサインしたINDIGOをプレゼントした。
叔母様は、歌詞を全て覚えてしまうほど歌詞カードを読み込んで、かすかな聴力で擦り切れるほど聴いて、毎日心地よく包まれていると喜んだ。
この才能に、生きている間に触れることができて幸せ、という叔母様の絶賛を伝えると、ジュニは少し涙ぐんでしまった。

イ先輩は、マジでナムジュン本当に天才だな、このアルバム全曲クール過ぎるよ、と賞賛がとまらない。NYのLIVEは、Dia Beaconが先輩の大好きな場所だということもあって、大絶賛だった。

「ナムジュンにすごく良かったってメールしたんだ!Dia Beaconっていうチョイスが最高だよなぁ。」

ナムジュンとイ先輩は、意外な組み合わせだけど波長が合うのかな。
タイプはちょっと違うけど、音楽の好みが似ているのかしら。

イ先輩が運転する車は、INDIGO談義を弾ませながら、Rollong hallそばのパーキングに入った。
Rolling hall前の通りは、開演を待つアミで賑わっていた。

ここでLIVEができると決まった後、嬉しくてしょうがないジュニとこの通りを散歩した。ばれやしないか、ヒヤヒヤだったけど・・・

「オーラ消すの得意だから。念のため、ユナも帽子と眼鏡とマスクね。あ、マフラーも!」

人混みに紛れたれたジュニから少し離れて、弘大を散歩した11月下旬。
大きな背中がゆっくり弘大を歩き、嬉しそうにRolling hallを見上げる。
そっとスマホで撮った後ろ姿、今日のLIVEが終わったら見せてあげるね。

もうジュニはリハーサルも終えた頃かな。少し緊張しているかしら。
「着きました。思い切り楽しんでね!」
とカトクしてみたけれど、既読にはならなかった。

叔母様の名前をイ先輩が関係者受付に伝えると、私達3人はスタッフさんの誘導でフロアに案内された。案内された叔母様に椅子に座っていただくと、壁際のその場所はスタンディングの観客の合間からステージのナムジュンが良く見える場所だった。
その横に立っているイ先輩も私も、視界良好だった。ありがたい。

指定された場所に私たちが到着したことを、少し離れた場所からマネージャーヒョンさんが見つけてくださり、軽く手を振ってくださる。こちらからもそっと会釈で返すと、マネージャーヒョンさんが舞台袖を指さしてサムズアップをしてくださる。

ジュニ、準備万端なんだね。良かった。
壮大なスタジアムだった釜山コンサートとはまた違う、ここは距離が近い別の意味で贅沢な場所。

釜山コンは、公演直前になって空席解放された3階席で観た。ファンクラブやスポンサー抽選にも何度も申し込んだけど、当選しなかった私は、チケッティングでも苦労し続けた。

「よく見える席で観て!招待席もあるんだから。」とジュニは何度も言ってくれたけど。招待席という場所に恐縮してしまうことと、他のアミと同じように7人の初めてのコンサートを自力で取りたいという意地のような思いだった。

毎晩チェックしていたインターパークに、公演直前に空席が戻った日があった。このチケッティングで取れなかったら、、、焦って震える指。私の果てしない挑戦を、見守ってくれていたジュニに、ようやく3階席が取れたことを報告すると、自分のことのように大喜びしてハグしてくれた。

「もっと近くで観てほしかったけど。。でも、ユナのおかげで、アミがすごく苦労してチケッティングしていることが改めてわかったよ。必ずステージで恩返しするから!3階まで聴こえるように歌うからね。」

ジュニが言う通り、アジアドスタジアムの3階席からステージの7人は、豆粒のように遠かったけれど、大きなモニターに映る7人の魅力的な姿、何より美しいアミボムの光の海、彼らの熱唱、ダンス、生バンドの迫力ある演奏、アミの大声援・・・魔法にかかったような2時間だった。
今も目を閉じるとスタジアムの真上から眺めた至福の景色が、瞼に蘇る。

その釜山コンサートとは対照的な、ここRolling hall。7人ではなく、ジュニひとりのステージ。

INDIGOのセットリストは全部やるよ、サプライズもあるよ。ゲストはね・・・、嬉しそうに私に話すジュニのネタバレを封じて楽しみに待っていた時間のぶん、期待で胸がドキドキする。
叔母様の瞳もキラキラと輝いて嬉しそう。
イ先輩は、少年のようにワクワクした表情で舞台を見守っている。
そして最強の運でLIVEに当選した200人のアミ達の嬉しそうな笑顔。

Rolling hallのフロアの照明が落ちていく。
一夜限りのINDIGO LIVE の幕が開く。

その時震えたスマホには愛する彼からの極上の一言が届いていた。

사랑해요 유나, 나를 보고 있어줘.
(愛してるよユナ,僕を見てて)

【つづく】

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